ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟 簡易レビュー
「最後まで諦めず、不可能を可能にする……それがウルトラマンだ!」


注:微バレあり。ただし大きなネタバレはなし。


特撮ファンのたしなみという事で、早速ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟を見てきました。
もうね、完璧としかいいようの無い出来です。
脚本、演出、音楽など全ての要素がウルトラ兄弟とメビウスを格好良く見せるために機能しています。
ウルトラマンのマスクひとつとっても、初代放送時に近づけた造形にする徹底振りですよ。
曲の使い方も上手いですね。
各ウルトラマンの登場時にはそれぞれの主題歌をアレンジしたものが流れ、兄弟が揃った暁には『ウルトラ六兄弟』が流れて気分を盛り上げます。
何よりも素晴らしいのが、CGですね。
宇宙空間での戦闘シーンやラストバトル等で本作はCGを多用しているわけですが、特撮にありがちな『安っぽさ』が全く無い。
あんまり自然なもんだから、CGの場面なのに一瞬実写と間違えそうになるくらいです。
これ、すごいお金をかけてるだろうな~。
なにせ企画が企画ですから、ある程度採算は度外視して考えうる限り最高の人材や機材を使いまくってるんじゃないですかね?
とにかく、円谷プロのウルトラマンに対する愛情が溢れた傑作です。


さて、本作の売りはなんといってもウルトラ兄弟ですが、もちろん主役のメビウスも大活躍しますよ。
今作のテーマは、一番上に太字で書いたメビウスの台詞に集約されていますが、怪獣に襲われて勇気を失った少年との交流を通して、それを丁寧に描写しています。
子供向け映画だからといって、全く手抜きはされていません。
ひとつひとつ段階を踏んで少年は勇気を取り戻し、最終的にはくじけそうになったメビウスを奮い立たせるまでに成長し、逆転のカタルシスを与えてくれます。
ここら辺は、僕たちみたいな大きなお友達が見る分にはややこそばゆいですが、本来のターゲットである子供たちには長さ的にも、お話の重さ的にも丁度良い塩梅ですね。
実に洗練された、プロの技を感じます。
こういうのって、ちょっとでも手を抜いたら『子供向け』ではなく『子供騙し』になってしまいますからね。

例:行動ではなく台詞でダラダラとテーマを語っちゃったゲ○戦記

子供にも分かりやすく、それでいて話を安っぽくしないというのは何気に高等技術なんだと見ていて痛感しました。


そして、本作の最大の目玉であるウルトラ兄弟ですが……。

見に行け! いいから見に行け! プライドなんぞ犬に食わせろ!

という感じですよ。
出番も多く……というか最初っから最後までほぼ出ずっぱりで、ミライが少年を勇気づける上で重要なヒントを与えてくれます。
脚本も完璧で兄弟思いなエースや熱血漢の新マン、冷静なセブンと最後に決断を下すウルトラマンといったキャラクター性の違いを忠実に再現していました。
また、ウルトラ兄弟はとある事情でエネルギーのほとんどを失っており、とても戦える状態じゃありません。
しかし、それでもメビウスのピンチを見て命がけの変身を行う姿は、年老いてなお輝きを失わないかつてのハヤタ、ダン、郷、北斗を演じた役者さんたちの熱演もあって、最高に格好良かったです。
このシーンに、『ウルトラ六兄弟』を流しているのも素晴らしいですね。特撮ファンのツボを見事に突いています。
そしてこのシーンは単にウルトラ兄弟を格好良く見せるためではなく、もうひとつ重大な意味があります。
本来なら戦える状態じゃないウルトラ兄弟がそれでも勇気を振り絞って立ち向かう事で、本作のテーマである一番上のメビウスの台詞を、少年の成長劇と合わせて二重に表現しているわけですね。
本当に考え抜かれた構成です。ちゃんとエンターテイメントとして成立しているのも良い。
惜しむらくはゾフィーとタロウの出番が少ないうえに、タロウの人間形態が無い事ですが、この二人は設定上、ほいほいとウルトラの星を空けるわけにはいかないので仕方のないところですね。


本作の敵である宇宙人連合も、いい味を出していました。
ウルトラ兄弟同様、彼らに関する研究も完璧で、実力はあるんだけど微妙におつむが足らないテンペラー星人や例によって偽者作戦を敢行するザラブ星人など、各々の特徴をしっかりと捉えた作劇をしています。
特に、本邦初公開のテンペラー星人飛行形態は必見ですよ。
なんというかね、すっごくラブリー。とってもプリティー(笑)。
あの胴長短足で、頑張って飛行ポーズをとっているのが萌えポイントでしょう。
ラスボスのUキラーザウルスも、ヤプールの怨念が集まっているだけあってウルトラ兄弟&メビウスを迎え撃つに相応しい貫禄を備えていました。


戦闘シーンは、冒頭で書いた通り大迫力のCGが見物なんですけど、もうひとつ工夫されているポイントがあります。
知っての通り、ウルトラマンというのは光線あり超能力ありのドラえもん的なキャラなんですけど、本作はエネルギーの消耗について強調する事で、何でもありのバトルに一定の制約を課しています。
特にウルトラ兄弟が顕著で、彼らは終盤までエネルギー不足が原因で苦戦を強いられ続けますからね。
どのようにして、メビウスと残された力の少ないウルトラ兄弟は宇宙人連合&Uキラーザウルスに立ち向かうのか? そして、ウルトラマンメビウス・インフィニティとは?
そこら辺に関しては、どうかご自分の目でお確かめ下さい。


最後に書きますけど、ウルトラマンヒカリはいっそ清々しいくらいにスルーされてました。
どのくらいスルーされているかというと、出番が無いばかりかメビウスがブレイブモードにならないくらいの放置っぷり。ひでえ。

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by ejison2005 | 2006-09-18 20:48 | アニメ | Comments(2)
Commented by 黒川 at 2006-09-20 20:58 x
とりあえず、人が引けてから見に行く事にしましたw
本編で、レッサーボガールを倒してからヤプール復活まで2週間ぐらいしかない感じでしたが、その間に(おそらく)映画版のエピソードが入るので、劇中ではもっと間隔空いているんでしょうかねぇ?

> ヒカリの放置
メビウスがブレイブモードにならない程とは…まぁ、インフィニティモードを引き立たせる為でしょうが(^_^A
Commented by ejison2005 at 2006-09-21 01:59
いやあ、人が引けてからいくのもキツイものがあると思いますよ。
広い館内でポツーンと少人数で特撮鑑賞! 並みの映画でもその状況はキツイのに!