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ソウルイーター レビュー
このブログを読んでくれてる方なら今更なお話でしょうが、僕はハンターハンターがすごく好きです。自分では信者だと思っている。
で、あの作品の何が好きなのかというと、もちろんそれは色々な要素が挙げられるわけですが、あえてどれかひとつを選ぶのなら、登場人物達の強さ……そのバランスでしょう。

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と、いうのもゴンって弱いんですよね。すごく弱いというわけじゃないんだけど、作品世界の中では彼以上の強者ってゴロゴロいて、基本的に力の壁は越えられない。確かに修行を経て強くはなったけど、ヨークシン編・G.I編・キメラアント編と、シリーズ中の主要キャラの中では常に真ん中かそれ以下の位置に甘んじていますしね。

それによって何がもたらされるかというと、まず戦闘に緊張感が生まれますね。基本的に作戦無しでは上位の実力者には勝てないから、常に敗北の危険と隣り合わせです。
もうひとつの利点が、「脇役の上位実力者によるバトル」が楽しめるという点でしょう。
基本的に、脇役のバトルというのは勝敗が読めないから面白いものなんだけど、それにもう一つ「主人公以上の実力者」という属性が加わることで、更に盛り上がりが増すのですよ。強キャラってとにかく格好良いものですし。


そんなわけで、僕は「主人公の弱さ」を大事に大切に描写してくれる作品が好きなんだけど、最近それをかなり高いレベルで実現しているアニメが、

ソウルイーター SOUL.1【予約先着特典:絵コンテ付】
/ メディアファクトリー
ISBN : B0018O3OAK





本日ご紹介する、「ソウルイーター」なのです。


☆ストーリー☆
武器に変身できる少年と、それを振るう少女が協力して悪者を打ち倒し、より強い武器へと少年を昇華させていくよ!


さて、ここまでの前振りから分かる通り、本作の主人公はハッキリいって弱いです。
どのくらい弱いのかというと、

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代表的な必殺技が一度たりとも直撃したことが無いレベル。ヤムチャのかめはめ波みたいなもんですね。
当然ながら勝率も非常に低く、真っ当に勝利した場面は全くありませんが、そこは王道的なひたむきかつ明るい性格が採用されているため、あんまりヘタレという印象はないです。

で、彼女らは学校制度で自分達を鍛えているわけなのですが、当然ながら主人公の手に負えない敵は彼らを鍛えている先生などが討伐に赴いてくるわけで、そこで繰り広げられるバトルが非常に格好良い!

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主人公が手も足も出なかった敵をほぼ完封で倒して見せたりと、まさに「格が違う」感じです。

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最近では、単身主人公達の学校へと潜入している推定ラスボスと腹の探り合いとかもやってるんだけど、こういうやり取りはもうたまらんですね。お互いに、正体と思惑がバレてることを承知した上で相手を出し抜こうとする辺り、最高にダーティーです。

思うにこれ、先生達が敗れた場合、誰も事態を打開できる存在がいないというのがポイントですよね。本来なら主人公が窮地を打開すべきなのですが、いかんせん彼女らは実力が足りません。
「失敗したら後がない」ミッションを、「主人公ではないが故に敗れる可能性を常に内包している脇役」が負わされ、「作中世界最強レベルの戦いを繰り広げる」からこそこれほどの面白さが生まれるのでしょう。


そんなこんなで、「主人公の弱さ」という最大級のデフレ要素を上手いこと面白さに反転している良作です。ぶっちゃけ、アニメ版しか知らない俺が勧めるのもどうかと思うがオススメ!

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by ejison2005 | 2008-07-22 01:46 | アニメ
戯言シリーズ挑戦中
クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫 に 32-1 西尾維新文庫)
西尾 維新 / / 講談社
ISBN : 4062754304





この一週間、更新をサボりながら何をしていたかというと、西尾維新先生の戯言シリーズに挑戦していました。今は4作目「サイコロジカル・上」で主人公と害悪細菌さんが初対面するシーン。

で、ここまでこのシリーズを読んでて思ったことは、非常に文章の上手い小説だということ。この場合、ミーニングとしては「絵が上手い漫画」とかと同じ。

まあ、つまり、何がいいたいかというと、話の筋書きそのものはあまり面白くない、ということなんだけどね。

「話の内容はつまらないけど絵が奇麗だから読める」という漫画感想は、皆さんも主に大暮先生の作品とかで抱いたことがあると思ったんですけど、それの小説版ですね。言葉の使い方がすっごく上手くて、それだけである種の商品価値を生み出している。

(僕が読んだ中で)その集大成とでも呼ぶべきは三作目の「クビツリハイスクール」でして、恐るべきことにこのお話、「なんとなくバトるのであった・完」で粗筋が終わってしまいます。
ひとつだけどんでん返しがあるにはあるけど、これに関しては西尾先生自身があえて予想つくようにイベント組んでるんで、役割は果たしていない。
そんな簡潔な筋書きで(ラノベとしては)膨大なボリュームの作品を作り上げても、何故だか項をめくる手は止まらない。不思議!

筋書きの簡素さに加えて特徴的なのは、登場人物の徹底した記号化で、この作品シリーズは「私は天才です」「私もこういう分野の天才です」「私は殺人鬼です」といった才人奇人変人がゴロゴロ登場するんですけども、それは「設定」として存在するだけで、「描写」はされてないんですよね。
具体的にいうと、彼らが常人からかけ離れた能力を実際に行使するシーンというのが、ほとんど存在しない。殺人鬼が人殺しをするシーンが存在しないとか、予想の斜め下の展開でしたよ。
それでもそこそこ印象深いキャラが多いのは、一風変わった漢字での命名と、各々に独自の語調を持たせているのが大きいでしょう。
これは多かれ少なかれ、どんな小説でもやってることではあるのですけど、ここまで徹底している作品は類を見ないでしょうね。立派な個性だと思う。


そういったわけで、最初に書いた通り、「文章が上手い」という一点に集約される作品ですね。小説が文字媒体であることを、最大限に活かしているともいえるかもしれない。


そんなわけで今日の結論としては、ジャンプで西尾先生×小畑先生のコラボ読み切りが載ったことがあって(当時の感想)、これがもう箸にも棒にもかからない様な出来栄えだったんだけど、うん、まあ、当然だな、ということでした。
文章が売りというか、文章しか売りが無い作家から文字を奪ってるわけですし。


※結構、辛辣な書き方になってる気もするけど、好きか嫌いかでいったら間違いなくこの作品シリーズは好きですよ。突き抜けた部分で、きちんと商品価値が感じられますし。


※ところで、読み始めたのは文庫化が契機だったんですけど、これ隔月に一冊しか発売しないんですよね。待ってられないんで、文庫化済みの「クビシメロマンチスト」までは文庫で購入し、他は既存のタイプで買い揃えました。
何でこんなに刊行ペースが遅いんだろうね?

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by ejison2005 | 2008-07-13 02:05 | ノベル
ばりごく麺 レビュー
ちょっと前、ビジネスジャンプを何気なく立ち読みしていたら、すごく面白い漫画が連載開始していました。
そう……。

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「くのいち魔宝伝」ですね。くのいちっていうのはこう、男のロマンが詰まってると思うんだ。ぐへへへへ……!

ではなく!

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「ばりごく麺」です。どうでもいいけど、真面目なシーンなのにどうして笑いがこみ上げてくるんだろう?

ところで、今回のレビューを読むにあたって注意してもらいたい事があるんだけど、僕はグルメ漫画がすっごい好きなんですよ。下手したらバトル漫画よりも好きなくらい。こう、何というか救われた気持ちになるんだ。自由で平和で豊かで……。

そんなわけで、ちょっと贔屓目が入っているとは思うんだけど、でもでも、そんな個人的な感情を差し置いてよく出来てる漫画だと思うんですよ。

ストーリーとしては今のところ、とてもマズいラーメン屋に主人公が訪れては、

「ぐあー! クソまずいぜ! だがそのマズさがある意味で気に入ったぜ! だから俺が同じ材料で超美味しいラーメンを作ってやるぜ!

という行動を繰り返すというもの。箇条書きにすると、単にイヤ味ったらしいだけの人物ですね。

しかしながら、この漫画のすごいところは、そういったイヤ味ったらしい行動を取っている主人公が、決してそうとは感じさせず、むしろ快男児という印象を与える点だと思うのです。

これはひとえに、サブ主人公として用意された脱サラ見習いラーメン職人・朗馬の存在が大きいでしょう。
彼は初対面時のファースト・インプレッションが強烈だったからか、主人公に心酔している節があり、彼が問題行動(ラーメンの値段を間違えて足りないお金しか置いてかなかったりした時とか)には、何らかのフォローを入れてくれます。

破天荒な人間をそう認識させるには、傍らに常識的な人物を配置し、受け手の目線として配置するのが非常に効果的なのは、過去のヒット作(グレンラガンとかね)が証明しているところなわけで、この漫画もその手法を有効活用しているといえるでしょう。

あとは、主人公が「とにかく余人を寄せ付けるところのない超人」として描写されているのも大きいと思う。範馬勇次郎とかもそうなんだけど、何らかの卓越した能力を持っている人間は、そこから発されるカリスマ性で多少人格に問題があっても補っちゃうよね。


そんなこんなで、ハタ目にはイヤ味としか受け取れない行動を取る主人公が、サブ主人公のフォローと圧倒的な技量でもって、何となくそれを格好良いと周囲の人物&読者に認識させちゃう痛快ラーメン漫画です。ラーメン食いながら読め!

ちなみに、

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必殺技は、お湯が魔貫光殺砲みたいな軌跡を描く湯切り。
だからー! 何で真面目なシーンなのに面白くっていうか、明らかに狙ってるだろっ!

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by ejison2005 | 2008-07-04 01:15 | 漫画