ダイ・ハード 感想
f0029827_184072.jpg

「今日はなんの日~?」

ダイ・ハード [DVD]

20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント


 ダイ・ハードを見る日だよ。いいね? (戒め)

 というわけで、クリスマスは艦これのイベントをこなしつつ何気に見たことのなかったダイ・ハードを見てました。これ、毎年テレビでやってて「今年こそ見よう」「来年こそ見よう」となってたんだよね。で、今度こそスタンバっておこうと思ってたらカーズが流れていたという。結局レンタルしました。

 で、感想としては不朽の名作と呼ばれるだけはあるな~という感じ。何がすごいって、悪役の魅力が素晴らしいのですよ。この作品は。

 いわゆる、B級映画というのは基本的に超人の主人公にスポットを当てた話作りがされます(偏見)。セガールなんかが分かりやすい例ですね。
 しかし、本作の主人公であるブルース・ウィリスはベテランの刑事でこそあるものの、あくまでそれ止まり。一人で孤島に乗り込み、大惨事世界大戦を引き起こすほどの超人的能力は持っていません。ヒーロー役としては、かなり地に足のついた設定です。

 どっこい、悪役はそれ以上の地に足の付きっぷりであった。本作はそこをねっとりたっぷりと描写している。むしろ本当の主人公はスネイプ先生率いるテロリスト(本当は強盗団)一派であるといえるでしょう。


 まず、本作最初の見せ場はスネイプ先生率いる犯人グループによるビル占拠です。そのスマートな手口はなかなかのリアリティを感じさせるものとなっており、そのものが映像的な見せ場であると同時に、「周到に計画を練った少数精鋭グループ」という彼らの組織構造を強く印象付けてくれます。

 そして、そこで彼らの春は終了します。だって、せっかく占拠したビルの中にブルース・ウィリスがいたのだから。

 あとはもう、彼らのうろたえ慌てる様こそが本作の見どころであるといえるでしょう。何せ、少数精鋭であるからちょっと哨戒に出てきた部下が殺され、サブマシンガンを奪われただけで「はわわわ、サブマシンガン取られちゃいました」と大変なびびりようです。
 でかいビルとはいえ、密閉空間に少数で乗り込んできちゃった以上、サブマシンガン一丁取られただけでも大変な脅威なのです。ブルース・ウィリスはちょっと強めの普通人として描かれてますが、彼らも彼らで用意周到計画周到なだけの普通人なのですね。

 しかも、調子に乗ったブルース・ウィリスは奪った無線機で警察を呼び、紆余曲折の末にビルを警察に包囲させることへ成功します。
 犯人グループはさらに追い詰められました。だって少数精鋭なので、マジになって警察が突入してきたら一巻の終わりなのです。一応、対戦車ミサイルは用意していますが、こんなもん何発も撃てるもんではありません。

 スネイプ先生はがんばって思想的テロリストを装いつつ、警察相手に時間を稼ぎます。どっこい、ここでまた邪魔をするのがブルース・ウィリス。虎の子の対戦車ミサイルをC4でビルごと吹っ飛ばしたのを皮切りに、やりたい放題のしたい放題です。もう許してやれよ。

 どっこい、ここで転機が訪れます。ちゃんとトイレに行かせてあげたりなどの紳士的振る舞いが功を奏したのか、馬鹿な人質がブルース・ウィリスの正体(そう、何者が暴れまわってるのかすらスネイプ先生たちは把握してなかったのです)を明かし、それがきっかけでブルース最愛の妻が人質に混ざってたことへ気づくのです。
 がんばれ先生! 負けるな先生! ハリウッドスターなんかやっつけろ!

 結論、駄目でした。

 敗因としては、そこに至るまでであまりにも部下が死にすぎていたのです。戦闘要員として数えられるのが二人。うち一名はタイマンでブルース・ウィリスに敗北して首吊り状態となり、残る一人は自分と仲良く人質の奥さん片手に高笑いの構図。あ、こりゃ駄目だわ。

 案の定、ふっつーに負けて犯人グループは全滅するのでありました。ちゃん、ちゃん。


 それにしても、スネイプ先生は本作における真の主人公であり、ヒロインでありましたね。彼の思考ルーチンを順に列挙すると、


「ジャパニーズ企業のビルを制圧です! スリザリンの本気を見るのです!」

「はわわわ、サブマシンガン取られちゃいました」

「はわ、はわ、警察に包囲されちゃいました」

「しかも、金庫を破るのに必要な部品を取られちゃいました」

「あわわわわわててはいけけけけけません。ちょっと早いけど警察の方は計画通りなのです」

「対戦車ミサイルなのです!」

「はわわわ、奪われたC4で切り札のミサイル破壊されちゃいました。というか部下が半分くらい死んじゃいました」

「はわ、はわわ、こうなると金庫破りの装置も心配なので様子を見てくるのです」

「はわわわわわわわわわわ、思いっきり待ち伏せされちゃいました」

「ふう、なんとかうまくだましてやったのです」

「はわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ、だませてませんでした。というか私がだまされちゃってました」

「なんとかきりぬけました。なんだかんだで部品も人質も手に入れたしもう安心なのです」

「はわわわわわ、遠慮なく暴れられてます。よく考えたら、殺したら意味がないので人質をどうこうするわけにもいかないのです」

「こうなったら、ダブル烈風拳とか使う人に影響を与えるような死にざまを見せてやるのです!」


 こんな感じです。なんだこの萌えキャラ。


 ちなみに、犯人グループの目的が金だったというのも、そりゃそうだよねという感じでとてもよろしかったです。
 ただそれだけならテンプレ悪党ですが、彼らは一生懸命に思想的テロリストを装いながら秘密裏に事を進めてましたからね。たかが金、されど金。ここまで人事を尽くして求めるのならば、むしろ天晴れというものです。


 そんなわけで、基本的なスタイルはB級映画のお約束を踏襲しつつも、悪役中心に描いて見せるだけでここまで違うものになるのか……という映画であったと思います。本当、(悪役にとって)大ハードな作品であったことよ。

[PR]
by ejison2005 | 2013-12-28 18:47 | 映画 | Comments(0)