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劇場版仮面ライダーキバ 魔界城の王 レビュー
特オタにとってはコミケと同ランクの恒例行事ということで、劇場版特撮映画を視聴してきました。

劇場版ゴーオンジャーのレビューはこちら!


☆劇場版仮面ライダーキバ 魔界城の王 レビュー☆
仮面ライダーキバといえば、「人格を持ったキャラクターが憑依することによる三段変身」「CGを用いた巨大ビーグルによるバトル」「主人公がヘタレ」など、去年辺りによく見かけたワードがそこかしこに散りばめられている大した新仮面ライダーですが、その劇場版が本作「魔界城の王」です。
しかし、その中で本作の大きなオリジナリティとなっているのが、過去編と未来編とが同時に展開されていくというもの。それぞれの主人公は父・紅音也と息子・紅渡が努め、親子二代にまたがってのストーリーが展開されていく仕掛けとなっています。

今回の映画化にあたって、制作側は「親子の絆」を全面的に打ち出してきました。それがよく表れているのが、「渡と音也がタイムトラベルによって、本来ありえないはずの邂逅を果たすという」ストーリー上の大仕掛けで、テレビシリーズとはパラレル時空として設定される(劇場版ドラゴンボールみたいなもん)お祭り映画に相応しい展開だといえるでしょう。


さて、映画は2号ライダー・イクサが手も足も出せず敵の怪人にボコられるという何ともションボリ(´・ω・`)させられるシーンから始まります。
普通なら、序盤に活躍させてヒーローを強く印象付けるべき場面でこの蛮行、脚本家の正気を疑うことは必定ですが、中盤へさしかかるにつれ、ストーリーはさらに斜め上へと突っ走ります。
驚くべきことに、イクサとキバが二対二でのリターンマッチを挑むも、また手も足も出せずボコボコにされるのです。
もちろん、普段のテレビシリーズで活躍しているのだからあえて劇場版では苦戦するシーンから始めたのではないか? という意見もあるでしょう。
しかし、キバはテレビ本編でも高確率で敵を取り逃したり敗北したりするので、そうする必要性は薄いといわざるをえません。

そんな彼らの窮地を救ったのが、テレビ未登場の3号ライダー・レイですが、彼も後のシーンでゴミみたいな扱いを受けて倒されてしまうわけで、本作が誇る徹底したヒーローの活躍ぶりには、何らかの宗教的理由でも隠されているのかと疑わざるを得ません。

かといって、敵キャラが際立った存在感を放っているのかと思えば、別にそんなことはなく、ホリケン演じるラスボスは最後の最後まで小便がぶちまけられた衣服のままで過ごすという有様。当たり前ですが、別にギャグ演出ではありません。

ちなみに、ザコ怪人はザコ怪人でテレビ本編通り、生身の女の子を何度も殴る蹴るしても浅手ひとつ負わせられない草食動物っぷりを発揮していました。敵も味方も弱っ!


そういったヒロイック性の欠片も無いストーリーを彩るのが超演出の数々で、特にホリケンとラスボスが邂逅する際の、地下刑務所の壁一枚隔てた空洞に未知なる超古代の遺跡が広がっていた! というシーンは圧巻です。この作品に足りないのは矛盾を検証する能力とかそういうものではなく、純然たる一般常識だ!

そこら辺のグダグダさは殺陣にも出ていて、特にラスボスたる仮面ライダーアークとの戦いでは、史上最大の体躯を誇る巨大ライダーとの迫力満点な肉弾戦を繰り広げてくれるのかと思いきや、やっぱりそんなことはなく、キバの新形態「エンペラーフォーム・飛翔態」とのビーム合戦になっていますからね。

個人的に、特撮の魅力というのは殺陣の魅力にあると思えるわけで、ビームでの撃ち合いなんていうのはガンダム辺りに任せておけばいいと思うのですよ。もっと取っ組み合おうぜ。


そんなこんなで、個人的にはテレビ番からイメージできる通りのクオリティでした。なんともはや。

あ、本編終了後にイマジン劇場と電王新映画の予告編があるので、途中で席を立たないように注意してくださいね。

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by ejison2005 | 2008-08-25 01:33 | アニメ | Comments(2)
炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!劇場BANG!! レビュー 
夏といえば海! 夏といえば山! そして特オタにとって、夏といえば劇場版スーパー戦隊&平成ライダーの公開シーズンです。
そんなわけで劇場版を見てきたからレビュー書くよー。劇場版キバに関しては後日、別記事で!


☆炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!劇場BANG!! レビュー☆
映画版のスーパー戦隊といえば、30分程度のミニマムな尺の中で、ちょっと豪華な撮影機材を使った特別編的なエピソードとして作られるのが慣例でした。悪くいえば、お手軽なイメージが与えられていたわけです。
今年もそんな軽~い気持ちで見に行ったらこれが驚き、ゴーオンジャーという作品そのものを集約したかのような、非常に真摯な作りの映画でした。

まずは冒頭部。チビッ子の皆を飽きさせないために戦闘シーンから開始するのは戦隊映画の慣例ですが、今年は何と、それが再生巨大怪人軍団とゴーオンジャーが誇る最強ロボ「エンジンオーG9」との激戦に置き換わり、のっけからCG満載のド迫力バトルが繰り広げられます。
子供の気持ちなんて推測するしかありませんが、これにはチビッ子の皆も大満足でしょう。制作陣にとっても着ぐるみを使いまわせばいいわけで、大変に安上がりな一手です。

その戦闘の影響で「サムライワールド」なる異次元への入口が開き、そこから現れた謎の三人組に炎神キャストを持ち去られたゴーオンジャーは、彼らを追って異世界への旅立ちを決意するわけですが、正直な話として、サムライワールドという舞台設定そのものは、刺身でいうところのツマていどの存在で終わっています。
ここで重要なポイントは「この世界が『強さのみを求める者たちで構成されている』」という点で、それさえ含まれていれば、ぶっちゃけ「ブロンソンワールド」みたいなのを適当にでっちあげて世紀末救世主な世界観にしても問題はなかったといえるでしょう。たぶん、サムライモチーフなのは子供人気と撮影環境の整えやすさが理由でしょうね。
そんなわけで、サムライワールドという特殊な世界観に関しては、各人が「うおー! 何だここはー!?」という感じで一通りのリアクションを演じた後は、あまり重要視されずに流されていきます。

そしてサムライワールドでキャストを持ち逃げした三人組と合流したゴーオンジャーはそこで彼らの事情をしることになるのですが、ここで美しいのは彼らに秘められたある秘密から、「炎神と人間との友情」というゴーオンジャーという作品に込められた最大のテーマへと無理なく話が膨らんでいく流れ。
炎神戦隊ゴーオンジャーという作品は非常に新しい試みの多い作品ですが、中でも最も目を引くのは、これまである種の様式美として作品内に盛り込まれてきた巨大ロボットに、人格を持たせ、主人公たちの相棒として定義したところ。
これによって、これまで純粋な「人気取りと玩具展開の為の存在だった」巨大ロボットに明確なキャラクター性が付加され、巨大ロボット戦も単なる二次会バトルではなく、ドラマ性が盛り込まれているわけです。
三人組とゴーオンジャーとの交流からは、制作側が今作のセールスポイントを完全に心得ているのがよく伝わってきます。目指している方向性が、心地よいくらい明確に打ち出されている。

そうして三人組の事情を理解したゴーオンジャーは彼らを助けるために敵地へ乗り込むわけですが、ここから先は純粋に殺陣を楽しむ決戦タイム。それこそ時代劇のラスト10分を彷彿とさせる、戦いを楽しませるためだけの時間が展開されます。
そして殺陣の流れで特徴的なのは、ゴーオンジャーのスーツに装備された歴代戦隊中最多のスーツギミックを、複合して使用しているところ。例えば、手足に装備された車輪で高速疾走するブルーへシルバーが飛び乗り、さらに彼女の手持ち武器「ロケットブースター」のジェット噴射能力で加速するという具合です。
中でも、メットを失った状態でラスボスに突貫する走輔のシーンは圧巻で、中の人の演技力とシチュエーションとが相まって、非常にかっこいいシーンとして仕上がっています。
更に、ラストの巨大ロボット戦では精巧なミニチュアを大爆破! 最近の特撮で散見される火薬演出の少なさに落胆していた方に対しても、きちんとカタルシスをもたらしてくれます。

そして最後に、この映画で最も評価できるのはそのラストシーンにこそあります。
詳しく書くとネタバレになってしまうのですが、安易なお約束に流れなかった制作陣の決断は、尊敬に足るものだったといえるでしょう。

まあ、敵も味方も全員揃って歌って踊っちゃってるエンディングで台無しになっている気はするのですが、さすがにそこまでビターな味わいにしちゃうのもどうかと思いますし、むしろ、しんみりした気分を盛り上げ、続けての劇場版キバへ最適なパスを投げているといえるのではないでしょうか。

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by ejison2005 | 2008-08-19 01:28 | アニメ | Comments(0)
ドラゴンボールZ Sparking! METEOR レビュー
ドラゴンボール……。
言わずと知れた、鳥山明先生による全世界的大ヒット少年漫画です。
その人気たるや凄まじいものがあり、作品が終了して十年以上経過している今日にいたって尚、積極的なメディアミックスが行われているほど。

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中でも注目すべきは公開を待たれるハリウッド実写版ですね。一週まわって、オラわくわくが止まんねえぞ!

ちなみに、僕は半年だけカナダに集団留学していた経験があるのですが、海外でのキャラ人気は悟空とトランクスとで二分していた感じでした。サイヤ人の王子涙目。


さて、メディアミックスが積極的になされているということは、当然ながらドラゴンボールの名を冠したゲームも数多く発売されてきているというわけで、軽く調べただけでも60種近くの作品が確認できるほどです。

中でも個人的に思い出深いのが、スーパーファミコンの超武闘伝2で、開始前に「↑X↓BLYRA」の隠しコマンドを連発し、「カカカカカカカカカカカカカカカカカカカロットォッ!」と言わせていたのはいい思い出です。

そして今年の6月、新たに発売されたゲームが、

ドラゴンボールZ バーストリミット
/ バンダイ
ISBN : B0012G6NBQ





この「ドラゴンボールZ バーストリミット」なのですが、こちらは地雷だ地雷だと各所で大評判のため、

ドラゴンボールZ Sparking! METEOR(特典無し)
/ バンダイ
ISBN : B000WOE3CA



本日は「ドラゴンボールZ Sparking! METEOR」のレビューをお送りしたいと思います。ごめんね。ヘタレでごめんね。


☆膨大な数の登場人物☆
本作を語る上でまずかかせないのは、161人にも及ぶ使用可能キャラクターでしょう。
もちろん、ドラゴンボールお約束の「変身」が可能なキャラは数多く、161人というのは変身時の各形態を個別に数えたものであるため、実際には60~70人くらいじゃないかと思いますが、それでもこれは一個の格闘ゲームとして考えればかなりのボリューム。少なくとも、「一人も好きなキャラがいないよ。・゚゚ '゜(*/□\*) '゜゚゚・。 ウワァーン!!」ということはまず無いはずです。

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個人的に嬉しいのが孫悟飯(未来)がきっちりと参戦している点ですね。僕は数ある悟飯バリエーションの中では、彼が一番好きなんだ。というか、本編の悟飯が青年編以降に活躍しなさすぎなんですけどね。

他にも、Dr.ウイローやらタピオンといった劇場版オリジナルキャラクターもメジャーどころは大体参戦していますし、何かと冷遇されがちなGTからも「ベビー・スーパー17号・一星龍」という三大ボスがきちんと参戦しています。「俺はスーパーサイヤ人4こそが本当の千年に一度現れる伝説のスーパーサイヤ人だと信じるぜ!」という方にも安心ですね。


☆ガチガチに作りこまれた戦闘システム☆
ところで皆さん、キャラゲーといえば、

      ,r;;;;ミミミミミミヽ,,_
    ,i':r"    + `ミ;;,
    彡        ミ;;;i
    彡 ,,,,,、 ,,,,、、 ミ;;;!  
     ,ゞi" ̄ フ‐! ̄~~|-ゞ,   
    ヾi `ー‐'、 ,ゝ--、' 〉;r'   どうせ作りこみが甘いんでしょう?
    `,|  / "ii" ヽ  |ノ   
     't ←―→ )/イ フフン
       ヽ、  _,/ λ、     
    _,,ノ|、  ̄//// \、
_,,..r''''"   | \`'/  /    ̄`''ー
      |  /\  /

という固定概念が存在しないでしょうか?

確かに、ごく少数の作品を除けばほとんどの版権ゲームがシステム的な意味での駄作となるのは確か。それは、版権ゲームが抱える「低予算&短い開発期間でも出せばある程度売れる」という長所でもあり短所でもあるポイントから考えれば仕方のないところではあります。

では、この作品が該当するのはどちらなのか……? そう、ここまで引っ張ったからには当然、前者なのであります。

この作品のボタン割り当ては「攻撃・ダッシュ・エネルギー弾・ガード・チャージ」という非常に単純なものであり、何も考えずに戦っていると本当に「攻撃ボタンだけ連打していました」という試合になりかねないのですが、ボタンを組み合わせることによって通常のラッシュから「ヘビーフィニッシュ・リフトストライク・グランドスラッシュ」といった派生コンボへつなげることができますし、これらのコンボからはさらに「ドラゴンホーミング・バニシングアタック」というコンボへと派生可能です。

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ドラゴンホーミングというのは、原作で頻繁に行われた「吹っ飛ぶ敵を超スピードで追いかけて連撃」というシーンを再現したものであり、

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バニシングアタックは「吹っ飛ぶ敵を瞬間移動で追いかけての連撃」が再現されたものとなっています。
いずれも原作におけるハイスピードな攻防をそのままゲームに持ち込んだものとなっており、漫画を題材に選んだメリットを十二分に活かしているといえるでしょう。

防御面でもこのゲームは抜かりがなく、

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通常のガードに加え、「見極め・Zカウンター」など充実したカウンター攻撃が存在し、常に逆転の可能性を残したスリリングなバトルが楽しめるようになっています。


……とまあ、長々とシステム面について書いた上、実はまだまだ書いていない戦闘要素も腐るほど存在するのですが、ここでポイントとすべきは「原作での攻防がゲーム内できっちり再現できる」点と、更には「再現することでゲームがより有利に進められる」点です。
特にキャラゲーとして大事なのは後者で、このゲームは己のテクニックを磨くことで「ゲーム的な有利さ」と「原作の攻防をそのまま再現することによるビジュアル的な興奮」が得られるようになっているわけですね。

もちろん、システムが複雑になっている以上は、各コマンドのタイミングが無茶苦茶シビアとなっているなどの弊害が存在するわけなんだけど、上手にコンボを決められた場合、本当に美しい映像が体感できるわけで、飴と鞭のバランスは十全であるといえます。

ちなみに、どのくらい美しいかをてっとり早く知りたいのならニコニコ動画などの動画共有サイトで上級者のプレイ動画を検索してみるのがオススメです。
ザッと調べてみた中では、

ドラゴンボールZ Sparking! METEOR サタン VS 限界突破ブウ(純粋)

↑この辺がオススメですね。割と人外レベルで上手い。


☆制作陣が持つ原作への愛☆
そして最後のポイント。このゲームは、「作ってる人達は原作がとてもとても好きなんだなあ」というのがよく伝わってくる出来になっています。
と、いうのもね。作り込みが本当に半端じゃない。

例えば、キャラクターの格闘モーション。キャラの動きが速すぎて肉眼じゃ分かりづらいんだけど、よくよく見てみると原作やアニメで出てきたモーションが随所に盛り込まれていてハッとさせられること請け合い。

例えば、登場するキャラクター達。「膨大な数の登場人物」の項目でも書きましたが、このゲームは本当にマニアックなキャラ達が多数参戦しています。
スポポビッチブルー将軍辺りならともかく、サウザーとか本当にどの層で需要があるんだという話ですからね。
というか、名前だけ書いて分かる人いるんだろうか。サウザー……。
サウザーの正体(反転):クウラ機甲戦隊

例えば、機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオンと同タイプの3Dアクションという選択。
これまで、ドラゴンボールの格闘ゲームといえば、このジャンルの基礎を築いたといって過言ではない超武闘伝が打ち立てた2Dタイプ格闘のそれに準ずる作りとなっていました。
これは、それだけ超武闘伝のシステムが優れていたからであり、このフォーマットに乗っ取ればある程度以上のクオリティが達成できたからなのですが、同時に「スピード感が足りない」という同シリーズの欠点まで律儀に継承する結果となっていたのです。
このゲームは、3Dアクションとしてゲームデザインを一から練り直すことにより、原作が持つスピード感がそのまま盛り込まれた作りとなっています。
過去作のテンプレートへ従えば、手軽にそこそこ売れる作品が作れるというドラゴンボール格闘においてそこまでの労力を注ぎ込ませた原動力は、やはり原作への愛に他ならないのではないでしょうか。


☆まとめ☆
グラフィックこそ最新作である「バーストリミット」に劣りはするものの(とはいえバーストリミットのグラフィックは無駄にテカテカしているため賛否両論ではある)、それ以外のシステム面やボリュームでは完璧に上回った大作として仕上がっています。
特に、原作の超スピードバトルを再現した戦闘システムは過去に発売されたどのドラゴンボールゲームと比べても、並ぶものはないほどの臨場感!

発売機種がWii及びPS2という手頃さに加えて、現在では発売から間が立っているためそこそこのお値段で購入することが可能な逸品です。
ドラゴンボールが好きな方なら、お試しあれ。


☆おまけ☆
せっかくなので、天下一武道会に挑戦してみた。

王子が挑む天下一武道会 序章
王子が挑む天下一武道会 前篇
王子が挑む天下一武道会 中編
王子が挑む天下一武道会 後(完結)編

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by ejison2005 | 2008-08-15 14:05 | ゲーム | Comments(6)
また初心者プレイ始めました
今まで黙っていたけど俺、能登ファンだったんだ……。

つーわけで、零~月蝕の仮面~初心者プレイを始めました。最近更新が滞りがちだし、手軽にうpできるネタが欲しかったんだ。決して自分がゲームやることを正当化したいわけじゃない。

ごく普通に淡々とプレイしていくだけで実況とかはないんだけど、このゲームは興味を持ってる人も多そうだし、雰囲気だけでも掴んでくれたら嬉しいナ!

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by ejison2005 | 2008-08-10 23:05 | Comments(0)
崖の上のポニョ レビュー
用事で新宿まで出かけたので、ついでにバルト9崖の上のポニョを見てきました。どうでもいいけどこの映画館、本編が始まるまでの予告がクソ長くてイライラするなあ。設備はいいんだけど。
そういうわけで、せっかくだからレビューしておくよ。


微妙にネタバレあり!


ところで、本作の監督である宮崎駿といえばスタジオジブリであり、スタジオジブリといえば駿監督の息子が作った前作のアレっぷりが記憶に新しいです。
果たして、パパ宮崎は息子の汚名を挽回できたのか……!
結論からいうと、枕を並べて討ち死にだったんだけどね(´・ω・`)


☆ストーリー☆
――アタシの名前はブリュンヒルデ。心に傷を負った人面魚。モテカワスリムで恋愛体質の愛されガール♪
全員で顔を寄せ合うシーンが、あまりにキモくてブラクラにしか見えないくらい数が多い妹達がいても、やっぱり海の中はタイクツ。今日もパパとちょっとしたことで口喧嘩になった。
サカナ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆ そんな時アタシは一人で地上へ家出することにしている。
がんばった自分へのご褒美ってやつ? 自分らしさの演出とも言うかな!
「あームカツク」……。そんなことをつぶやきながらクラゲに乗って海上へ出る。海底を掃除する船は嫌いだ。素で生命の危険を感じるし。
うっかりビン詰めになっていると、人間の男の子に助けられた。
「……!!」
……チガウ……海底のサカナとは何かが決定的に違う!
添い遂げるため人間になった。それが原因で天変地異が起こった。
バッシャバシャ。地球は水没した。ジブリがいっぱい(笑)。

……後半ちょっと苦しいな。


☆感想☆
さて、この作品をひと言で表すのならば「子供映画」というところでしょうか。ただし、純粋につまらないだけの作品を「子供向け」と定義するならばな!

そう、色々と置いといて、この映画はつまらなすぎるんですよ。そりゃもう、ゲド戦記が名作に思えるくらいのレベル。

つまらない映画といっても種類は様々ですが、この映画の場合、最大の悪因はストーリーの平坦さにあるでしょう。とにもかくにも、起伏に欠けているのです。
それが特に顕著なのは、後半の主人公とポニョへ試練を与えるくだりで、恐るべきことにこのチャプター、「種族が違っていても主人公はポニョを愛せるのか?」という趣旨なのに、主人公が種族の壁に悩むイベントが全く存在しなかったりします。麺抜きのラーメンというか、ルーの無いカレーというか、作品のメインテーマを描くべき場面なのに、この気抜けっぷりはどういうことなんだろう。

悩んでいる描写が全く無いため、クライマックスの愛を確かめられるシーンでも、主人公が何も考えていないように見えるのは非常に痛いですね。そりゃ今は純粋無垢な子供だから正体サカナ娘でも愛せるだろうけど、この先十年二十年と経ったら考えを翻しちゃうんじゃねーの? と思ってしまう。それくらい彼の決意は軽い。軽すぎる。
というかこの主人公、愛という言葉の意味も理解していない気がするんだけど、和風人魚姫な本作の主人公がそんなので果たして良いのだろうか……。


そしてもうひとつ大きなマイナスポイントが、理解し難い展開の数々でしょう。
母親が息子も同乗している車で、特に必要もなく命がけのドライブを慣行するシーンはその最たるものですが、後半のボートに乗った若夫婦との会話シーンもなかなかのもの。
これ、簡単に説明すると母親を探して旅に出た主人公とポニョが、その途中で出会った若夫婦から赤ん坊というものがいかに弱く、守ってあげなければならない存在なのかを教えてもらうというイベントなのですが、別にそれが物語の展開に影響を与えることはありませんでしたからね。

いかにも意味ありげなシーンだったので、きっと宮崎監督は何らかのメッセージを込めて挿入しているんだと思うけども、ストーリー全体の中で明らかに浮いてしまっているために、何ともスッキリしない感覚だけを受け手に残します。

作品テーマをダラダラと台詞だけで語り切った息子さんの作品も相当なもんでしたが、何らかの暗喩を込めればそれでいいというもんでもないんですよ。

また、(これは僕の理解力が足りないのも原因かもしれませんが)地球水没のくだりでは、その原因がポニョの人間化にあると気付くまでにかなりの時間を要しました。おそらく、「何故、ポニョが人間になると月が地球へ近付くのか」を説明していないのが原因だと思います。


☆宮崎監督は何をやりたかったのか?☆
一度は一線を退いた宮崎監督がわざわざカムバックして作り上げた本作。巨匠がそこまでして作り上げたからには、きっとかなり壮大な目標が存在したと思うんですよ。
実際、こちらのサイトでレビュられている通り、「死」を想起させる要素が妙に多いですしね。

しかし、惜しむらくは感想の項目で触れた通り、それが作品内で上手く消化できておらず、単に受け手を置き去りにするだけの結果に終わっている点。
例えば、エヴァなんかよく深読みされる作品ですけれども、あれはそれ以前にエンターテイメントとして完成されていますからね。自分のやりたい事をやるのは勝手だけど、受け手を楽しませずにそれだけやったって、ますます評価を下げていくだけだと思う。


……と、いうよりもね。僕が思うに、これらの要素には特に何のメッセージ性も込められていないんじゃないかな。
だってこの映画、今まで僕達がジブリ作品から受けてきたイメージによるフィルターを外したら、ただ単に起承転結が成立していない、子供向けの上っ面を被せただけの純然たる手抜き作品ですからね。いっちゃ悪いけど、「子供向けということにしておけば多少つまらなくても許してくれるだろう」という、安易さすら感じ取れましたよ。


宮崎駿がゲド戦記を見た時の動画があるんだけど、彼は当時の自分が発言した台詞の内容を思い出した方がいいと思うな。
ナイスブーメランというか、吐いたツバ飲み込みまくりだと思いますよ。今回。


最後に、一見するとハッピーエンドな本作ですが、人類滅亡を企てていたポニョの親父がそれを悔いることなく終わってしまったため、またしばらくしたら人類根絶計画の再建に取りかかるんだろうなあと思いました。
こういうところでも詰めが甘い。甘すぎる。

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by ejison2005 | 2008-08-10 04:45 | 映画 | Comments(19)