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テラオ レビュー

テラオ The next generation machine 1巻 (BEAM COMIX)

近藤 るるる / エンターブレイン



 大・丈・夫! ファミ通の連載漫画だよ!


 あらすじ

 無類のゲーム好きな小学校教師、石原駈は、ある日、モンスターペアレントに目を付けられたのが原因で、本州からの片道所要時間25時間30分! 諸島形成以来、一度も大陸と地繋がりになったことがなく、そのため独自のガラパゴス的生態系を持つ、住所表記的にはギリギリ東京都内の超離島、小笠浦諸島の学校へと転任を余儀なくされる。
 大好きなゲームを買うのにもネット通販で10日以上必要という環境に、最初は不満を覚えた石原先生であったが、

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 離島育ち故か、都会の子供達にはない純朴さを備えた生徒達や、島民の皆さんとの触れ合いを通じて――、

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 通じ――、

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 通――、

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                    /:::::::::::::::::::::::::""'''-
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     ==三= ̄      《|ll|ニヽ l∠三,,`\\::
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       |"''》 ''"└┴`       | ゝ―-       
       | /           ヽ ""        ,. 
        | ヽ=   、    U    lヽ、___,,,...-‐''"  
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          ヽ ""        ,.    | | ̄ ̄ ̄      
        ヽ、___,,,...-‐''"  ,,..-'''~            
          厂|  厂‐'''~      〇
        | ̄\| /


 続・あらすじ

         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|     レビューを続ける前に言っておく!     
          |i i|    }! }} //|     俺は今この漫画をほんのちょっぴりだが読んでみた
         |l、{   j} /,,ィ//|       い……いや……読んだといっても全く理解を超えていたのだが……
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        『無人島で子供との触れ合いを行う教師漫画だと思っていたら
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |        なんかロボットがいた』
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        な……なにを言ってるのかわからねーと思うが
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉    俺も何が起こってるのか分からなかった
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった……
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    超スピードだとか催眠術だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっとメカ沢な片鱗を感じたぜ……


 続々・あらすじ

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 しかもセ○である。

 さて、タイトルにもなっているこのロボットこと、

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 テラオはどんなハードのゲームソフトでも取り込み、現実へとその内容を反映させる能力を持っており、それによって巻き起こされる事件を解決したり、たまに自分の目的のためにその能力を活用させてもらったりしながら、石原先生が楽しい離島ライフを送っていく、というのが本作の基本ストーリーです。


 離島×ゲーム

 さて、長々とあらすじで語った通り、本作は離島モノとして極めてまっとうなストーリーに、掲載誌がファミ通であることからくる大人の事情とが見事に組み合わさり、作品の舞台以上にガラパゴスな漫画として仕上がっています。
 ここで特筆すべきは、この二つのコンセプトがバラバラにかい離しているのではなく、有機的に反応し合い、作品の面白さを引き出す働きをしていることでしょう。
 ネタバレになるので詳細は省きますが、主人公である石原先生は、まだまだ子供たちへの接し方に悩んでいる若手教師。当然ながら、新しい生徒である島の子供達にも、どのような授業をすればいいのか分からずにいたのですが、しかし、テラオの能力によってゲームのイベントを現実世界で共に体感することで、自分がどういう教師を目指せば良いのか、その指針を得ていくわけです。

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 大自然の残る離島での暮らしを題材にしているのなら、普通は文明を否定するようなお話になりそうなものですが、この漫画はそれを逆手に取り、むしろ、文明が生み出した娯楽であるゲームを通じ、主人公が成長していくわけですね。

 掲載誌であるファミ通の需要も満たしながら、しっかりプラスアルファも与えているわけで、作者である近藤るるる先生の力量がうかがえるというものです。


 前作人気キャラクターの正ヒロイン化

 さて、本作のもうひとつ、大きな目玉として、前作たかまれ!タカマルの人気キャラクターである蓮沼先輩が続投し、のみならず、正ヒロインにまで昇格していることが挙げられます。

 この蓮沼先輩(というか夢を叶えたので蓮沼「先生」)というキャラは、前作でかなりの人気を誇ったキャラであったものの、極度のブラコンという設定や、作中のストーリーの流れから、ラブコメに登場するヒロインでありながら、これといって浮いた話もないままに最終回を迎えるという、僕みたいなカプ厨にとっては大変残念な結末を迎えてしまいました。
 しかし、近藤るるる先生は、そんなファンの嘆きを分かっていた!
 結果として起こったのが、前作からの続投&メインヒロイン化という、大逆転ウルトラCな展開なのです。

 しかも、単に昇格しているだけではなく、石原先生とのラブコメに関してはかなり力を入れて描写されており、

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 作品を担うメインストリームの一角として、十二分に読者を惹きつけてくれます。

 単純にラブコメとして面白いだけではなく、前作からのファンの心もバッチリ満たしてくれているわけで、過去作で培ってきたキャラクター資産を上手く使った好例であるといえるでしょう。


 まとめ

 そんなわけでテラオは、離島モノの基本フォーマットに、ゲーム要素を上手く組み合わせ、かつ、前作ファンへのサービスも充実している一作です。
 一話辺り8ページという制約の中で、見事に起承転結を成している構成能力に感嘆するも良し! 近藤るるる先生らしい肩の力を抜いて楽しめるラブコメを満喫するも良し! 俺に良し! お前に良し! なこの作品、皆さんにもお楽しみ頂ければ幸いです。

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by ejison2005 | 2010-05-30 02:22 | 漫画 | Comments(2)
週刊少年ジャンプ 10年 25号 感想
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(流石は鳴海荘吉の娘……ツッコミを入れる隙が見当たらないわ!)
 所長が違和感なく溶け込みすぎていてワロタ。

 本編ですが、やはり白眉はトライアルへの特訓シーンですね。これは昭和ライダーへのオマージュなどとしても、もちろん重大な意味を持つのですが、それ以上に大事な役目として、復讐鬼としての照井では決してアクセルの力を越えられないと、映像とエピソードでもって示していることが挙げられます。
 言ってしまえば、登場から今までのアクセルはアクセルドーパントでしかなく、仮面ライダーではなかったわけで、復讐を捨て、戦うべき理由を本当に見出したその時、照井竜は己の限界を超え、仮面ライダーアクセルへの変身を遂げたわけです。


 少年疾駆(新連載)

 こ……これは確かに、素晴らしいボールタッチを誇る流し台ですね!
 主人公のライバルがどれだけのボール裁きを実現したとしても、空中へ放たれたボールを襲うのは無情なる万有引力……受け取り手である流し台が、主人公達と同等かそれ以上のボールタッチを見せない限り、待ち受けるのは破滅の未来だけなのです。しかし、その定めを、この流し台はくつがえした! 筋繊維一本すら宿らぬ無機物たる、流し台がです! これは最早、この世の摂理そのものを生み出した神に対する反逆であると言えるでしょう!
 この先、二人の少年と、そしてこの流し台がどのような物語を紡ぎだしていくのか……僕には想像がつきません。ですがそれは、これまで誰もが体験したことのないような、全く新しいものであるはずです!
 少年疾駆――それは人と流し台の物語……。

 マジメに書くと、「とにかくカッコつけたい!」という主人公の心理が、スタートからラストまで結局変化しないままだったのはどうかと思います。漫画アニメ小説問わぬことですが、ライバルとのバトルの何が大切かって、ライバルに勝つことではなく、その戦いを通じて克己することなんだぜ。復讐心に凝り固まったままの照井竜が、トライアルマキシマムドライブを炸裂させてウェザードーパントを倒したって、視聴者は困ってしまうのです。
 大体、サッカー漫画の主人公に対する動機付けが、「とにかくカッコつけたい!」である時点で意味が分からないもんなあ。小学生時代は、そりゃあ運動出来る奴がヒーローだからそれでもいいんだろうけど、彼がこの先、中学生高校生と成長していったら、「チャンピオンズリーグ? ああ、そんなことも言ったねw それよりギターやろうぜ!」とか言い出すんじゃないかな。

 あと、キャラの頭身が何か分からんけど気持ち悪かったです。顔はもう少し成長してるのに、体だけが小学生だ。


 ワンピース

 今回の回想内において、ルフィ達は桃源の誓いの如く義兄弟となったわけですが、これによって、(回想エピソード内における)サボの生存確率が、かなり跳ね上がったと思います。死なすだけなら、単なる仲良しで十分だからね。わざわざ義兄弟としたからには、当然そこに何らかの狙い……具体的に言うと、未来(現在)におけるもう一人の兄として、エースの代弁を行わせるという思惑があるのでしょうから。

 もしもそういう展開になるのでしたら、今回の回想が持つ役割は、ルフィ対する免罪符(サボ)の発行ということになるのでしょうか。まさかルフィが自分自身で「俺はやれるだけのことをやったよな! うん! エースが死んだのも仕方ないぜ!」などという結論へ達するわけにもいきませんし、誰かがルフィを許してやる必要は確かにあるかもしれません。
 でも、その答えが後付け回想による「もう一人の兄登場」なのだとしたら、何ともインスタントな印象を受けてしまうのです。


 ナルト

「里の人達も大事だけど、他(里の人達)に信じなきゃならないもんが先にある」
「自分を信じてみようと思うんだ。里の皆に信頼されてる自分ってのをよ」
 この二つの台詞が、何だかものすごく矛盾している気がするのです。前者の台詞では「里の人達を信じきってないナルト」なのに、後者の台詞では「里の人達を信じているナルト」になっているんだぜ。前後の台詞で、前提条件が食い違ってしまっている。言いたいことは分かるんだけど、言葉の選択を間違えているという、いつものアレですね。


 トリコ

 え……いや……材料が全く違うのだったら……それはもう、全然別の料理なのでは……? 寄せ鍋が作る人によって微妙に材料を変えるように、センチュリースープもまた、料理人によってそのダシ材を変えるとか、そういうオチなのでしょうか。しかし、それは「味を再現しよう」という、今回のエピソードにおけるコンセプトに対し、思いっきり矛盾を生んでしまっている気がするのです。
 それを差し置いても、小松が入手可能な食材で、セツ婆以上のセンチュリースープを作ろうってのは、どうにも説得力が感じられないなあ。そりゃ確かに、キャラクターの克己というのも大事なんだけど、照井竜が通常のアクセルマキシマムドライブを炸裂させてウェザードーパントを倒したって、視聴者は困ってしまうのです。
 セツ婆による助言で何とか説得力を加えて欲しいけど、肝心のセツ婆自身もセンチュリースープは完成に至ってないしなあ。


 メタリカメタルカ

 すごい! 第二話なのにまるで第一話のようなエピソードだ!
 しかも、両方ともファーストエピソードのようなお話(いや片方はまごうことなくファーストエピソードなんだけど)だというのに、主人公がどのような心情のもとに生きているのか、サッパリ伝わってこないんだぜ。

 現状、僕達が把握しているのは「特殊能力を持った少年がミネアとなるためメタルシティを目指して旅している」という情報くらいなのですが、「特殊能力」も「ミネアという職業」も「メタルシティという土地」も、全く興味を引いてくれないからなあ。

 先週も指摘したこだわりの薄さが、こういうところでも影響している感じで、この三つの要素のうち、どれか一つでも読者の関心を引こう! 食らいつかせよう! と思って描写していたのなら、もう少し違う結果になっていたと思うんですよね。どれもこれも説明台詞でサラッと流しちゃっているから、読んでるこっちだってサラッと流してしまうのです。


 リボーン

 こ……これは……白蘭さんの使っていた死ぬ気の炎! まさか前シリーズのラスボスと同じ力を使いこなすとは……ギーグファミリー……こやつらもまた、ひとかどの漢達よ……!

 いやまあ、普通に血が噴き出してるんでしょうけどね。うん。しかしこれ、ギャグ漫画みたいに景気良く噴き出してるなあ。リボーンも元々はギャグ漫画だったとはいえ。

 ところで、ギーグファミリーの皆さんは顔すら知らないツナのために、わざわざ危険な連中と戦ってくれたわけで、その行動だけ抜き出すとすごくイイ人達だな。


 バクマン。

「えっと、真城はチョコ乗ってるとこ……」
「いや、悪いよ。そこはシュージンに譲るって」
「ん、そうか。悪いなサイコー」
(本編でのやり取り)
「え、うそ! これって小豆の焼いたケーキなの!?」
「ああ、だからほら! 俺の分に乗ってるチョコはお前のに乗せ換えようぜ」
(しばらく食べ進める)
「あれ……シュージンの分に何か入っ……『真城くんへ』……?」
「サイコー……その……何かゴメン(´・ω・`)」
 小豆さん……そういうのは、一人用の料理を意中の相手に直接食わせなきゃ意味が無いです……。

 本編ですが、先週も書いた通り、この流れでストレートに連載を勝ち取っても盛り上がるのは難しいため、こういった展開になったのだと思われます。それに何といっても、僕達読者の実感として、完全犯罪クラブじゃエイジの作品には勝てないと思うからね。
 今後の展開ですが、順当なところでいくと、今度こそというか、いよいよというか、漫画製造機である亜城木コンビの精神性を是正する流れになるのでしょうか。言うなれば、今の状況はトライアルメモリを手に入れ、早速ウェザードーパントに挑んだ照井竜が、フルボッコにされて逃げ帰ってきたようなものですから。あと必要なのは、復讐を捨てることによる心の成長なのです。


 こち亀

 す、すげえ……両さんの行動言動も、お話の流れも、秋本先生が仕入れた知識を一生懸命にひけらかしているだけだ……。
 ちなみに、エクスペリアの何がすごいかというと、OSに関するデータを公開して、技術者がアプリを開発しやすくしているのがすごいのだそうです。DSが大躍進した理由のひとつに、開発環境の良さというのが挙げられるんだけど、それと同じようなことをしようとしているのでしょうか? 僕も新聞で適当に仕入れた知識だから、詳しくは知らん。何か、似たようなことができるテレビも開発してるらしいよ。と、便乗して知識のひけらかしを行ってみるテスト。


 ぬらりひょん

 おお、ちゃんとリクオが精神的成長を果たしている。自分一人の力で戦おうとしていたのが、仲間と共に戦うことを学んだわけですね。同時に、仲間との対立&和解というドラマも発生しているし、遠野での修行エピソードと比べると、かなりクオリティの高いパワーアップ回になっていたと思います。

 しかしこれ、要するに元気玉だよなあ。また物語的に便利な必殺技を身に付けたもんだ。


 ハンター

 この展開で、王がコムギちゃんに出会わないことはまずあり得ないため、勝負の申し出そのものは割とどうでも良い部分なのですが、しかし、王の「勝てば望みを叶えるよ」という台詞を吐き出させたことを考えると、なかなかナイスな提案だったと言えるかもしれません。
 知っての通り、王はかつて同じことをコムギちゃんに提案し、結果として腕をもいじゃうくらい激しくプライドを傷つけられましたからね。コムギちゃんが傍らにいない今の王は、戦闘力こそ底抜けなれど、精神的には、未熟な提案を行ったあの時にまで退化している状態なわけです。
 王と護衛軍二人の会話シーンは、それをエピソードでもって知らしめる、妙手であったと言えるでしょう。

 でも、こんだけ盛り上がってきているというのに、また休載期間に入るらしいですね。マジっすか。

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by ejison2005 | 2010-05-26 05:25 | ジャンプ感想 | Comments(16)
ヤングガンガン 10年 11号 感想
 三回やるのがお約束なので。


 Lastin Genie(新連載)

 とりあえず、主人公のツラを見て二人の少年漫画家が週刊少年ジャンプでの成り上がりを目指す作品だと思った奴は挙手だ。似てるよね?

 そんな新連載第一話ですが、なんかもう、設定を説明するのでイッパイイッパイという感じで、肝心な主人公の目的や思想などについて、ほとんど触れられずに終わってしまっているのがなんともはや。確かに、ここがどういう世界でどんな事態になっているのかは大事なことだけど、そこを生きる主人公が何を考え何を目指しどう成長していくのかは、それよりも更に大事なことだと思うんだぜ。

 また、もうひとつ気になった点として、主人公が宇宙人との友愛を目指すというストーリーなのに、結局、第一話の時点では過去に宇宙人がしでかしたことについて触れられているだけで、宇宙人そのものは一切登場していないというのが挙げられます。何だかよく分からないものと仲良くしようとするぜ! なんて言われても、やっぱり何だかよく分からないまま終わってしまうだけなわけで、宇宙人がどのような思想や文化を備えているのか、その一端だけでも示さないと異星間交遊を題材とした意味がないのです。
 例えば、エイリアンとブレデターとでは、同じ宇宙人だとしても人類側の対応は全く異なるものになるわけですが、それと同じですね。

 ところで、本編とは関係ありませんが、主人公がワイヤーでDQNを脅しながら格好つけるシーンが、クラクラするくらい厨二病だったと思います。


 WORKING

 4コマ漫画の感想を書くのって何気にかなりの試練だけど、でも、せっかくアニメ化されてるんだし頑張って書くぜ!

 冒頭からさりげなくデイジーを画面端に登場させているのが芸コマだったと思います。


 荒川アンダーザブリッジ

 アニメ化にともない、掲載率が上がっているのは大変嬉しいのですが、でも、こういう絵柄で描かれてしまうと何だか微妙に損した気もするような、複雑な気分になりますね。いや、そういう演出だってのは分かるんだけどさ。

 あと、これがご両親の真の姿だった場合、ご両親がまだ変身を残しているのか、はたまた、ニノさんがまだ変身を残しているのか、いずれにせよ、非常に微妙な感想を与えられますので、さすがにこれは錯乱したリクフィルターを通した結果だと思いたいです。


 咲

 今週のあらすじ:風越勢の緊張がほぐれた翌日、会場でクジを引いた。

 ううむ、見事に書くことがないぞう。3ページにも渡って東京の街中を歩くシーンは、今後の展開にどのような影響を及ぼすというのだろうか。
 ラストの永水女子に関しても、そりゃ、僕はアニメ見てたからお面の娘さんが凄まじい絶対領域(=この漫画的に戦闘力)を有しているのは知ってるけど、この漫画自体ではあんまり触れてなかったと思うし、これで盛り上がるのはちとキツイぜ。


 牙の旅商人

 案の定というか何というか、主人公にとっての至上命題であるところの仇討ちは、早くもどうでもいい感じになってきたでござる。
 しかしまあ、それをさて置き、ひとつの独立したエピソードとして考えた場合、ちゃんとこの世界における武器行商人のあり方を描きながら、読者に何が正しかったのか考えさせる構成になっており、非常に面白く仕上がっていました。それだけに、仇討ちのどうでも良さ加減が目につくんだけど。

 演出面に関してですが、大きな代償を払うことで水の恵みを得ている村なのですから、こんな北斗の拳に出てきそうな荒野荒野した地ではなく、もっと緑に包まれた土地として描くべきだったのと、お爺ちゃんの回想では残忍で狡猾な印象を与えた神様が、いざ姿を現すと一片の理性も感じさせなかったのを、何とかすべきだったんじゃないでしょうか。


 フダンシズム

 息子の女装に気づけたのは、母の愛でも何でもなく単に腐っていたからだという事実に、得体の知れない恐怖を覚えました。

 あと、やっぱりこの漫画の真ヒロインは六徳さんだね!


 魍魎の揺りかご

 普通の時間進行になったことで、だいぶ状況が分かりやすくなりました。どうして、最初からこうしなかったんだろう。
 しかし、殺人鬼登場シーンは、もうオブラートで包む気すらなく明確にバイオのパロディだよね。恐怖とかそういうのより、笑いが勝っちゃったんだけど。

 本編ですが、馬鹿が馬鹿なりの考えで馬鹿な行動を取った結果、命の危機に見舞われてしまったわけで、何ともコメントに困る展開でした。ハッチを発見した時点で戻り、仲間と合流してから子供を捜索するなり、最初から事情を仲間に説明しとくなりしようぜ。この娘さんを差し置いて、一人でどっか行っちゃうからと罵られてた滝川君カワイソス(´・ω・`)

 あと、子供を探すヒロインの視点で描かれたコマのひとつに、自分が今こうして潜水している中へ同じく没しているトイレが存在するのは、ちょっと面白いですね。こういうのって、分かっちゃいるけど気になるよな。


 黒神

 族長同士の会見じゃないと納得できないという論理展開が、大変にスマートでよろしかったと思います。重大な案件で他国の首相が来てるのに、何故かこちらは大臣格を寄越すようなもんだもんな。
 そんな、初歩的な営業ミスをかましておいてなお、後のページでは「全てが予想の範疇です(キリッ)」と格好つけちゃうゴーストさんてばマジ男前やでえ。

 しかしまあ、クロ兄の性格なら最初から普通に出迎えてくれそうな気もするわけで(まさかアポなしでもあるまいし)、それを踏まえて考えると、結局、ラストの襲撃に繋げるため、話の都合でキャラを動かしたんじゃないか、という気はしますね。


 BAMBOO BLADE

 何をしているセイバー! アックス! ボルテッカだ!! いいからユージにボルテッカだ!!


 死がふたりを分かつまで

 これを被って戦うことを決意する辺り、確かにただの優男ではないと思った。


 神話ポンチ

 何だか物語を畳む気満々ですが、しかし、主人公がこの状況で卑屈さを維持するのはいかにも無理のある話ですし、ここら辺が終わりどころなのでしょう。売りである神様要素も活かされていた気がしませんし、思うところはあまりないです。


 天体戦士サンレッド

 「俺がこれ持ったら今日からサンダーサンレッドなわけ?」というくだりが、何だか面白かったです。ヒーローにお約束の、後付けパワーアップについても微妙に皮肉られてる。


 FRONT MISSION DOG LIFE&DOG STYLE

 武装がナイフ一本だというのは、偵察兵に武器を持たせない理論ですかね。オンラインFPSでもそうなんだけど、武器があると、ついついそれを使いたくなっちゃうからなあ。足回りもいじってるし、徹底的に逃げ回るのでしょう。

 ストーリー的には、ナイフ一本でいかにしてガンダムを倒すのかというシチュエーション的な面白さに加え、このエピソードの核となるであろう、信じる者と疑う者との出会いが描かれ、最高に盛り上がってきてますね。冷酷な態度とサイボーグ属性によって冷たい印象を与えていたタミラ中尉も、これによって随分とヒロインらしくなってきましたし、今後が楽しみです。

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by ejison2005 | 2010-05-23 03:03 | 漫画 | Comments(0)
生徒会のヲタのしみ レビュー
 その正体……決して悟られることなかれ!
 己の服装、言動には常に注意し、周囲へ溶け込むべし……!
 心に波が立つことあろうとも……ただ耐え忍ぶべし!


 そんな現代の闇を駆け抜け、決して日の当たることの無い人生を送る者の総称をヲタクと呼びますが、

生徒会のヲタのしみ。 1 (ガンガンコミックスONLINE)

丸美甘 / スクウェア・エニックス


 本日ご紹介する「生徒会のヲタのしみ」は、まあ、大体タイトル通りの漫画です。

 ちなみに、こちらのページで1話と2話は試し読みできるよ。


 ヲタクの夢、叶えます!

 いや、別に主人公達生徒会役員がヲタクの夢を聞いてそれを叶えるために一肌脱いだりする漫画ではないので、そこは悪しからず。この作品は、ヲタクの夢というか、読者の夢を叶えてくれる漫画です。

 その夢というのは、言うまでもなく、

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 己をヲタクだと公言し、堂々とヲタク趣味に興じ、ヲタトークを行える場の獲得ですね。この漫画の登場人物は「生徒会」という枠の中で様々なヲタ活動へ興じます。そんな彼らの存在する空間が、漂わせる空気が、最高に心地良い。

 今回のレビュー冒頭で書いた通り、この現代社会においてヲタクとは超マイノリティであり、基本的には社会の闇をひっそりと生きていく存在です。しかし、彼ら(というか僕)がそれで満足しているかといえばさにあらず。中には己の趣味を公言し、他人に迷惑をかけたり不快感を与えたりしない範疇で堂々とヲタ人生を送りたいと考えている人間も多いのです。せめて、同じ価値観を共有できるコミュニティに属したい……!

 んがっ!

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 実際にそれをやれば、待っているのは社会的な死……! 破滅……!
 仕方がありません。我々は少数派なのですから、許容する他ないのです。

 ならば! それならば、です! 漫画の中でくらい、この夢が叶えられてもいいじゃないですか! この望みを登場人物に託してもいいじゃないですか!

 我々は宇宙一の戦士になりたい願望を孫悟空に託し、アウトロー達の王となりたい願望をモンキー・D・ルフィに託してきました。ならば、ヲタクにとっての理想郷を得たいという願望もまた、この漫画の登場人物に託してみるのもいいのではないでしょうか?


 基本的には主人公へのイジりネタがメイン

 と、まあ、そんな僕の歪んだ楽しみ方はさて置いて ミ□

 ぶっちゃけた話をしてしまうと、いわゆるひとつの萌え4コマ漫画であるため、そのジャンルが好きで、ネタの傾向が趣味と合致したならばオススメと、そういう結論になってしまいます。
 その指針としてネタの傾向について説明しておくと、基本的にはヲタであることをひた隠しにしようとする主人公に対する、他役員からのイジりネタで進行していきます。
 これには、萌え4コマなりに通された物語の縦糸として、ヲタであることを否定する主人公が徐々にそれを受け入れていく過程を描いた作品であるから、という理由がありますね。彼は周りとの触れ合い(イジられ)を通じて、自分が本質的には受け入れたいと思っている事柄(ヲタ趣味)に向き合っていくわけです。

 だからまあ、

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 つまり何が言いたいかというと、こういう美少年がイジられる様に萌える人には超オススメっていうことなんだ。うん。作者が女性なだけあって、萌え4コマを謳いつつそっち方面も備えているぜ!


 女性的なタッチが光る柔らかい絵柄

 そんなわけで、作者である丸美柑先生は女性作家であられるわけですが、それ故か、本作の絵柄は非常に女性的な、細いタッチのものになっています。いかんせん、僕に絵心が無いので上手く表現できないのですが、通常の萌え絵柄とは別の起源から進化してきたかのような、少女漫画の匂いを感じさせるものに仕上がっている。そして、僕にはそれが、非常に魅力的なものとして感じられのです。

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 それでいて、男のフェチ心はガッチリとキャッチしてくれているんだぜ? どうよ……? (何が)


 まとめ

 そんなわけで生徒会のヲタのしみは、美少年主人公へのイジりネタをメインに据えた、女性的な絵柄が大変に可愛らしい4コマ漫画であり、なおかつ、趣味を公に出来る場が欲しいという一部のヲタの願いを作中で具現化してくれる作品です。

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 こう理解してほしいという思いのとおりに理解してくれるこの漫画、鬱積した思いを重ねている方に、オススメ!

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by ejison2005 | 2010-05-20 05:24 | 漫画 | Comments(2)
週刊少年ジャンプ 10年 24号 感想
 クソワロタwwwww


 メタリカメタルカ(新連載)

 基本的には読み切り時の焼き直しみたいな内容なんで、感想も09年40号のそれに準ずる形ですかね。作品モチーフへの考証も取材も甘く、かといって、それらの不足を自身の想像力で補えているわけでもない。冒頭に主人公が発見した鉱石が、既に精錬済みであるかのように綺麗な結晶だった時など、あまりの絶望感に身震いがしましたよ(参照:未精錬の金鉱石)。
 ついでにつっこんどくと、村人に一切痕跡を感じさせないまま採掘・精錬・冶金等々、様々な作業を行うウォードさん一派の技術力は凄まじいですね。当然、これだけの人数が快適に作業を行い生活するためには、大量の食料や生活物資、そしてもちろん完成した武具を秘密裏に輸送する必要があるのですが、どうやらそれも易々とこなしていたようですし、あなた方はどこぞの国にでも諜報員として雇われた方が幸せな人生を送れるのではないでしょうか? 最後まで望みを捨てず、己にマッチした求人を探すべきでしたね。

 作劇面に関して触れておくと、「オレの名前は○○○! ○○○(という職業)になる男だ!」という路線の割に、主人公が目指す職業の魅力について、全く描写されなかったのが気になるところ。例えば、トリコなら主人公たるトリコ自身の超絶的身体能力と「プロっぽい行動・言動」を嫌というくらい描写しましたし、ハンターハンターなら、完成された実力・精神を持つハンターとしてカイトを登場させ、ゴンが旅立つにあたって、強烈な動機付けを行いました。

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 ↑結果。
 閑話休題はさておき、この路線で進めるのならば、ファーストインプレッションでミネアへの憧れを読者に植え付けるのは必要不可欠。それをし損なった時点で、新連載第1話としては大失敗なのではないでしょうか。
 次回以降での挽回に期待したいところですが、くどいようだけどモチーフに対するこだわりを感じられないし、望みは薄い……な。


 ワンピース

 ここまでの回想で分かったのは、ロジャーの息子として世界に居場所を見いだせなかったエースが、ルフィの存在によって救われたという事実なのですが、いかんせん、それを知ったところで既に故人なんですよね。エース。しかも、彼らが仲の良い兄弟だったのは、改めて語るまでもないことだという。
 大体が、回想という手法自体が物語の流れをぶった切る代物なため、それに加えて目新しい情報が全然ないという二重苦になってしまうと、停滞感が半端ないのです。

 結局のところ、この回想の狙いはエースの死に対する余韻を深めるという一点に尽きるのだと思いますが、それも過ぎればくどくなるだけなわけで、もう少しサラッと流すことは出来んかったものなのでしょうか。


 ナルト

 巨大イカがモトイさんを襲うシーンの唐突さはさて置くとして、これだとモトイさんが勝手に過去を後悔し、勝手にそれから救われているだけで、その過程にナルトも当のビーさえも、全く関わっていませんね。それとも、僕達読者のあずかり知らぬところでビーはモトイさんとのすれ違いに悩んでおり、ラストのグー突き出しは深い葛藤の末に導き出した彼なりの結論だったりするのでしょうか。何とも奥ゆかしい話です。


 リボーン

 このフレーズも随分と久しぶりに使う気がしますが、どう考えても京子ちゃんよりハルの方が理想の嫁だよな。おいツナ、これも久しぶりに書くがてめーはこの子のどこが不満なんだ? ああ?

 本編ですが、ここしばらくのギャグエピソードにおける真の狙いはシモンファミリーに関するミスリードにあるわけで、それを行うだけならエンマ君とツナが仲良くきゃっきゃうふふするだけでも十分であり、シモン守護者の皆さんに関してまでやる必要はなかったりします。それだと、シモン守護者のキャラは掘り下げられませんが、別に敵幹部ABCで終わってもいいじゃない。それはそれで重要な役回りだし、彼らに使ってる尺をエンマ君とツナの交流に回した方がおそらくは建設的だし、そもそも、先週にしろ今週にしろ全然キャラを掘り下げられてる気がしないし。

 大体、ボンゴレとシモンの対応する守護者が対立→和解というプロットの再生産でいつまで引っ張るんだというお話ですしね。


 ブリーチ

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 こwwwっwwwちwwwのwww台www詞wwwだwww

 まあ、ラストで右手と刀が融合したり、服に亀裂が走ったりしていることから、さすがにこれが最終形態ということはないようですけど、本当にこれはどういうことなんだろうか。これがシリアスな笑いということなんでしょうか。

 ところで、この展開で一番心配なのは、「これがパワーアップした鏡花水月だ!」とか言いながら、完全催眠能力が消えて別の能力が付加されるんじゃないかということですね。何せ、ジャンプにはレベルアップしたとうそぶきながら、「透明でかつ伸縮自在」という強力な能力から、「単なる伸縮・形状自在」という能力へと弱体化を果たした、クリード様という前例がありますから……。
 どんなに倒し方で困ったとしても、ラスボスのデフレ化による解決だけは避けて欲しいものです。


 銀魂

 ああ、良かった。空知先生も一応、次郎長と銀さんを対決させる気だけは残ってたんだ。つっても、茶番は茶番なんですけどね。本当、銀さんはいつの間に次郎長に対する理解を深めていたんだろう。彼の視点では、命を取られていなかったとはいえ、お登勢さんを瀕死の重傷に追い込んだ仇敵のはずなんだけど。
 あと、借りは必ず返すと吐き捨てるくらいなら、今この場で瀕死の男二人を始末して行ってはいかがですかね。


 べるぜバブ

 「崩拳!!」と叫んでるコマだけ地味に面白かったです。この世界の空手家は「正拳突き!!」と叫び、柔道家は「背負い投げ!!」と叫ぶのでしょう。剣道家も「面!!」とか「突き!!」とか叫ぶんじゃないかな。あ、それは現実もか。


 バクマン。

 どうしよう……亜城木コンビがドヤ顔で見せてる5ページちょい分のネームが、驚くほど面白くない……! その上、肝心な部分では港浦さんや高浜さんの絶賛リアクションでごまかしちゃってるんだぜ。それやるくらいなら、ネームなんぞ載せずに全部リアクションだけで押し通しちゃえば良いし、何とも中途半端な結果になってると思うのです。

 ところで、今週は読者に対し、「本当にこれで大丈夫なんだろうな……?」と気を持たせながら、ラストで高浜さんによる完全犯罪クラブageや自信満々な港浦さんを見せ、「ああ、やっぱり大丈夫だったんだな」と、安堵させるお話だったわけですが、それを意識するあまり、登場人物の(というか港浦さんの)行動が、かなり不自然になってますね。そんなに自信があるのならば、港浦さんは出来あがってる分のネームを見せ、早く周りの心配を取り除いてあげればいいのです。それをせず、やたらと勿体ぶってるため、まるで自分が漫画の登場人物であり、読者をやきもきさせる責務を負った存在だと自覚した上で演技をしているような、無理のある流れになってしまっているのです。
 しかも、第32話で、連載会議に提出するネームは誰でも読めるように置いとかれるのが基本だと明言されてしまっているため、そこでもまた矛盾を発生させるという、訳の分からない事態になってしまっているという。それとも、あれは締め切り後の話なのかな? どっちにせよ、完成してる分くらいは見せたれよ、先輩に相談する知恵を身につけたんじゃなかったのかよ、という感じですけど。

 多分、どう考えても完全犯罪クラブで一発当てるこの流れの中で、ストレートに提出しストレートに好評を得るとあまりにヤマもオチも無さ過ぎるため、無理やりに山場を作った結果がこれなんじゃないでしょうか。このネームで大成するとは思えないため、読者の不安を煽るべく用意されたシーンの数々に、妙な説得力が生まれてしまっているのはご愛敬ということで。


 ヘタッピマンガ研究所R(最終回)

 結論:いいから描け! 描いて描いて描きまくれ! 努力の数だけしか人は成長しない!

 身も蓋もないけど、全くもってその通りだと思います。


 保健室の死神

 この漫画のキャラは病魔に襲われた結果、パンチラやブラチラを披露してるけど、To LOVEるはごく普通の日常生活を送った結果、スカートめくりながら「出てこーい!」とか叫んでるわけで、ハデス先生ーっ! 早く来てくれーっ!

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by ejison2005 | 2010-05-18 01:50 | ジャンプ感想 | Comments(33)
ばらかもん レビュー
 都会の喧騒から遠く離れた地で、豊かな自然に囲まれた暮らしを送る……田舎での生活というものは、とかく浪漫をくすぐられるものです。
 今日はそんな、田舎でのスローライフを題材とした漫画、

ばらかもん 1 (ガンガンコミックスONLINE)

ヨシノ サツキ / スクウェア・エニックス


 「ばらかもん」のレビューをお送りしましょう。
 ちなみに、こちらのページで1話は試し読みできます。


 あらすじ

 金も地位も才能も持ったイケメン主人公が、父に命じられた離島暮らしを通じ、己の心に足りない何かへ気づいていくお話。

 と、まあ、要するに、壁にぶち当たっている最中の主人公が、己の心を解放してくれる存在との出会いを通じて精神的に前進し、暗礁を乗り越えていくという、王道的なストーリーです。既存の作品で言うならば、のだめカンタービレとかと同じタイプの漫画。
 とはいえ、ありがちだと言いたいわけではなく、むしろ、第1話の、ヒロインと共に(挑戦する前から登れないと決めつけていた)防波堤へと登り、

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 素晴らしい夕日を見つめるシーンなど、主人公が精神的に成長し、一段大きくなる様を視覚的にも物語的にも分かりやすく表現する手腕などから分かる通り、類型的なお話を、しかし、高いレベルでまとめ上げた作品です。


 リアリティ満載なスローライフ

 とはいえ、いくら高いレベルでまとめ上げているといっても、それだけでは漫画としての個性が乏しくなってしまうわけですが、この作品は、「ド田舎」という物語の舞台について、極めて現実性の高い、緻密な描写を行うことによって、独自性を獲得するに至っています。

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 例えば、競争相手の不在により低下するサービス、

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 例えば、島民みな家族とでも言わんばかりの超絶アットホームさ、

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 例えば、海に行くのに水着ではなく体操服を選ぶ現実性の高さ……、

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 ちくしょおおおおおおおおおおっ!

 冗談はさて置き、単行本のオマケなどによると、作者のシノサツキ先生がリアルにこういう環境で育ったらしく、素晴らしく重厚で現実味の溢れた「日本最西端でのスローライフ」描写が楽しめます。
 が、よそ者への廃絶など、実際にありそうでも読者の気分を確実に悪くするような部分は描かないでいてくれてるため、我々が田舎暮らしという言葉に対して抱いている幻想は、決して傷つけないでいてくれているのもナイス。
 つまり、極めてリアルでありながら、しかし、現実では決してあり得ない、理想郷としての田舎暮らしを描き抜くことに成功しているわけです。

 近年では、「彼氏不在の美少女達が織りなす日常コメディ」などのような、現実に通じる面を残しながらも、実際には存在しないユートピアを描いた作品がいくつもヒットしていますが、この漫画もある意味、そういった時代の流れに乗った作品であるのかもしれませんね。


 まとめ

 総括すると、他者との触れ合いを経ての成長劇という王道ストーリーに、極めて緻密な田舎の描写、そして、最近の流行であるユートピア性をも兼ね備えた、非常にレベルの高い漫画です。
 お茶請けに漬け物を用意してから読め!

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by ejison2005 | 2010-05-13 05:39 | 漫画 | Comments(0)
週刊少年ジャンプ 10年 23号 感想

 トリコ

 うーむ、(師匠の助力が大きいのだろうけど)鉄平がゼブラを捕まえてしまったことによって、またまた強さの序列がよくわかんなくなってきたぜ。四天王は芸能界で例えるとSMAPみたいなもんで、その上にはまだまだ大物の芸能人が控えているとか、そういう感じで考えればいいのだろうか。

 物語的には、単に傷を治す話ではなく、アカシアのフルコースに関する事件を解決する話=GODの情報を得る話であると示されたことで、本筋を進行させてくれる意気込みを感じさせてくれたのが嬉しいです。

 あとはやっぱり、ライフに関する描写が楽しかったかな。グルメタウンもそうだったけど、しまぶーはこういう架空の街を設定して見せるのが上手いね。でも、ドクターフィッシュに吸いつかれるのはキモそうだぜ。ゾンゲ様もとんだ異種姦プレイだよ。誰得だよ。


 ナルト

 目の前に存在するのは、お前の中にある闇の部分だと、懇切丁寧な解説を受けておきながら、至った結論がソッコーでぶっ飛ばすことだったという、ナルトの思考回路に痺れました。君はスターウォーズのEP5辺りを見てみてはどうかね。自来也先生が草葉の陰で泣いてるぞ。

 あと、ビーの過去については、モトイさんが何の躊躇もなくペラペラ喋るのではなく、ナルト自身の行動によって、心を開かせた結果によって語られるべきだったんじゃないかな。努力によって友情を得、勝利を掴み取ろうぜ。


 ワンピース

 おいおい爺ちゃんの目、思いっきり節穴じゃねーか。作品的に威厳を保っていてもらわなきゃ困る人物なんだけど、株価が大暴落している気配を感じるぜ。
 お爺ちゃんは全てお見通しでした。全ては孫の成長を願ってのことなのです。というオチにしようにも、こういう生活を経た結果、ルフィもエースも海賊になろうという思いを更に強くしたんだろうしなあ。

・預けた山賊の家から(猛獣などが存在するとはいえ)結構近くにある無法地帯
 お爺ちゃん、エースとルフィが成長した暁には、海兵修行の一環として、ここの犯罪者達を皆殺しにでもさせるつもりだったのでしょうか。仮に僕が孫を持ったとしたら、もうちょっとまともな環境で育てようとすると思うのだけど。


 べるぜバブ

 話の流れ的には三木との決着をつけ、過去に生じたわだかまりを解消せねばならないのですが、まだ決着さえついてない段階で、その三木よりも強いボスキャラが登場してしまったことによって、悪い意味で事態が混迷化してしまいました。三木より強い奴がいると分かっている状態で三木を倒したとしても盛り上がりきれないし、かといって、三木より強い彼と戦おうにもその理由がないという。いや、理由の無さでは他の六騎星も似たり寄ったりですが。

 主人公と因縁がある三木ではなく、関西弁の彼を六騎星頭領としたからには、きっと何らかの意図があるのだろうと思いますが、どうなるんだろうなー。何の意図も隠されていない予感がするなー。


 ぬらりひょん

 ゴミのように蹴散らされる陰陽師の皆さんを見て、きくたけリプレイに登場する精鋭部隊を連想した奴は素直に挙手するんだ。

 本編の方は、順当に考えて過去に子供達を守り損ねたことのある青田坊が、清十字団を守ることでトラウマ解消するエピソードなのでしょうが、それをやるには清十字団への関わりが今まで薄すぎるため、どうにも盛り上がり切らなそうな予感がビンビンします。
 例え急造になるのだとしても、ここは青田坊と清十字団の交流に尺を割くべきだったんじゃないでしょうか。


 こち亀

 何の脈絡もなくデパートの売り上げが回復に向かう適当さ加減や、お子様ランチすら知らない中川・麗子コンビの「異常な金持ちキャラ」への改変ぶりは最早諦めるとして、今日、ちょうど墨田区役所まで住民票取りに行かなきゃだったんで、ついでに松屋へ立ち寄ってみたんだけど、営業終了してる階層がいくつかあってビックリしました。クロマニョン人からの進化過程などを一生懸命解説し、最も重要な部分である近代史をサラッと流す中学生用歴史教科書じゃあるまいし、ヤマもオチもイミもないお子様ランチの話など挟んでいる暇があったら、それに関してどう思っているのか、両さんの口を借りて語っても良かったんじゃないかな。


 サイレン

 スカージの皆さんが突破を図る直前と直後で通路の広さが違っていたり、直撃を受けてるっぽい人が腕をバッと交差させただけで耐えていたりと、フレデリカのバトルシーンがいまいちよく分からなかったです。なんか騙し絵みたいだ。

 また、こういう密閉された場所で相手を即座に焼き殺せないなら、フレデリカの能力はほとんど存在意義が無くなってしまうため、そういう意味でもこのシーンは微妙だったかもしれません。


 リボーン

 とりあえず、当面は不穏な気配を漂わせるシモン・ファミリーの真意を探る話が続いていくようなのですが、肝心のシモン・ファミリーに全然興味が持てないぜ。一応、笹川兄との関わり合いをもって、青葉君のキャラを深めようとはしているのですが、このどうでも良さ加減は何なんだろう。


 ハンター

 とんでもない大癇癪を発揮し、それでもって敵の大幹部を倒してしまったため分かりづらいですが、基本的に今のゴンはカイトを失った悲しみにくれているだけであり、親友たるキルアの役目は、悲しくても人は前を向いて歩かなきゃならないんだよと諭してあげることなのですが、そんな普通の文脈では語れない、得体の知れないパワーを感じる。


 バクマン。

 スイス銀行の責任者、もし彼が非常に打たれ弱い人物だったとしたら? そして、この事件の責任を感じて自殺したとしたら……? そんなことないって、どうして言い切れるんですか? あなた、そんな風に考えたこと、いままで一度もなかったんじゃないですか? 私はね、自分の犯した罪を罪と思わない人間、もっとも憎みます。冒険の書管理人でした。

 まあ、そんなわけでこの「完全犯罪クラブ」も、ひいてはそれを思いつくに至らせた亜城木コンビの尾行騒ぎも論外でしかないわけですが、それを置いたとしても、全然面白そうには思えないネタですね。ものすごい打ち切り臭がする。KTMの方がはるかに面白そうだぜ。

 ここら辺は、いちいち作中作の内容を紹介しながら進めてきたこの漫画の弱点で、実際に紹介する以上は、ある程度、読者に「面白いんじゃないか?」と思わせる内容or設定である必要があるんですよね。言うなれば、実際に盤面を見せながら進行させるヒカ碁みたいなもんで、今更ですが、これは重い重い枷だと思う。つっても、重ねて言いますが、前回今回こいつらが行ったことは論外なんで、それ以前の問題なんですけども。


 賢い犬リリエンタール(最終回)

 最終回なんで感想を書きますが、この漫画を読んでると、ズッコケ文化祭事件に登場した童話作家さんを思い出します。自分の頭の中に存在する「純真無垢な子供」を対象とした作品を書いてたってアレ。そんな彼が考えた脚本は、六年一組の手で徹底的に改変されたわけですが、この漫画も思いっきり同じ流れをなぞっていた気がしてならんのです。

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by ejison2005 | 2010-05-11 02:24 | ジャンプ感想 | Comments(11)
ヤングガンガン 10年 10号 感想
 ジャンプが売ってなかったので。


 牙の旅商人(新連載)

 盗賊達が襲いかかるシーンで北斗の拳を思い出したのは僕だけじゃないはずだ。

 そんなこんなで、父よー! 母よー! 妹よー! な主人公が、俺を仮面ライダーにしてくれ! という感じの漫画。うん、大体合ってる。
 それにしても、いちいち荒野の理だのランダムエンカウントしたモンスターの生態だのを解説されているこの主人公は、いくら子供とはいえ無知に過ぎるのではないでしょうか。ヒャッハー! な人たちが暴れまわっているような場所である以上、危険なフィールドではあれど、前人未到の地というわけではないはずですし。少なくとも、盗賊業が成り立つ程度には、人の往来があるはずなんだよな。

 百歩譲り、このリナとガウリイ的なやり取りを認めるにしても、台詞の不自然さはどうにかして欲しかったかな。自分で死者の魂を運ぶとか何とか言っといて、舌の根も乾かないうちにそんなの迷信だって、一人ボケツッコミでもしたかったのでしょうか。最初から本当のことを話せばいいじゃない。

 それと、最初に書いた通り、間違いなくこの漫画におけるメインストリームは主人公の復讐にあるわけですが、にも関わらず、いきなり借金返済という脇道へ全力でスピンアウトするといのはどうなんだろう。第1話から「いや、しばらく作品テーマには触れませんよ?」なんて力強く宣言されても、こっちは困っちゃうのですが……。

 いやまあ、物語の主題は主人公の復讐でも、作者が描きたいのはガラミィとの交流なんだろうなというのはビシバシ伝わってきちゃいるわけですが、だったら、最初からそれがメインストリームになるようなお話を考えとけば良いだけ、という気がしてならんのです。


 荒川アンダーザブリッジ

 主人公不在の中、河川敷の住民を襲う最大の試練……! というエピソード。しかしこいつら、清々しいくらいにリクの不在を何とも思っとらんな。あ、一連のギャグでは鉄人兄弟の標準語ツッコミが面白かったです。

 ニノさんの電波ネタに関しては、リクに対する心情を、エピソード(ギャグ)に交えてうるさくなく語っていたのがグッド。基本、ニノさんはリクに対する解放者の立ち位置だけど、たまにニノさん自身が解放されてるよね。


 魍魎の揺りかご

 前回も書きましたが、無意味な錯時法によって、恐怖感を味わうことよりも、与えられた情報をもとにした状況整理で頭がイッパイになってしまうという、どうしょうもない状況に陥ってしまっています。この子達がアフリカに行っていた(っぽい)とか、一番最初に提示されとくべき情報だと思うのですが。なんかバッカーノを思い出すな。いや、ホラーである以上、例えとして持ち出すべきはSIRENの方なんでしょうが。
 でも、あれにしたってSDKやヨン様が怪奇現象に見舞われるくだりは、ちゃんと時系列通りに配置されていたしなあ。単純に、平穏を生きてた主人公が怪奇現象に見舞われるシークエンスを失わせたという一点だけで考えても、ホラー作品として無くしたものは大きいと言うしかない。主人公達を襲う異常が既知のものとなっている以上、過去の時系列に遡って改めて事件発生を語られても、驚いたり怖がったりするのは難しいし。

 ところで、SIRENを例えに持ち出したついでに書いときますと、船体の下層部から上層部を目指しつつ、生存者との合流も狙っていくというこのシチュエーションは、過分にゲーム的でありますね。


 天体戦士サンレッド

 百パーセント善意で行動してなお、KYぶりを発揮する結果に終わるアントキラーさんは流石と言わざるを得ない。


 はなまる幼稚園

 よ、幼稚園にくる前から小柄眼鏡っ子、クール、おっとり、スポーティ、天使にフラグを立て、なおかつ、幼稚園入り前夜は超スペックの妹とイチャイチャしている……だと……?
 おい土田……、

  三|三
  イ `<             ,..-──- 、         
   ̄             /. : : : : : : : : : \        
   ∧           /.: : : : : : : : : : : : : : ヽ      
   /  \        ,!::: : : :,-…-…-ミ: : : : :',
              {:: : : : :i '⌒'  '⌒' i: : : : :}    
  └┼┘          {:: : : : | ェェ  ェェ |: : : : :}      
.   |_|_|  , 、      { : : : :|   ,.、   |:: : : :;!     
   __   ヽ ヽ.  _ .ヾ: :: :i r‐-ニ-┐ | : : :ノ       
    /     }  >'´.-!、 ゞイ! ヽ 二゙ノ イゞ‐′      
   ´⌒)    |    -!   \` ー一'´丿 \       
    -'    ノ    ,二!\   \___/   /`丶、     
        /\  /    \   /~ト、   /    l \
       / 、 `ソ!      \/l::::|ハ/     l-7 _ヽ
      /\  ,へi    ⊂ニ''ー-ゝ_`ヽ、    |_厂 _゙:、
      ∧   ̄ ,ト|    >‐- ̄`    \.  | .r'´  ヽ、
     ,ヘ \_,. ' | |    丁二_     7\、|イ _/ ̄ \
     i   \   ハ∟       |::::|`''ー-、,_/  /\_  _/⌒ヽ


 死がふたりを分かつまで

 場当たり的な対応に終始してきた護さんが、問題根絶に乗り出すことを決意するエピソード。どちらかというと、頼るべき相手はヤクザ屋さんではなくネットワークの方だと思いますが、まあ、ネットワークが全面的にバックアップして提供できてるのが、今現在のこの環境なわけだしね。ネットワークに出来ない切り口からの何がしかを行うのだろうと、適当に予想しときましょうか。

 しかし、ジーザスさんはいつ見ても面白い呼び名だなあ。すっごく、ダサカッコイイなり~。


 DARKER THAN BLACK~漆黒の花

 上条当麻にとって最大の武器はイマジンブレイカーではなく不死身のタフネスとパンチ力であるのと同様、黒の死神にとって最大の武器は電撃ではなく特注のコートとナイフなのであった。経歴的にも能力獲得前から契約者を殺してたはずだし、本当に電撃なんかいらんよな、この人。

 それと、特殊部隊の皆さんは能力の解説をしてる暇があるならさっさと撃ちましょう。


 鴉

 感想を書くにあたって調べ、そこで初めて知ったんだけど、衝撃隊って実在したんですね。ビックリした。

 そんなわけで、新撰組に比べりゃマイナーな、とっても新撰組ライクな人たちのお話なわけですが、今のところ、あんまり面白くはないです。テーマ的には、侍ではない者達の戦いといったところなのでしょうが、いまのところ、戦い方に特徴を付ける以上の使い方はされてないからなー。かといって、衝撃隊についての歴史漫画として考えようにも、大局的な視点が無さ過ぎて、彼らが歴史のどの時点においてどのような役割を果たしているのかが、サッパリ伝わってこないという。


 うらさい

 これまでのあらすじ:もう全部お姉さんがやっちゃえばいいんじゃないかな?

 言うなればソルブレイバーとナイトファイヤーな関係であるこの姉妹ですが、キャラの食いっぷりという意味でも大変似通っているのでした。いや、ソルブレインほとんど覚えてないけども。
 まあ、こっちのファイヤー先輩はヤンデレさを若干残しているため、そこをついて「やはり相応しいのは妹の方だった」というオチに持っていくのかもしれませんが、主人公の心情的にはバリバリ姉の方に傾いてるわけで、どっちにしろ(むしろ最初からと言うべきか)ヒロインとしては詰みに入ってる気がするぜよ。


 怪廊歪奇譚イビツ

 というわけで、ロリータの半生を知り、からくも窮地を乗り切った主人公はしかし、そこから何かを学んだり精神的な成長を果たしたわけではありませんでしたとさ。まあ、助かりたい一心で口から出まかせ言ってるようじゃ、こんなもんだよなー。結局、「昔じゃないあるところにサイコパスのロリータがいました。おしまい」という漫画になってしまいそうです。

 ところで、最大のホラーは目の前の人物を見て友達だと判断したカーチャンだと思う。


 黒神

 兄妹の身受けを誰がしたのかがむっちゃ気になる。


 BAMBOO BLADE

 剣道小町の皆さんとの稽古などは華麗にキング・クリムゾンし、何だかここから話を広げるというより、ここから話を畳むという雰囲気になってまいりました。ありゃりゃ。
 タマちゃんが自分にとっての剣道を見出し、コジローが教育者として成すべきことを見出しちゃうと、いよいよもってやるべきことがなくなってしまうので、これは本当に終了間近なのかも分からんね。

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by ejison2005 | 2010-05-09 07:05 | 漫画 | Comments(0)
ひゃくえん! レビュー

ひゃくえん! 1 (ガンガンコミックスONLINE)

遠山 えま / スクウェア・エニックス


 この世にタダより素敵なものはない……ということをリアルに登場人物が口にしそうな、WEB雑誌ガンガンONLINEで絶賛連載中の漫画「ひゃくえん!」をレビューするよ!

 ちなみに、こちらのページで1話は試し読みできます。


 結論から述べるならば……

 さて、まずはこの漫画について簡単に説明すると、

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 天然巨乳女子高生、山田百ちゃんの健康的なエロスを堪能する作品です。



 うん、違った。すまない。

 本当のところを述べるのならば、この「ひゃくえん!」という漫画は……、

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 オッパイ……かな? 俺は漫画のキャラに萌えなんて感情は抱くけどその双丘に魅入られた。



 うん、違うよね。ごめん。

 さすがに、そろそろ真実を述べるとしましょう。

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 たまにはオッパイじゃないのもイイね!


 貧乏生活を題材にしながらも極めて明るい作風

 三回繰り返すのはお約束として、本作は貧乏生活を送るヒロインコンビが、明るく楽しく生きていくというコメディ作品。
 ここで特筆すべきは、お金の関わる問題を物語の主軸に据えながらも、その作風は極めて明るいものであり、せちがらさは一切感じさせないことでしょう。

 これは、なかなかに凄いことでして、

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 利根川先生のありがたいお話を聞くまでもなく、お金というのは非常にシビアな存在です。ある意味、究極のリアリティでさえあるでしょう。そして当然、主人公がそれに困窮しているという状況は、何よりも重いプレッシャーとなって、同じ視点を共有する読者にものしかかります。

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 結果として、通常、「貧乏」という要素は、作品へ陰性の雰囲気を漂わすために用いられるのです。

 が、この作品は貧乏生活を題材としておきながら、そういった鬱々とした雰囲気を全く持たない。どころか、陽性の明るい空気に満ち満ちている。
 それを成立させているのが、主人公達の動機作りなのです。


 「やらされている」のではなく「やっている」

 古今東西、借金やら貧乏やらを題材にした作品において、主人公とは貧乏生活を望んでおくっているのではなく、環境的な問題でおくらざるを得ない存在でした。環境的な問題というのはすなわち、生活苦からくる借金であったり、安直に保証人となったために背負った借金であったり、年齢的身体的家庭的事情から稼ぎが少なかったり、アノスの法王に470人もの信者を動員した蘇生儀式をしてもらうためであったりといった、主人公が貧乏生活をおくることとなった、原因のことですね。
 これらは基本的に、主人公を「人より貧しい生活をおくっている」というマイナス地点へ叩き込むために使われているため、

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 この種の動機付けが施された物語は、おのずと閉塞感を漂わせます。主人公はなりたくて貧乏になっているわけではなく、読者はそんな主人公に視点を重ねているわけですから、当然のことではありますね。

 そこでこの漫画は、

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 「夢を実現するため」という動機を、主人公達が貧乏生活をおくっている理由に持ち出しました。つまり、この漫画においては、これまで主人公の境遇に対するリアクティブとして用いられていた貧乏生活というシチュエーションを、主人公自らが目標を達成するために実行するという、アクティブなものとして描いた。そしてそれこそが、同じテーマを用いた他の作品との間に、明確な境界線を引いているのです。

 何せ、彼女達は自ら望んで貧乏生活に甘んじているため、その言動・行動がとにかく明るい! これは、環境的な問題で貧乏生活を余儀なくされているキャラクターには、決して出せない雰囲気でしょう(というか、出してはいけない雰囲気)。

 そして、本来ならば暗く鬱屈としていてしかるべきシチュエーションで、そういったムードを醸し出しているため、ギャップが発生し、華やかさがより一層強調される結果となっているのです。


 時勢ともマッチ

 更に、現在の日本は深刻な不景気ですので、皆さんも大なり小なり、節制を心がけている部分があると思います。そういったご時勢ですので、様々な工夫を凝らして節約生活を送る主人公達の姿には、共感を抱ける部分があるのではないでしょうか?


 まとめ

 そんなわけで「ひゃくえん!」は、哀調を帯びていたところで何らおかしくないシチュエーションを、しかし、アップテンポで描き抜くことに成功した異色の貧乏コメディです。
 先行きの暗い、今、この時だからこそ、この漫画を読んで、明るく楽しく節約生活を謳歌してみてはいかがでしょうか?

 え? 何? この漫画を買う金をまず節約するって……?


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by ejison2005 | 2010-05-05 05:39 | 漫画 | Comments(0)
男子高校生の日常 レビュー
 日常系漫画というものがあります。
 現実でありそうな、しかし、我々の汚れきった心では到底なしえない、労りに満ちた素敵空間を生きるキャラクター達の、何気ない日常を切り取って見せるという類の漫画群です。
 この種の漫画の特徴として、主要キャラの多くが萌えキャラである、というのが挙げられますが、恐らくは、「到達出来そうで決して出来ない世界」であることを、更に強調する効果を見込んでのことなのでしょう。現実に存在するせちがらい要素が排された素敵空間を生きるべきは、穢れを知らぬ無垢なる乙女達なのです。

 しかし! 今! その定石に真っ向から立ち向かう勇者が現れた!

 それこそが、本日ご紹介させて頂く、

男子高校生の日常 1 (ガンガンコミックスONLINE)

山内 泰延 / スクウェア・エニックス


 「男子高校生の日常」です。ちなみに、こちらのページで1話と2話は試し読みできます。



 嫌な予感しかしない

 さて、最初にご説明した通り、日常系漫画というのは、日常を切り取ることを謳いながらも、その実、実社会では決して有り得ないユートピアを描くことを目的としたコンテンツであり、登場人物の多くを美少女が占めるのも、その理想性を高めるためです。

 ところがどっこい、本作は看板に偽り無しというべきか、タイトル通りに男子高校生を主要登場人物に据えてしまった。これが何を意味するか……説明するまでもないでしょう。いいかお前ら、男子高校生なんて生き物は、生産性ゼロのとりとめもないバカな考えと、下ネタしか頭の中に存在しない生き物なんだぞ! そいつらが日常系漫画の看板なんぞ背負った日には何が起こるか、俺は……考えたくもないね。



 結果

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 ご覧の有様だよ!



 真逆のベクトルへフルスロットル

 えー、本作は確かに「到達出来そうで決して出来ない世界」を描いています。うむ! その点では確かに日常系漫画だと言えるぜ! 但し、この表現にはちと語弊があるな……これは、「到達出来そうで決して出来ない世界」じゃあ断じてねえ! 「到達出来るけど決して到達しない世界」だぜ!

 そんなわけで本作は、「穢れを知らない登場人物が織りなす素敵な日常生活」という、本来、このジャンルに属する漫画が踏襲するべきプロットから全く逆の方向へ全力疾走し、「脳味噌のリミッターをぶっち切った男子高校生が織りなす最低な日常生活」を完璧に描き抜いた、ひでえなんてもんじゃねえ漫画です。何故こんなことになってしまったんだ!



 これもひとつの理想

 しかしながら、本作を読み終えた後、あなたはきっと気がつくのです。「確かに最低だけど……これもひとつの理想郷なんじゃないか?」と。

 思えば……我々は日常生活の中において、どれだけ自分を抑え込んでいるのでしょうか? 本当はもっとバカやって、下ネタとか披露したりして、自由奔放に生きていたいんじゃないのでしょうか?

 そういった、我々が決して踏み込めない領域へ、この漫画の登場人物は容易く踏み込み、それを日常として生きていきます。確かに華は無いでしょう! 華が無いにも程があるでしょう!
 しかし、彼らが生きる日常もまた確かに我々が心へ抱くべきアヴァロンであり、彼らのバカやったりする姿は、滅菌消毒されたかのような穢れなき世界を生きる美少女達の姿同様、我々に明日を生きる活力を与えてくれるのです。

 そんなこんなで、あらゆる意味で最低だけど、でも元気を与えてくれる漫画です。ちょっと疲れた時に是非!

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by ejison2005 | 2010-05-02 05:39 | 漫画 | Comments(2)