劇場版仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE 感想
「お婆ちゃんは言ってた。俺は天の道をゆき、総てを司る男……天道総司だ」


はい、というわけで見てきましたよ~。
今回の劇場版は、合わせて見る事でテレビ本編をより楽しめるように作られてますので、多少の恥ずかしさは捨てて是非、映画館へ足を運んで欲しいですね。
以下、ネタバレ反転。


ZECTとネオゼクト
いきなり酷評で悪いんだけど、正直いってこの2つの組織が抗争しているという設定は不要だったと思う。
終盤の見せ場が「地球に迫り来る大量のワームが眠った巨大隕石落下の阻止」なのに、ライダーバトルをメインにしちゃってるせいでその辺がボヤけちゃってるんですよ。
だいたい、織田や風間が組織を抜けるだけならともかく、わざわざ新組織を結成して喧嘩売る理由がサッパリ分からんのです。
別にZECTって、圧政したりとかはしてませんしね。むしろ、水の配給とかしてましたし。
ZECTとワームが裏で手を組んでる事を知ってたなら反旗を翻すのも分かりますが、別に知らなかったしなあ。
素直に、
「ついにワームの大攻勢が始まった。大量のワーム軍団に立ち向かうカブト、ガタック、ザビー、ドレイク、サソードの5大ライダー。しかし、戦いが続くうちに彼らはZECTが裏でワームと手を組んでいる事を知る。決意を胸に、軌道エレベータに殴りこむ5人。しかしそこへ、ZECTが開発したカブティックゼクターとハイパーゼクターを手にした最強のワームが立ちはだかる」
くらいの方が、スマートに進んだ気がします。


世界観の問題
テレビ本編でもいえることですが、カブトは背景設定を煮詰めるのが甘いんですよね。
今回も、水の配給をしてるような世界感なのに、普通にビストロ・サルは営業してましたし。病院とかも、ごく普通に営業してましたし。
そんな風に、大量のワームと戦ってきた割には現代的な世界観のくせに、何故かネオゼクトが潜伏してるのは北斗の拳に出てきそうな場所という……。
その辺、もうちょっと統一して欲しかったな。


金銀胴について
3人のゲストライダーは、いまいちキャラを固めきれてませんでした。
特に、コーカサスは驚くほど影が薄かった。
上映時間そのものも従来のライダー映画に比べて短いのに、これだけ色々な登場人物がいたらキャラを固めきれないのは目に見えてはいましたが。
しかも、ケタロスはザビー(矢車)で、ヘラクスはサソード(神代)で代役可能なんですよね。
むしろ、性格を考えたらそっちの方がシックリくるくらいです。
映画版でゲストライダーを出して玩具を売りたいのは分かりますが、仮面ライダーを出すなら物語的な意味を持たせて欲しいものです。


仮面ライダードレイク 風間大介
今回、一番かわいそうだった人。
ネオトルーパーのマシンガンで倒されるって、マジでありえないよ……。
数合わせ以上の存在意義が無かった上にこの扱いでは、中の人にあんまりだと思う。
大体、北斗が裏切ってんなら変身する前に後ろから撃っちゃえばそれで事足りるでしょうに。
風間が死ぬシーンは、本気でスタッフに対して怒りを抱きました。


仮面ライダーザビー 矢車想
大和の部下。それ以上でも以下でもなし。
やっぱり、この人がケタロスの立ち位置に入るべきだったよなあ。
かませ犬とはいえ、同じライダーであるヘラクスと戦って散る事ができた分、ドレイクよりはマシだったと思う。


仮面ライダーケタロス 大和鉄騎
自分の噂をされてる最中に大気圏突入して燃え尽きるという、COOLなギャグを披露したライダー。
タイミングがタイミングなだけに、そういう意図じゃないのにギャグシーンとして機能していたのが印象深かったですね。
3人のゲストライダーの中では一番キャラが濃かったけど、それも大げさな演技で無理矢理それっぽく見せてただけという印象が強いかな。
実際、彼の人間性を示すエピソードなんて最初の土下座くらいのもんだし。
その土下座にしたって、普段の(おそらく)俺様的な大和のキャラを見せてないのであまり意味が無かったです。
「大和……ザクケタロスには大気圏を突破する性能はない、気の毒だが……。しかし、大和……! 無駄死にではないぞ!」


仮面ライダーヘラクス 織田秀成
圧倒的に優勢な相手がわざわざ土下座してまで戻ってきてくれと懇願してくれたのに、断るだけではなく土下座した相手を文字通り踏みにじっちゃうイタイ人。
ネオゼクトを組織した理由も単なる反抗心みたいだし、明らかにカルシウムが足りてないと思う。
接近戦が苦手なのか、ケタロスやザビーが懐に入り込んできた時にはかなり苦戦してましたね。
状況が手伝った事もあってザビーに勝利するも、続いて正座しながら現れた新たな変態に倒されちゃいました。南無。
最初から最後まで、単なるヤンキー以上の印象はありませんでしたね。
大和や黒崎にもいえるけど、せっかくのゲストライダーなんだから話の中心へ持っていってあげましょうよ。


仮面ライダーコーカサス 黒崎一誠
NGワード=百式、ターンエー。
K―1ファイターが演じるライダー。
出番が少ないせいで、猛烈に影が薄い。
もしかしたら擬態したワームかもしれないけど、特にそれを示唆するシーンもなかったし普通に人間だと思われます。
ハイパーゼクターを持っていた理由とかが不明のままなのは、何とかして欲しかったポイント。
天道がハイパーゼクターの事をどこで知ったのかとか、ちゃんと説明しましょうよ。
多分、ハイパーゼクターはカブト用の装備でコーカサスはケタロスやヘラクスのデータを元に、ある程度ハイパーゼクターの力を引き出せるように設計されたというのは想像できるけどね。
とにかく、影が薄かった。


仮面ライダーガタック 加賀美新
今回、加賀美はライダーとして戦闘する機会が少なかったせいか、それほど強い印象は無いですね。
むしろ、加賀美の見所はひよりとの恋愛でした。
まあ、それも大げさでクサイ台詞の連発というあまり誉められた代物ではなかったのですが。
しかし、
「俺と一生のバッテリーを組んでくれ」
というプロポーズには大いに笑わせてもらいました。そういや、加賀美は甲子園行ってるんだったよ。
笑いどころといえば、相変わらずビストロ・サルでバイトしてるシーンもですね。本当、よくリストラされないよな。
テレビ本編と違い、父親の正体を知らないとは考えづらいので、その辺何らかのドラマが欲しかったですね。
天道を助けるため、身をていしてコーカサスのライダーキックを受け止めたシーンは格好良かったです。


仮面ライダーカブト 天道総司
いきなり5人のライダーを翻弄したりとか、相変わらず空気を読めてない最強さが印象深かったですね。
テレビ本編と違ってライダーキックがささやきではなく叫び声になってたり、全体的に切羽詰まった感じだったのはパンフによると、劇場版とテレビ版とのバックグラウンドの違いを意識して演じ分けたんだそうです。
ラストで分かるとおり、ハイパークロックアップでの時間逆行を目的として行動しているわけなんだけど、どこでハイパーゼクターの能力を知ったのかとかはちゃんと明かして欲しかったかな。
ケタロスが燃え尽きてるのを尻目に、自分はカブトエクステンダーで悠々と大気圏突破を果たしている姿はまさに外道!


戦闘演出全般
ショボかった……orz
いや、本当にテレビ本編の方が迫力あるってどうよ?
あれだけがん首そろえて、どいつもこいつも全然必殺技を使いませんでしたし。
クロックアップ演出も、動くもののない宇宙空間とかテレビ本編でもやってた花吹雪とか、今ひとつ新鮮さが感じられませんでした。
せっかくの劇場版なんだから、もっとはりきって欲しかったです。
カブトエクステンダーはキャストオフしてたけど、ガタックエクステンダーは変形とかしませんでしたし。


仮面ライダーカブト ハイパーフォーム
恒例、夏の新フォーム。
ハイパーゼクターを装着し、カブトがハイパーキャストオフを行う事で変身する。
圧倒的な力をもって、全てを始まりへと導く存在。
ひよりが描いていた、妖精みたいな絵のモデルでもある。
クウガやブレイドと同じく、物語の根幹的な部分に関わってくるタイプの強化フォームですね。
カブトはベルトの左側にハイパーゼクターをくっつけてたから、きっとガタックはベルトの右側に自分用のハイパーゼクターを装着するのでしょう。
ライダーキックもフォームチェンジにともなって、飛び蹴り型へと進化していたけど、重力のない宇宙空間でジェット飛行しながら放ったせいでなんかモッサリした印象がありましたね。
その辺は、テレビ本編での活躍に期待でしょうか。
「ふざけるなっ! たかが石ころ一つガンダムカブトで押し出してやるっ! ハイパーフォームは伊達じゃない!」


ハイパーゼクター
今後、テレビ本編でキーアイテムとなる事が間違いない存在。
映画ラストで未来天道が過去天道にベルトを渡した時には外れてたんだけど、渋谷のどこかに転がっているんでしょうか?
いや、加賀美パパが放っておくわけもないから普通に回収されてるかな。
カブトのベルト同様に、未来天道がもたらした物と、これから作られるかすでに作られている物の2つが存在するはずなので、余った方をガタックが使う事になりそうですね。
ん? でもそれだとカブト虫型のハイパーゼクターでクワガタ型のライダーがパワーアップするのか。
それは微妙なんで、デザインはクワガタ型で物語的にも破綻のない道を何とか、と無理をいってみる。


ひより=天道妹説・確定
いやあ、こないだの感想(26話)で適当にいったら思いっきり当たっちゃった(苦笑)。
まあ、「妹に悪さするぞ」と脅されて樹花を護衛していない時点で、怪しさ爆発でしたしね。
これで、今までひよりの正体として有力だったひより=お婆ちゃん説が外れである事が分かったので、お婆ちゃんがどんな人物なのかも気になりますね。
劇場版では登場しませんでしたが、樹花は隕石落下時に家族を失ったところを発見され、天道家に引き取られたのでしょう。
7年前というと当時6歳なので、樹花は「自分が天道家の生まれではないと知っている」のか、「隕石落下時のショックで記憶に混乱をきたしている」のかが知りたいところです。


劇場版は例年通りアナザーワールド
こう書くと異論のある方もいるでしょうが、僕はアナザーワールド説を支持します。
まず、テレビ本編と劇場版との差異を書き出すと、

・天道とひよりが震災時に置かれた状況。この状況だと、ベルトを巻いた少年天道を瓦礫の中からひよりが見つめるという状態になるのはありえない。ついでに、この状況ならその後もべったりと一緒になって暮らし続けるはず。
・ひよりが所持していた両親の形見が、渋谷隕石の破片ではない。天道が所持していた渋谷隕石の破片も、ひよりと同じペンダントになっていた。

とまあ、大きいのはこの2つでしょうね。他にも、服装が違ったりとかしますが。
僕は、テレビ本編ではこんな流れだと思ってます。

1、絶望の未来を無かった事にするために、カブトがハイパークロックアップ。これは、映画と同じ。
2、被害が小さくなった過去へ舞い降りたカブトハイパーフォームをひよりが瓦礫の中から目撃し、事あるごとに描いてる羽の生えた妖精のような絵のモデルとなる。
3、カブト、瓦礫に埋もれて死亡している過去の自分を発見。ベルトを巻いて蘇生させる。ただし、映画と違って未来天道は消滅しなかった。
テレビ本編に登場した鎖に繋がれた男こそが、その後ZECTに捕らえられた未来天道なのである。大体、タイムパラドックスで天道が消滅するならベルトも消えるはず。
おそらく、ハイパーフォームに変身した者は異分子として過去の世界に残り続けるのでしょう。
映画版で天道だけ消えたのはほら、映画版を見た人を驚かせるためのミスリードと、話を綺麗に終わらせるためという事でひとつ。演出演出っ!
4、現在の天道が部分的に渋谷隕石事件の真相を知っていたり、第1話でワーム出現に備えていたのは未来天道がかいつまんでこれから起きる出来事を説明したからだと思われる。
5、加賀美パパの正体は、加賀美新その人。カブト同様にハイパークロックアップで過去の世界に降り立った。
年齢が違うのは……きっと、サバを読んでるんだよ。うん。
映画版の加賀美パパは、普通に加賀美新の父親だと思います。親子だから、老け方も似るに違いない。
あ、加賀美パパ=加賀美新だともうハイパーゼクターはカブトのと合わせて2つ存在するから、新しく開発する必要も無いね。
6、日下部夫妻の死にまつわる謎は……不明(笑)。
だって、情報少なすぎるんだもん。

こんな感じ。
推測でしかないですけどね。
どうでもいい話だけど、少年天道を演じてるのはパンフによると外国人の子役さんだそうです。


うん、感想はこんな感じかな。
色々と酷評も書いたけど、テレビ本編の謎を明かすだけではなく、さらなる疑問を呼び起こし、推理する楽しみを与えてくれたのは素晴らしいと思います。
ビバ! GOD SPEED LOVE!



はい、反転はここまで。
異論や反論のある方は、コメント欄にバンバン書き込んでやってください。
もう、僕もね。語り合いたくてしょうがないの。

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by ejison2005 | 2006-08-10 16:41