ファイアーエムブレム 暁の女神 レビュー
皆さんは、ファイアーエムブレム(以下FE)をご存知でしょうか?
任天堂ブランドから発売されたゲームシリーズであり、熱狂的なファンも多いシミュレーションRPGです。任天堂も、別にアクションばっかり作ってるわけではないのですね。


最初に基本システムを説明すると、シミュレーションではおなじみの「四角いマップの中に敵味方のユニットが配置され、コンピュータ操る敵軍と交互にターンを繰り返しながら自軍ユニットを操作する」形式をとっているのですが、FEシリーズの特徴として「各ユニットの射程が非常に短い」というものがあります。
いやね、もちろん魔法や弓、投げ斧の類を使えば関節攻撃は可能です。
可能なのですが……基本的に遠隔攻撃の射程距離はたったの

f0029827_3585724.jpg

実際に画像をご覧になって下さい。オレンジ色のマスが攻撃可能範囲です。
これはシミュレーションRPGの遠隔攻撃としては、非常に短いですね。目と鼻の先です。アロセールさんもびっくりです。
当然、槍や斧での直接攻撃は射程1なので、

f0029827_3592247.jpg

この様な形になります。FEにおける遠隔攻撃とは、敵の射程範囲外ギリギリから攻撃をしかけるという、非常にリスキーな代物なのです。
ちなみに、杖を使った回復魔法もわずかな例外を除けば接触しないと使えないですので、結果的に敵も味方も鼻面を突きつけての乱打戦が繰り広げられます。
また、このゲームは「鎧」の概念が存在しなく、キャラ固有の「しゅびりょく」や「まほうぼうぎょ」というパラメータでダメージを減らすのですが、一部のユニットを除けば大して硬くはなりません。
そして、先程述べた様な遠距離攻撃可能のユニットはお約束として非常に防御が脆いので、敵の攻撃を受けたら一撃死する事も珍しくなかったりします。そして、射程が2である以上はそれらのユニットもある程度の距離まで近づかなければ戦えません。

f0029827_3594164.jpg

……そろそろお気づきかと思いますが、このゲームはとても簡単にキャラが死にます。しかも、死んだキャラは基本的に二度と甦りません。
その上、シリーズ中唯一の例外であり先程から画像を引用している「聖戦の系譜」を覗けば、戦闘マップでのセーブはできませんので(正確に書くと中断は可能だけど再開時に中断データを消去される)、死んだキャラを甦らせるにはリセットしてその戦闘マップを最初からやり直すしかないのです。
いえ、死んだまま進める事もできるっちゃできるんですけど、エンディングで他のキャラが後日談を語られてる中、「○○の戦いで生死不明」とか表示されると素晴らしく重たい気分になれるのですよ。
何せ、やり直すと今まで費やした時間が無駄になりますので、自然とプレイも真剣になります。つまり、「死んだらやり直し」というその制約こそが、例えようもない緊張感を生み出しているわけですね。

さて、FE愛好者がマゾである事を理解していただいたところで、本日ご紹介するゲームはシリーズ最新作ファイアーエムブレム 暁の女神です。
話題のゲーム機wiiで発売された本作は、ゲームキューブで発売された蒼炎の軌跡の正当な続編であり、ちょっと登場は遅いけど主人公も引き続いてアイクが担当してますので、「蒼炎の軌跡 外伝」とでも呼称した方が分かりやすいかもしれません。というか、僕がまさに「蒼炎の軌跡」をプレイせず始めてストーリーやキャラの把握に戸惑った人です。
そんな本作なのですが、最初に大まかな評価を下すと……正直いって少しだけ微妙かもしれません。
というのも、前述した様にFEは「キャラが死亡したら生き返らない」というムチを豪快に振るっている作品なのですが、見返りとして「キャラの育成が非常に楽しい」作品でもあります。
が、「暁の女神」はストーリーの関係上、ドラゴンクエストIVみたいな数部構成となっており、それぞれのパートでキャラ達が行き来しているのですが、それが原因で落ち着いて育成する事ができません。
中でも、第一部で登場した「蒼炎の軌跡」に出てきてないメンバー……いわゆる新規参入組の冷遇っぷりは凄まじく、ヒロインを除けばストーリーでも特に絡まず、能力も別に高くは無い上に第一部終了から第三部の中盤までは出番も無いので、何のために出てきたのかさっぱり分からない状態になってます。
そして、個人的にこれが一番大きいのですが、暁の女神は後半戦に突入して「マスタークラウン」というアイテムの数が揃うまで、クラスチェンジの楽しみが全然味わえません。
クラスチェンジについて説明すると、

f0029827_4241163.jpg

最初のうちユニットは「下級職」と呼ばれる兵種なのですが、

f0029827_4245874.jpg

経験を積んだりアイテムを使ったりといった条件を満たす事で、クラスチェンジを果たして「上級職」となり、大幅なパワーアップを果たしてゴージャスな見た目まで手に入れる事ができるのです!
こればっかりは、実際にプレイした人しか分からない感覚なのですが、クラスチェンジの瞬間はえも言われぬ幸福感に包まれます。
コツコツと育ててきた大して強くもない下級職のユニットが、クラスチェンジを果たして「俺Tueeeee!」な上級職のユニットとなる瞬間……FE愛好者にとって、至福の時です。
どっこい、第二部から活躍する「蒼炎の軌跡」からの続投キャラ達は基本的に全員が上級職の状態です。
それに合わせ、難易度調整のために敵も全員上級職という状態になってしまうので、下級職の存在意義が全く無かったりします。
キャラ育成の何が楽しいって、最初は弱いユニットが少しづつ強くなっていく様が楽しいものなので、最初から強い続投組ではいまいち育てる意欲が沸きません。というか、育てる必要がありません。
その上、「暁の女神」は経験点もかなり多めにもらえるので、油断してるとあっという間にレベルがカンストしてしまいます。何かのギャグでしょうか?
先程ちらっと述べた通り、「マスタークラウン」というアイテムを使うと上級職からさらに上の存在である「最上級職」へとクラスチェンジできるので、ようやく育てる楽しみも沸いてくるのですが(それでも最初から強いので微妙ですが)、それまでの中盤戦はひたすら忍耐です。

そんなこんなでちょっと微妙な「暁の女神」ですが(それでも戦術面では楽しいけどね)、ひとつだけ素晴らしい点があります。
いえ、これは「蒼炎の軌跡」で最初に変更された事なので暁の女神の手柄ではないのですが、ともかく戦闘アニメが変更されたのは大きいです。
何がどう変わったかというと、

f0029827_401152.jpg

従来の戦闘アニメはこういう感じだったのが、

f0029827_452761.jpg

この様に、3Dタイプに変わったのです。
これがどう素晴らしいかを説明するには、まずFEのキャラデザについて語らなければなりません。
そもそも、FEにおける女性陣のデザインは何故か一様にスカートが短く、第一作「暗黒竜と光の剣」と第二作「紋章の謎」のヒロインであるシーダ様などは確か、

f0029827_454281.jpg

ペガサスナイトという空飛ぶ馬に乗る職業なのに超ミニスカートでした。ちなみに、古いゲームなので正規のデザイン画はいくら探してもさっぱり見づからず、ようやく見つけたのがエロ同人誌の表紙です。正確なのかなあ? これ……。

f0029827_455961.jpg

その特徴は、続く「聖戦の系譜」でも受け継がれます。同じく古いゲームで正規のデザイン画は見つからなかったので、こちらの画像は昔ギャグ王という漫画雑誌で連載されていたコミカライズ作品のものを引用しました。僕がFEにはまったのは、この漫画がきっかけです(既に絶版です)。
その後、しばらく続編が作られる事はなかったのですが、

f0029827_461536.jpg

ゲームボーイアドバンスで発売された「封印の剣」「烈火の剣」「聖魔の光石」でもミニスカの血脈は脈々と受け継がれていきました。

f0029827_462710.jpg

そしてこれが、「暁の女神」のヒロインである暁の巫女ミカヤです。タイツが逆にエロイですね。
「暁の女神」に出てくるザコ兵士は、
「暁の巫女バンザーイ!」
的な事を言いながら死んでいったりするのですが、そりゃ戦場でこんなもん見せつけられたらそうも言いたくなるよな。
が、「蒼炎の軌跡」以前のFEシリーズには重大な欠点が存在します。
そう、戦闘グラフィックがしょぼいのです。

f0029827_464352.jpg

例えば、上の彼女みたいに主人公の妹でこの年にして人妻というスペックの高すぎる娘さんでも、

f0029827_465834.jpg

戦闘シーンでは、こんな感じです。何かもうガッカリだ!
それどころか、「蒼炎の軌跡」以前は基本的に敵と味方でキャラのグラフィックを流用していたので、

f0029827_471387.jpg

彼の様な少年でも、

f0029827_472821.jpg

戦闘時にはミニスカ着用という悲惨な光景も見受けられました。最初、女かと思っちまったじゃねえか!

f0029827_461536.jpg

いかに元のデザインが良くても、

f0029827_4255754.jpg

戦闘時にこれでは、我々の鍛え抜かれた妄想力を駆使しても限界がありますね。
しかし、蒼炎の軌跡から導入された3Dアニメは素晴らしい。

f0029827_483992.jpg

f0029827_484792.jpg

f0029827_485440.jpg

f0029827_49292.jpg

ブラボー……おおボラボー!

最近の3D技術からいえばそれ程高いレベルのグラフィックではありませんが、生足を観賞する分には何の問題もありませんね!


そんなわけで、死んだキャラは甦らないという硬派なシステムが生み出す緊張感を伴った楽しさ、そして生足が素晴らしいゲームです。
wiiを持っているのなら、遊んでも損は無いと思いますよ。
個人的には、wiiがあるならバーチャルコンソールで配信されている(要Wiiポイント900)「聖戦の系譜」も、初心者にはオススメです。これはリセット地獄が無いし。
まあ、生足は拝めないけどね。

[PR]
by ejison2005 | 2007-03-31 04:12 | ゲーム