八男って、それはないでしょう! 感想
 作品ページ。

 ろくに更新もせず読みふけってたシリーズ第四弾。


 手放しでは褒められない

 まずこの作品、とてもじゃありませんが手放しで褒めることはできません。欠点だらけです。

 いちいち挙げていけばキリがなくなってしまうのですが、ぱっと思いつく限りでは、

・別に生家で「それはないでしょう!」と言うほどの扱いはうけてない
・さすがに貧弱すぎると感じられる語彙というか文章力
・ファンタジー世界の人間が「無双するなよ」と日本のゲーム由来の発言
・というか全登場人物の会話がどことなくオタっぽい
・「異世界なのに言語が日本語(文字も日本語)」に代表される、都合よすぎの世界観(猿の惑星オチは匂ってない)
・魔法と魔力が万能すぎて持たざるは人にあらず状態に近い
・ハワイの親父ばりに万能な商社時代の経験
・魔法の袋の口より圧倒的に大きいものをしまう絵が想像し難い
・ちょっとでいいから君が乗っ取る形となったオリジナルヴェル君について思いを馳せましょう
・「お待たせ! そこの畑で取ってきたよ!」と言わんばかりのヒロイン達(特に初期二人)

「(あとは()の使い方が明らかに間違ってて読みづらいよな……そもそも一人称小説で多用する意味がどこにあるんだか)しかしながら、それを覆す長所一点張りの作品でもありますね」


 貴族世界の描写が面白い

 この作品唯一の長所にして売りなわけなんですが、これがなかなか新鮮で面白いんですよね。

 主人公はある事件をきっかけにお手軽な栄達を果たすわけですが、その栄達ゆえに反強制状態で婚約させられたりとか、王国中枢部の肝入りである貴族を自爆せざるを得ないところまで遠まわしにいじめたりとか。

 なんというかチート能力で名を上げ、その上がった名が自動的に周囲(貴族社会)を巻き込んでいくシミュレーションを見てる感覚が面白いんですね。

 これはあくまでも僕の読書体験がそうだという話なんだけどこの作品みたいに、外への冒険ではなく内向きな貴族同士の人間関係や国内開発をメインとしたものを読んだことがないので、そこに食いついたんだと思う。

 欲を言うなら、領内開発について「魔法でどうにかしました」が多すぎるのでそこら辺をもっと専門的に解説したりする作品も読んでみたいかな、と思います。

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by ejison2005 | 2015-03-31 04:17 | ノベル