UBS打ち切りの原因を考える
 僕も嫌いではなかったし、そう思ってる読者は多分多い。
 でもでも、案の定というか打ち切りになってしまったUltra Battle Satellite。
 今回は、その打ち切りの原因についてちょろっと考えてみましょう。


 まずは独自要素を挙げよう

 本作において特徴というか独自性として挙げられるのは、

・常在戦場というUBSのルール
・それに付随する金的急所なんでもありのレギュレーション
・現代社会でバトルを通じて金を稼げる場の提供

 このようなところでありましょうか。

 独自性というのは大事で、それこそが作品の売りともなります。
 で、僕が思うにこの売りを売りとして機能させきれなかったのが大きな敗因なんじゃないかと。

 その辺、一つずつ考察していきましょうか。


 闘え陣! 街中がリングだ!

 まず、最初の独自要素。街中至る所でファイト開始可能という設定からですが、

 ……うん、無理あるよね。これ。

 まずそんな至る所に中継カメラがあるというのも不自然でつっこみ所となっていますし、一見して思えるほどにはワクワク感のない設定なんですよね。常在戦場って。
 本当にトイレへ入ってるときでも飯屋で食事中でもいつ何時でも仕掛けられるとリアリティなさすぎな上に、作品ジャンルが格闘からスタイリッシュ暗殺アクションへと変わってしまいます。

 作者もそれを危惧したのでしょう、小道具として特製のスマホを渡してそれで勝負成立させないと戦えないように制限を課したのですが、だったら「いついつどこの裏闘技場で立ち会いましょう」という形にしてもあんまり変わらないという。

 地形を利用するという戦い方もありますしレスラー戦はそれで勝ったのですが、ぴょんぴょん障害物を飛び跳ねてる奴などいい的でしかなく、パルクールしようにも逃げたら負け……というわけであまり有効利用できる設定ではありませんでした。

 結局、裏闘技場でマッチアップし観客が賭け合う方式の方がスムーズで読者も受け入れやすい……ということで機能させられたとは言い難いです。


 実戦方式レギュレーション

 作中では主に金的として実践されていたこのレギュレーションですが、これもう~んというところ。
 まず、根本的な問題として作中に金的描写が入るのは男子として嫌だよね。
 このキャラの金的描写ならOK、というわけでもなく生理的に基本見たくないものです。だって男の子だから。

 また、作者は相手を即戦闘不能に陥れるくらいの技として認識してる感じなんですけど、基本的には目つきも金的も場合によっては関節技も相手を再起不能にする殺し技なんですよね。
 それが原因で死ぬこともあるし、綺麗に入ったら格闘者として場合によって男として死ぬこともある。

 例えばバキの死刑囚編が同様のレギュレーション(?)だったのは基本的に相手が死んでもOKというバトルだったからなので、ルールで守られてるUBSとはそりの合わないレギュレーションなわけです。

 どうしてもやりたいなら、UBSを人の生きに死にへ金をかける帝愛みたいな組織とするべきだったかな。
 その場合、やっぱり裏闘技場的な隔離施設の方が説得力も増すという……。


 マネーを稼げるファイト

 病院屋上でのしょっぱい喧嘩で、アホみたいな額の金が集まる失笑物の描写はさておき。

 どうも、大金を稼げる喜びみたいなものがこの設定に対して描けていなかったというのがあると思います。
 もしくは、大金を稼がなければならない追い詰められた感覚でしょうか。主人公、莫大な借金を気にしてるのはほんの当初だけでその後は督促すらなかったからな……。

 この辺、さっき帝愛を話に出したので引き合いにも用いるけど、福本漫画はやはり秀逸ですよね。
 借金で追い詰められる感覚ならカイジがそうですし、大金を手にする充実感も金と銀で描かれている。

 翻してUBSでは、主人公の目的も「オラ強敵と戦ってワクワクしてえぞ」にシフトしちゃったし、戦闘力の格付けくらいにしか機能しなかったよなあ……。

 それに大金を賭けちゃうなら当然それだけ試合をよく見れる&快適に観戦できる環境が望ましいわけで、やはり裏闘技場の方が舞台としてはふさわしいという……。


 結論

 これ裏闘技場でよくね?

 ……という問いかけに、最後まで納得のいく結論がもらえなかった漫画であったと思います。
 借金関連の設定を物語開始に持ってきて、適当に睡眠薬入り試供品ジュースでも飲ませて主人公をぶち込んじまえば、何としてでも生きて裏闘技場から帰るという序盤のモチベ作成にも繋がるし。
 序盤に生還させてファイトマネー渡せば、金を稼げる喜びから再び舞い戻る主人公という話にも繋げられるしね。

 ま、そんなてきとーなたらればを置いておいても、既存からの脱却を目指して付加した独自要素がことごとく中途半端にしか機能しなかったのは痛かったですね。

 ルールも何も関係ない路上格闘をしたいのか?

 はたまた、名誉と金のかかった裏ファイトをやりたいのか?

 せめてどちらかを切り捨て、またどちらかに特化していればもう少し違ったんじゃないかな、と思います。

 まあ、どちらの場合でもジャンプ受けしなくね? と言われればそれまでですが新鉱脈の探索は常にすべきですしおすし。

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by ejison2005 | 2015-07-04 06:54 | 漫画 | Comments(4)
Commented by 無名 at 2015-07-08 00:39 x
うーん、やはり青年誌辺りの方が回しやすい題材だったんですかねえ‥‥何かウルトラレッド思い出してしまう。

主人公があまりクセの無いキャラだったかな、とは思いました。よく考えたらももっちとブタは名前覚えてたけど主人公の名前忘れてました。ももっちが完全に主人公食っちゃってるのも問題だったんですかね?

それはそうとブラクロのインフレ凄い。金色を雑魚とは言ったけど何も序盤からチートにせんでも‥‥いや、主人公チートって言われたらそれまでですが。
Commented by 都々目 at 2015-07-09 21:02 x
略称を「USB」とインプットしてしまい長いことずっと「USB」だと思い込んでました…(^^;

僕も結構好きな漫画だったんですけどね~。掲載順がズンドコ下がっていって、あーこりゃ…と、わかっちゃいてもやっぱなんか物悲しいもんです。絵柄にクセはありましたがももっちのパンツは嫌いじゃなかったぜ。別でやってる、あからさまなエロッチック描写のヤツよりはよっぽどいい。てか、確実にエロ方面を狙ってて水玉とか柄物とかプリント付きを見せびらかされても萎えるんだぜ って気にしてたのはソコかい!(ああ、そうだよパンツは大事だ/^^;)
Commented by ejison2005 at 2015-07-12 05:39
>>無名さん
僕もなんとなくウルトラレッド思い出してました。

リアルになりきれないリアル系格闘漫画だったからだろうか。

ブラクロは敵のファッション強敵感が素晴らしかったですね。何やらドラマも背負ってるらしいけど、その背景が一ミリも伝わらずパワーだけで倒されたぞい。

別にSEKKYOUしろとは思わないけどさあ。
Commented by ejison2005 at 2015-07-12 05:40
>>都々目さん
ウルトラサテライトバトル! 宇宙物じゃねーっすかw

あの絵柄でかわいい女の子を描けてたのは何気にすごいですよね。
変なギャルのデフォルメみたいなのは捨て、そこはもっと真摯に取り組んでもよかったと思う。