炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!劇場BANG!! レビュー 
夏といえば海! 夏といえば山! そして特オタにとって、夏といえば劇場版スーパー戦隊&平成ライダーの公開シーズンです。
そんなわけで劇場版を見てきたからレビュー書くよー。劇場版キバに関しては後日、別記事で!


☆炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!劇場BANG!! レビュー☆
映画版のスーパー戦隊といえば、30分程度のミニマムな尺の中で、ちょっと豪華な撮影機材を使った特別編的なエピソードとして作られるのが慣例でした。悪くいえば、お手軽なイメージが与えられていたわけです。
今年もそんな軽~い気持ちで見に行ったらこれが驚き、ゴーオンジャーという作品そのものを集約したかのような、非常に真摯な作りの映画でした。

まずは冒頭部。チビッ子の皆を飽きさせないために戦闘シーンから開始するのは戦隊映画の慣例ですが、今年は何と、それが再生巨大怪人軍団とゴーオンジャーが誇る最強ロボ「エンジンオーG9」との激戦に置き換わり、のっけからCG満載のド迫力バトルが繰り広げられます。
子供の気持ちなんて推測するしかありませんが、これにはチビッ子の皆も大満足でしょう。制作陣にとっても着ぐるみを使いまわせばいいわけで、大変に安上がりな一手です。

その戦闘の影響で「サムライワールド」なる異次元への入口が開き、そこから現れた謎の三人組に炎神キャストを持ち去られたゴーオンジャーは、彼らを追って異世界への旅立ちを決意するわけですが、正直な話として、サムライワールドという舞台設定そのものは、刺身でいうところのツマていどの存在で終わっています。
ここで重要なポイントは「この世界が『強さのみを求める者たちで構成されている』」という点で、それさえ含まれていれば、ぶっちゃけ「ブロンソンワールド」みたいなのを適当にでっちあげて世紀末救世主な世界観にしても問題はなかったといえるでしょう。たぶん、サムライモチーフなのは子供人気と撮影環境の整えやすさが理由でしょうね。
そんなわけで、サムライワールドという特殊な世界観に関しては、各人が「うおー! 何だここはー!?」という感じで一通りのリアクションを演じた後は、あまり重要視されずに流されていきます。

そしてサムライワールドでキャストを持ち逃げした三人組と合流したゴーオンジャーはそこで彼らの事情をしることになるのですが、ここで美しいのは彼らに秘められたある秘密から、「炎神と人間との友情」というゴーオンジャーという作品に込められた最大のテーマへと無理なく話が膨らんでいく流れ。
炎神戦隊ゴーオンジャーという作品は非常に新しい試みの多い作品ですが、中でも最も目を引くのは、これまである種の様式美として作品内に盛り込まれてきた巨大ロボットに、人格を持たせ、主人公たちの相棒として定義したところ。
これによって、これまで純粋な「人気取りと玩具展開の為の存在だった」巨大ロボットに明確なキャラクター性が付加され、巨大ロボット戦も単なる二次会バトルではなく、ドラマ性が盛り込まれているわけです。
三人組とゴーオンジャーとの交流からは、制作側が今作のセールスポイントを完全に心得ているのがよく伝わってきます。目指している方向性が、心地よいくらい明確に打ち出されている。

そうして三人組の事情を理解したゴーオンジャーは彼らを助けるために敵地へ乗り込むわけですが、ここから先は純粋に殺陣を楽しむ決戦タイム。それこそ時代劇のラスト10分を彷彿とさせる、戦いを楽しませるためだけの時間が展開されます。
そして殺陣の流れで特徴的なのは、ゴーオンジャーのスーツに装備された歴代戦隊中最多のスーツギミックを、複合して使用しているところ。例えば、手足に装備された車輪で高速疾走するブルーへシルバーが飛び乗り、さらに彼女の手持ち武器「ロケットブースター」のジェット噴射能力で加速するという具合です。
中でも、メットを失った状態でラスボスに突貫する走輔のシーンは圧巻で、中の人の演技力とシチュエーションとが相まって、非常にかっこいいシーンとして仕上がっています。
更に、ラストの巨大ロボット戦では精巧なミニチュアを大爆破! 最近の特撮で散見される火薬演出の少なさに落胆していた方に対しても、きちんとカタルシスをもたらしてくれます。

そして最後に、この映画で最も評価できるのはそのラストシーンにこそあります。
詳しく書くとネタバレになってしまうのですが、安易なお約束に流れなかった制作陣の決断は、尊敬に足るものだったといえるでしょう。

まあ、敵も味方も全員揃って歌って踊っちゃってるエンディングで台無しになっている気はするのですが、さすがにそこまでビターな味わいにしちゃうのもどうかと思いますし、むしろ、しんみりした気分を盛り上げ、続けての劇場版キバへ最適なパスを投げているといえるのではないでしょうか。

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by ejison2005 | 2008-08-19 01:28 | アニメ