SHINOBI 感想
今日、金曜ロードショーで、

SHINOBI
仲間由紀恵 / / 松竹
ISBN : B000K4WTPA





SHINOBIっていう映画をやってたんで、折角だから感想を書こうと思います。
ちなみにこれ、特撮オタク的には仮面ライダークウガ(甲賀弦之介)と仮面ライダーケタロス(筑摩小四郎)が競演してるんですよね(笑)。
あ、普通にネタバレするんで注意して下さい。


さて、この映画は甲賀忍法帖という小説が原作になってるんですが、結論からいうと原作の魅力は全く引き出せてませんね。
特に、肝であるはずの能力者パートがひどい。
何せ、本来なら十対十であった忍者対決の頭数を五対五にまで減らして、しかも、その内三人は何の能力も披露せずに死にますから。
もうね、この時点で忍法帖を原作にした意味は全くのゼロです。このお話は、「手の合う」能力者達が戦うのを楽しむという主旨で作られてるんですから。
以下、各キャラの感想を。

甲賀弦之介&朧 ~どうしてもクウガとトリックを連想しちゃう~
原作に比べて、すっかりアレな人達になってました(´・ω・`)
平和主義者なのはいいんだけど、これから里同士で殺しあうよっていう話をしている最中、それを承知でイチャつきに行くのはどうなんだろう?
原作でも二人はかなり平和主義者だったけど、少なくとも弦之介様は朧以外にはかなり容赦なかったよ。
あと、朧がもんのすごくパワーアップしてるのもちょっと。
同じく馬を用いているとはいえ、とっくに馬で逃げ出したはずの筑摩小四郎にあっさり追いつくわ、眼力で直接呪い殺しちゃうわ、お幻が言ってた、
「お前は、身体能力とかはあんまり優れてない」
という意味合いの言葉に、欠片ほども説得力がありません。普通に強いじゃん。

お幻&甲賀弾正 ~何やってんのあんたら?~
犬死に。
全くの犬死に。とっても犬死に。
原作と違って人別帖にも名を連ねていないため、この二人が争う理由がさっぱり分かりません。
この展開にするなら、普通に六対六のルールにしとけば良かったんじゃないかなあ? 語呂と区切りは悪くなるけど。

筑摩小四郎 ~ワガタマシイハコウガトトモニアリィ~
どういうわけだか、甲賀方に配置されちゃった人(原作では伊賀方)。
原作では、そのシンプルにして凶悪な能力で大活躍しましたが、今作では何の能力も無い、普通の手裏剣が得意な人になっちゃってました。
他の面々に比べれば割と扱いはマシだった気がするけど、能力を使わないんなら別にお胡夷(今作では未登場)とかでもよかった気はします。

夜叉丸 ~原作のイメージを守れた人その1~
キャラ崩壊が相次ぐ今作の中で、数少ない自身のイメージを守り抜いた一人。
ちゃんと能力も再現されていたし、死に際のあっけなさは原作でも似た様なもんでしたし。
まあ、能力すら使われずに殺されちゃったのはちょっと情けなかったですし、蛍火との恋人設定も破棄されてたけど、その辺は尺を考えたら仕方の無い気がします。
うん、君は頑張った。

室賀豹馬 ~迂闊な人~
冷静な重鎮が一転、迂闊な特攻屋になっちゃってました。
相手に奇襲をかけるところまでは理解できるんだけど、薬師寺天膳を討ち果たした後に朧と蛍火を前にして余裕たっぷりで近づくとか、今一度不意打ちの意味を辞書で調べなおすべきだと思いました。
原作も、キャラの油断大敵ぶりは相当なもんだったけど、戦闘中に意味も無く動きを止めたりはしてなかったよ。

蓑念鬼 ~誰だよあんた~
今作、最大の被害者。
性格、容姿、能力の全てが原型を留めていません。かろうじて原作準拠なのは、毛深い点だけ。
挙句の果てに、あからさまな罠である陽炎の誘いにのって接吻して死んじゃうとか、何しに出てきたんだろう?

如月左衛門 ~目立たないのが身上なのに、あの風貌だと普段目立ちすぎじゃない?~
性格はともかく、能力は原作準拠なんですけど、どう考えても使い方が悪かった……。
相手そっくりに変身する能力なのに、わざわざ敵が三人固まってる時を狙って襲いかかるとか、何をやってるんだろう?
案の定、防がれて殺されちゃいましたし。
この能力は、原作でやったみたいに一人づつ誘い出したりしないと、単なる鉄砲玉で終わるんだけどなあ。

蛍火 ~原作のイメージを守れた人その2~
夜叉丸と同様、割と原作のイメージが守れてた一人。
性格はちょっと違ってましたけど、能力は似たようなもんですしね。
ストーリー的にも、普通に戦って普通に死んだ原作と違い、朧に戦う決意をさせるそれなりに重要な役どころでしたし。

陽炎 ~原作のイメージを守れた人その3~
夜叉丸や蛍火と同様、原作のイメージを守れた一人。
能力的にはむしろパワーアップしているわけですが、まあ、あんな能力を大作娯楽映画で使うわけにもいかないしね。
弦之介様への愛とか、必要な要素はちゃんと描かれてたし、このキャラに関してはそんなに文句無いです。
ただ、薬師寺天膳と心が通い合ったっぽい最期の描写は、何でやねんという感じでしたが。
事前に行われてた、薬師寺天膳と甲賀弦之介の語り合いを見守ってたのかなあ?

薬師寺天膳 ~いい人になれました~
能力のソースは異なるものの(そのおかげで、陽炎の能力で死ぬ事ができた)、能力そのものは原作準拠。
ただ、不死身であるというバックボーンからイメージを膨らませて、原作とは真逆の性格になってましたが。
原作の薬師寺天膳は、いい年こいて欲望の固まりみたいな人だったからなあ。
今作の目指した方向から考えると、この性格改変は正解だと思うんだけど、途中まで朧をけしかけてたのと同一人物とはとても思えないのはちょっと問題かもしれませんね。
日和っぷりでは、人の事をとやかく言えない気がします。

そんなわけで、個人的には原作からの改変部分が改悪に感じられる事が多かったんですけど、それでも終盤のオリジナル展開にはそれなりの評価をあげたいです。
原作のラストは美しかったけど、それだけに救いが全くありませんでしたから。
朧が後追い自殺するのではなく、ちゃんと長としての責任を果たして二つの里を救い、同時に死んだ弦之介様の悲願であった二つの里の融和を成し遂げたのであろうラストは、アナザーストーリーとして原作ファンが求めていたもののひとつを形にしたという事ですので、意義深いものがあったと思います。


まとめると、戦闘パートはそんなに面白くなく、原作ファンにとっては改変ぶりが悲しくなるような出来でしたが、それでもラストのオリジナル展開には見るべきものがあったと、そういう感じでしょうか。

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by ejison2005 | 2007-01-19 23:44 | 映画 | Comments(4)
Commented by 雨人 at 2007-01-20 19:59 x
僕もちょっと楽しみに見てたんですけど・・・やっぱり改悪の方がめだってましたよね~
尺的に考えて10VS10は無理だというのは分かりますけど、5VS5じゃちょっと盛り上がりに欠けますよ・・・
しかし朧の力が何気に万華鏡写輪眼に見えたんですけど僕だけですかね?
Commented by ejison2005 at 2007-01-21 00:00
万華鏡車輪眼はもうちょっと強力な気がします。腕もげてましたし。
この映画の監督さんは、明らかに原作のテーマを履き違えてますよね。
甲賀弦之介&朧の恋愛設定とかは、あくまでバトルを盛り上げるために存在するのであって、それがメインテーマなわけじゃないんだけどなあ。
Commented by ぺんぼー at 2007-01-21 22:47 x
原作は悲恋がメインテーマだと思ってましたぁぁぁぁぁぁー!
バトルは悲恋を盛り上げるためのもの、とも。
その辺は読まれる方の感じ方次第でしょうけど。

山風先生なら「忍法忠臣蔵」とか「信玄忍法帖」などは
歴史物としても非常に秀逸ですね。
Commented by ejison2005 at 2007-01-24 01:57
>>べんぼーさん
僕としては、バトルを盛り上げるために最強能力者である二人に物語上の制約を加た結果が、あの悲恋物語なんじゃないかと思います。
その辺は、
>その辺は読まれる方の感じ方次第でしょうけど。
というべんぼーさんの意見通りで、いく通りもの解釈ができるからこそ楽しいというやつですね。

>山風先生なら「忍法忠臣蔵」とか「信玄忍法帖」などは歴史物としても非常に秀逸ですね。
てへ、バジリスクから入ったにわか信者なんで、甲賀忍法帖しか読んでなかったです☆