ヨルムンガンド レビュー
ヨルムンガンド。
北欧神話に登場する蛇の怪物であり、悪戯好きの神ロキの子供でもある伝説上の存在です。
そんなおファンタジーな爬虫類とは、一切関係ない漫画が本日ご紹介する、

ヨルムンガンド 1 (1)
高橋 慶太郎 / / 小学館






ヨルムンガンドです。


☆ストーリー☆
両親を戦争で失い、武器に関する一切を憎むようになった元少年兵ヨナは、ひょんな事から若き女性武器商人ココ・ヘクマティアルと、彼女が率いる私兵達と共に世界中を旅する事になるのであった……。


さて、上で説明したように本作は武器商人達を題材にしたガン・アクション漫画です。
とはいえ、基本的にはドンパチの方へと尺を回している事が多いので、武器商人云々に関しては、撃ち合いの状況を作るための設定程度に考えておいた方が良いかもしれません。だからといって、おざなりだったり疎かであったりとかはしませんが。
例えば、僕も大好きな映画にロード・オブ・ウォーという作品があり、こちらは実在の武器商人達のエピソードを元に、武器取引というものに関してかなり詳しく描写しているのですが、ヨルムンガンドではそういった方面のイベントはあまり存在しないということです。まあ、あちらはあちらで撃ち合いのシーンはありませんから、一長一短ですね。


そんなわけで、最大の特徴である「武器商人達が主人公」という点は添え物的な要素にすぎず、蓋を開けてみればこの手の漫画としてはかなり平凡な作風なのですが、しかし、平凡は平凡なりに、かなりの高水準でまとまった平凡さではあります。


まず、ガン・アクション漫画では必須とされる画力ですが(銃がヘボイと話にならない)、これは、

f0029827_465091.jpg

ニイッと笑みを浮かべさせるつもりが、ルージュを引きそこなったように見えるなど、荒削りな面も多々見受けられますが、

f0029827_47989.jpg

このように、迫力あるアクションシーンも多いですし、

f0029827_472130.jpg

f0029827_472612.jpg

題材が題材なだけあって、実在する多数の銃器が登場し、読者の目を楽しませてくれます。


登場人物に関してですが、この作品に出てくるキャラは一部の例外を除き、割と現実的なファクターで構成されているため、漫画的な意味での「濃さ」に期待してる人にはちょっと肩透かしかもしれません。ブラック・ラグーンみたいにオサレポエムを語ったりもしない。
個人的にはルツというキャラクターが好きですね。野外戦では主人公より遙かに劣り、得意としている狙撃も私兵メンバーの中ではナンバー2に過ぎず、女子供が相手だと「俺、元警官だしあんまり撃ちたくないなあ(´・ω・`)」と苦悩して役立たずと化す三下っぷりがたまらない。

キャラクターに関してもうひとつですが、この作品は主人公の戦闘能力がそれほど高くありません。私兵メンバーの中でも、総合的に考えると3位か4位くらいでしょう。今のところ、名のある敵を倒したりもしてないし。
「少年兵の主人公」というと、ガンダムウィングフルメタル・パニックみたいな「年齢にそぐわぬ身体能力を備えた一流の兵士」みたいなのを連想してしまいますが、この作品の主人公に関しては適用外ということです(彼らよりさらに年少だしね)。
センスはいいし強いことは強いんだけど、若年故の荒削りさがあるため、本当に一流の相手には適わないというわけで、よくよく考えたら非常に正しいキャラ付けですね。若いから年長者には勝てない。
そういったところでも、現実寄りという印象を受けるんだろうな。もちろん、十分にファンタジーではありますが。


そんなわけで、「俺は撃ち合いのシーンが読みたいんだ! それも拳銃によるしけたものではなく、アサルトライフルを使った派手な銃撃戦をだ!」という方にはオススメの漫画です。大傑作というわけでもありませんが、手堅くまとまっているので、必ずや期待に応えてくれることでしょう。

[PR]
by ejison2005 | 2008-01-25 04:12 | 漫画