BLOOD+ 第48話「摩天楼オペラ」
さて、この番組が終了したらうたわれるもののプレイ記でも書こうと思っていたのですが……。
発売延期……しちゃいましたね(遠い目)。
というわけで、何か別の題材を探してゲームショップを練り歩いたりしたのですが、良く考えたら無理にゲームを遊んでそのプレイ記を書いたりするよりも、普段YouTube等でチェックしている新作アニメの感想をまとめて土曜に書いた方が実生活を圧迫しないし良い気がしてきました。
視聴手段がアレですが、地方に流してくれないのが悪いんだとダダをこねてみる。
そんなこんなで、終わった後の事ばっかり考えている当ブログですが、今週も感想と参りましょう。
今日はちょっと、紳士的に書いてみたよ。


まず最初のツッコミ所
サンクフレシュ製品のマウス化する毒を混入した食品を世界中に行き渡らせ、ディーバの歌を衛星中継で聞かせる事によって翼手を大量発生させる敵側の最終作戦ですが、いやあ、素晴らしいですね。最高です。
今日び、

どんなスペシャルキャンペーンを展開してもオペラなんぞ見る奴は殆どいねえだろ?

という誰もが抱くツッコミに対して、何ら解答が用意されてない事によって、エピソードそのものを無価値な存在にする事に成功しています。
まあ、いくら数が少ないとはいっても、条件を満たして翼手になってしまう人間はいるので防ぐ意義は大きいのですが、世界を翼手で満たす事が目的の敵が実行する作戦としてはあまりにも説得力が無いのはお分かりいただけるでしょう。
物語を収束させる最終決戦を、合間に流れるCM程の意味もない空虚な話にする事によって、BLOOD+は製作会社が一年食いつなぐためだけに作られた、何らの気概も野心も感じさせないハナクソの様な作品であるという製作者側の隠れメッセージが伝わってくるわけです。
実に高度なテクニックですね。
普通に製作していたら、どうしてもプロとしての矜持が邪魔をしてこんなしょうもない出来にはなりません。
主義主張や向上心をかなぐり捨て、とにかく一年放送し続けておまんまを食うという事だけに集中したBLOOD+スタッフは、ある意味プロ意識の固まりといえるでしょう。


アバン
小夜に眠りの時が近づいてるわけですが、実は今まで小夜が役に立った事など無いので、「なんだ、これまでと変わらないじゃないか」という思いを視聴者に抱かせ、依然として見方側の戦力は健在であるという安心感を抱かせます。
これもまた、高度なテクニックですね。
まともに作劇したら、どうしても主人公を頼りになる存在として描写してしまうので、このような状況に陥ったら「主人公が行動不能になるかも知れない!? こいつはヤバイぜ!」と視聴者が思ってしまい、ハラハラドキドキしてしまうところです。
しかし、BLOOD+はこれまで徹底して主人公を役立たずな上にすぐ鬱モードに入る救いようのない女として描写してきた事によって、視聴者が心拍数を上げて健康を害したりしないように配慮しているわけです。
まっこと、ユーザーフレンドリーかつバリアフリーなアニメです。
主人公が超ネガティブな事で知られる新世紀エヴァンゲリオンでさえ、戦闘になれば立派な戦力として活躍していた事を考えると、この番組はあのエヴァを超えたとさえいえるかも知れません。


ネイサンの正体
ここのアンシェルとネイサンの会話によって、ネイサンの正体が小夜とディーバの母によって生み出されたシュバリエであり、その目的(使命かも)が小夜とディーバの行く末を見守る事である事が示唆されたわけですが、これも素晴らしい描写ですね。
このシーンの目的は、
「さあ、これから最終決戦だ。頑張るぞ!」
と意気込んでるアンシェルに対して、
「実は私、ディーバのシュバリエじゃないから今回の戦いには加わる気ないんで、後はよろしく」
とネイサンが冷たく言い放つ事によって、いきなり最大戦力の一人として頼りにしていた男にドタキャンされたアンシェルへの同情票を集める事にあるのです。
視聴者が思わず感情移入してしまうキャラを作るのは、基本中の基本。
おそらく、これまでネイサンの正体に関する伏線が全く無かったり、たまに出してる(すごんでるつもりなのであろう)裏声が正体に比してあまりに雑魚っぽかったのも、この日のためだったのでしょう。
また、これまで同様、主人公と全く関係ないところで敵戦力がダウンしている事で、更なるバリアフリー効果を生み出しています。
心臓に優しいアニメですね。


鍵を返す小夜
普通の番組なら悲壮な決意と捉えてしまい、ハラハラドキドキしてしまう場面ですが、これまで散々ネガティブなところを見せつけてきたために、「結局、それかよ!」以上の感情を抱かせません。
とことん、視聴者の健康に気づかったアニメです。


ディーバに化けてたアンシェル
いい年こいたオッサンが美少年に化けるのはキモイ事この上ないですが、それもこれもネイサンがドタキャンしくさって手が足りなくなったのが原因です。
アンシェルは本当にかわいそうな人ですね。
それでも、今できる事で何とか頑張っている辺り好感が持てます。


ディーバの超舞台衣装

f0029827_2201929.jpg

皆さん、ご覧下さい。
かつて、これほどまでに格好悪いラスボスの衣装が存在したでしょうか?
頭につけた、

f0029827_221205.jpg

クロ高の高橋先輩がつけてたアレみたいなのと、背中の羽が素晴らしいですね。
世界的にも権威のあるコンサートだろうに、こんな格好で現れたディーバはロックにも程があります。
また、こんな気が狂った格好をさせてしまったために、またしても世界中の人間が視聴しているという状況の説得力を減らしているのもポイントでしょう。


カ○ハ○波

f0029827_2213771.jpg

皆さん、ご覧下さい。
今度は、何の脈絡もなく気孔波が放たれました。
これは確か、ソロモンとの戦いでも使用されてしまいましたし、ソロモンも謎の真空波を放っていましたが、どういう原理の能力かはついぞ明らかにされませんでした。
今まで出てきた翼手は、体内で生成した何らかの(凝固した血液?)結晶を弾丸のように撃ち出したりする事はありましたが、その能力はあくまで物理的な範疇に収まっていました。
しかし、アンシェルが放っているこれは紛れもなく物理世界の理屈を超えた何かです。
一体なんだこれは? どういう事だ?
……そう思って考察してみたのですが、おそらくこれは翼手とは関係ない、アンシェルが自分の努力で身につけた技なのではないでしょうか?
ネイサンに指摘されていたように、アンシェルの目的はあくまで生物としてディーバがどこまで登りつめるかへの好奇心です。
同様に、自分の能力をどこまで高められるかにも興味を抱き、

f0029827_2215224.jpg

日々修行に明け暮れたのではないでしょうが?
その結果として、気を操るまでにいたったのでしょう。
ソロモンも、似たような修練の果てにあの真空波を覚えたに違いありません。
全く、素晴らしい努力家ですね。
また、この一撃で他愛もなくハジが倒される事によって、彼の役立たずっぷりと雑魚っぽさが強調され、心地良い笑いを提供します。
もはや、彼が瞬殺されるのはバイキンマンが毎回アンパンチで吹っ飛ばされるのと同じ、鉄板のシチュエーションですね。


何故かアメリカの偉い人も翼手に
普通なら、
「お前は、計画を知っていながらサンクフレシュ製品を食べていたのか?
とツッコミを入れてしまいます。
しかし、これはおそらく、この女性が罪の意識にさいなまれていた事を描写しているのでしょう。
彼女は、国を発展させるためとはいえ、己の罪深さに悩み、最終的には被害者と同様に醜い化け物になって贖罪とするつもりだったに違いありません(ディーバの歌は誤算でしたが)。
こんなところでも、人間の業を感じさせるとは……。
脱帽ですね。


アンシェルとの問答
ぼさっと立ってないで、戦ったらどうだ? とツッコミがちですがよく考えてみてください。
アンシェルは、シュバリエです。そして、シュバリエとは騎士を意味します。
更に、シュバリエを生み出せる小夜はその上位者です。
これはおそらく、二人の「ちゃんと相手の話は聞く」という騎士道精神にのっとった高潔な精神を描写しているのでしょう。
それだけに止まらず、作画の節約にも繋がるリーズナブルな展開です。

というわけで、次回決着編へ。
今回は、頑張って言葉のオブラードに包み込みました。

[PR]
by ejison2005 | 2006-09-16 22:08