信長のシェフ 感想

信長のシェフ 1 (芳文社コミックス)

梶川 卓郎 / 芳文社


 野望を抱いたり、無双したり、BASARA人になったり、ロボットに乗ったり、ドラゴンになったり、果ては女体化したりと、どこぞの配管工かはたまたキティさんかという活躍ぶりの織田信長。今度は料理漫画だあっ!
 つっても、別に信長が調理するわけじゃないんだけどね。


 で、本作なんですが……すげえ、としか言いようがないですね。美味しんぼと一休さんとタイムスリップ要素を悪魔合体させてかつ、独自のものに仕上げてるのが本当にすげえ。面白いのはもちろんとして、ただただ、すげえ。

 いやね、最初あらすじ読んだ時はもうちょっと単純な漫画だと思ったんですよ。食材と調理法の限られる戦国時代に飛び込んだ現代シェフが、上手いこと現代調理技術をもちこんで武将とかを感嘆させていく話なんだろうな~と。

 どっこい、蓋を開けてみれば料理を通じてがっつり歴史的事件へと関わっていくというね。よくよく考えてみてほしいんだけど、「料理」と「歴史的事件へのタイムトラベラー介入」ですよ。普通に考えりゃこんなもん、組み合わせようとすら思いません。酢と油のごときミスマッチさです。
 それをマヨネーズへと仕立てあげているのが、(主に言葉足らずな信長様によって題出しされる)一休さん要素なわけですが、これによって戦国料理に「主人公はこの難題にどう応えるんだろう?」という推理する喜びまで加わっているわけですね。
 まさしく三者合一であり、この漫画でしか味わえない面白さを生み出していると思います。すごいオリジナリティだ。

 また、一休さん要素を加えたことにより登場人物がうめえうめえと飯を食うだけでなく、それによって心を動かされる(精神的成長を果たす)のも大きいですね。そこへいくと、この漫画の実態は「信長のシェフ」というより、「信長の一休さん」であるのかもしれない。


 で、現在8巻まで読み終わったところなんだけど、今後の展開として気になるのはまず「どの段階まで進めるのか」というところですね。
 ハイライト的に考えると、やっぱり物語の終着点となりそうなのは本能寺炎上なわけなんですが、そこまでやっちゃうと作中で十年くらい(多分)経過することになっちゃうんだよね。
 そうなると、第二部とかで一気に年数経過させたりしそうなものなんだけど、どうなるのか。


 もうひとつ気になるのが、ケンに歴史介入をさせるのかどうか。現在までの行動はちょっと武田信玄が怪しくなってきているものの、おおむね歴史上の流れに沿ったものじゃないですか。
 それをケンが積極的に変えようとするのか……ぶっちゃけていうとエスケープ・オブ・本能寺を図ろうとするのかどうかが、やっぱり気になっちゃうなあ。
 ついでに述べると、「お前が介入したからお前が知ってる歴史の流れになったんだよ」ルートなのか、「ちょっとだけ歴史の流れを変えるためにお前が来たんだよ」ルートなのかも気になる。


 うん、すごく上質で先が気になる漫画だ。とりあえず、作中で登場した料理では茶々様に出したお子様ランチがエピソード共々に好きです。あれは問答無用の説得力があったよな。あと、市様かわいい。

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by ejison2005 | 2014-04-04 20:13 | 漫画