ROOT DOUBLE プレイ記 9(完)

ルートダブル Before Crime After Days(限定版)

ヴューズ


 ガンガンオンラインでの漫画版が面白かったのでつい買っちゃったんだミ☆

 どういうゲームか知りたい人は、公式のこのページをご参考に。

 もちろん、ネタバレありなのでご注意を。




 グランドエンディング到達

 いやー、かったるかった(´・ω・`)

 最後の最後で、夏彦と渡瀬が今更感溢れる問答を繰り広げたこと以外、本当に波乱もへったくれもなく終わっちゃったからなあ。振り返ってみると、ルートAが最高到達点のゲームであった。
 ルートAで最高に盛り上がって、ルートBでダレはじめて、CはまあつなぎとしてDでダラーッと続いてく感じ。プレイすればするほどに、先へ進める意欲が落ちていってしまった。

 そんなわけで、プレイ記最終回である今回は、ちょっとそこら辺の不満点をあらいざらいぶちまけておきたい。


 性善説をうたうシナリオとセンシズシステムがミスマッチ

 まず、本作最大の特徴であるセンシズ・シンパシィ・システム(以下SSS)の利点は、登場人物のうち誰を信じて誰を疑うか、プレイヤーが選べるということにあります。

 ひらたくいうならば、犯人当てを面白くするシステムであるわけですね。

 どっこい、このゲームは登場人物の中に実行犯などは存在するものの、本当に極悪人と呼べる者は存在せず、みんなで協力し合うことが大切なんだよ、というオチにしてしまった。オチに用いるだけならばまだしも、ルートBのかなり早い段階からそれを示唆してしまった。これがよくない。

 そうなってしまうと、もう誰を疑うも疑わないもないわけで、基本的にSSSの割り振りは最大値を求める形に。せっかくの独自システムも、これでは魅力半減です。

 情報量が足りず、疑わしい人物が多く、疑わしくなかったはずの人物も暴走を始めるルートAではベストマッチだったんですけどね~。このゲームの最高到達点がルートAで終わってしまった大きな一因であると思う。

 せめて、終盤辺りまで徹底的に周りを疑いまくった挙句、調査活動の末に真相判明して「全員で協力しなければならないんだ!」となるのならば話は違ったのですが……上述の通り、早い段階から周囲を信頼することを求められるわけでして。


 探偵役の仕事は推理することであって説明してもらうことではありません

 大いなる不満点であり、ルートDがダルダルになった一因。

 ぶっちゃけてしまうと、施設の真相を知る悠里との合流が早すぎ、渡瀬の記憶を戻すのも早すぎるのですよね。

 この二つをルートD序盤に持ってきてしまった結果、事件の全貌があっさりと解き明かされてしまい、その後は他のキャラと合流してはRAMで長々と回想を見せられていく流れとなり、プレイするのがとんでもなくかったるくなってしまった。

 また、もうひとつの弊害として、探偵役が悠里と渡瀬(の脳味噌)から事件の全貌を洗いざらい語ってもらう形となっているため、謎解きのカタルシスもへったくれもないというのが……。

 いうなれば、金田一やコナン君が推理せずに全ての真相を知る人物から「これこれこういうことなんですよ」と教えてもらうようなもので、これはサスペンスとしちゃどうなのかという。

 ここはその手のゲームの基本的手法に則って、主人公が施設内のあちこちで証拠物件や資料を発見していき、徐々に徐々に真相へ迫っていってほしかったなあ。赤ペン悠里先生に真相を教えてもらうにしても、それは最終盤にしてほしかった。

 その点、これもルートAにおける記憶喪失渡瀬はいい感じだったんですけどね。エンジンルームのパネルやPCに残された研究資料などから、少しづつ情報を収集していった。惜しむらくは、それを基に推理をする前に夏彦からマインドクラッシュ記憶修復を受けてしまったことか。


 ましろとサリュの存在意義を問うADV

 寝てただけで事件解決には全く貢献しなかったましろ……。
 アクティブではあるものの事態をややこしくする方向にしか行動しなかったサリュ……。

 ヒロイン役も悠里に奪われ、果たしてこの子達に存在意義はあったのかどうか……。

 ああ、アリスは活躍したね……うん……。

 何せ、ゲームの最終目的が「全員揃っての脱出」であり、特にルートDは全員で一致団結して脱出! というところに重きを置いているため、それに貢献しなかったり、足を引っ張る形で行動したりするキャラは自然と印象悪くなるよね、という。

 サリュに隠されてた出生の秘密は意外っちゃ意外だったけど、別にあの状況で取るべき行動が変化するものでもないしなあ。一応、夏彦による「全部Qの仕業だったんだよ!」説を補強する助けにはなってたけど、あの段階でのシュプレヒコールは別にアンリ個人を叩く(暴走させる)目的で行われてたわけではないですし。団地爆破は言い逃れのしようもないけど、あのデモまでさかのぼってQの仕業にするのは筋違いだと思うよ。

 まあ、そもそも人種差別的デモをするべきではないといわれればそりゃそうですが。


 というか夏彦が好きになれない

 う~ん、なんなんだろうなあ。この子のこと最後まで好きになれなかった。

 主たる原因としては、渡瀬を駒扱いしたりとか、直前で感動的な別れをしたはずの悠里のショッキング死亡シーンを演出したりという「お前本当に悠里のこと好きなのか?」とつっこみたくなる行いなんかが大きいかもしれない。

 あとは、なんかしらないけど言動がうざく感じられたなあ。これもまた、渡瀬に対する態度の悪さが原因なんじゃなかろうか。そりゃあ、体に風穴を空けられた♂男に対して心証を良くするのは難しいでしょうが、君はそうなった原因も知ってるのだしもう少しなんとかならんのかといいたい。

 そもそも、強力なBC能力を保持する夏彦は本作の主人公に相応しいのか? という疑問も存在する。
 別に異能力を習得している主人公なんざ古今東西山ほど存在するわけだけども、本作においては、「能力者と非能力者の共存」というのも重要なファクターとして存在するのですよね。
 で、あるならば、主人公的役割を果たすのは非能力者の方が適切ではなかったのだろうか。少なくとも、感情移入は格段にしやすいと思う。
 例としては、絶対可憐チルドレンの読み切り版やプロット版における皆本さんはかなり強力な能力者であったり、元高レベルエスパーでありました(その設定は少佐やアンディに受け継がれてる)。
 それが正式な連載にあたって純粋な非能力者とされたのは、伊達や酔狂ではないのです。

 また、これは「探偵役の仕事は推理することであって説明してもらうことではありません」の項目にも関わってくることだけど、彼のBC能力が万能かつお手軽すぎて、推理する楽しみなどを根こそぎ奪ってしまったのは痛いところ。逆転裁判におけるサイコロックがいかによくできたシステムであるかを、再確認する形となってしまった。
 まあ、これに関しちゃ彼に罪はありませんが。


 僕が求めていたモノ

 結局のところ、僕が求めていたものとしては、


・記憶喪失の渡瀬を探偵役とし全編の主人公とする

・個別ルートを用意し、各キャラの背景はそこで明かす

・その際、悠里は最終ルート(グランドルート)のヒロインとし、他ルートをクリアすることでアンロックさせる

・だからましろの代わりに悠里が寝ていようw 記憶喪失前の渡瀬達でも手を出せないところに幽閉されていて、渡瀬達の前にいるのはセンシズで見せた幻というオチでもよい(夏彦ルートオチとの統合)

・夏彦は削除。よってましろも削除。渡瀬の記憶は最終ルートで悠里に戻させればよい。サリュは状況を引っかき回す役だし、本編みたいにギスギスしたままにせず、和解する形の個別ルートを作ればいいかもしれない

・SSSを活かすため、最終ルート以外では必ず何名かの死人が出ることにする。宇喜多さんは大体死ぬんじゃないだろうかw

・Nちゃんの悪意に関しては、個別ルートの対象ヒロインは愛の奇跡とかでどうにかするとして(本編でも洵ちゃんはそれに近いイベントがあった)、最終ルートでは悠里が削除すればよい。個別ルートで各々の背景を語っておけば、長々と過去回想を見る必要もなくなる


 このような形だったのでしょうか。

 結局のところ、ルートAが一番面白かったのだから、それを基に全編構成していてほしかったんですよね。Ever……? 17……? う……なんだ頭が……。

 今、気づいたけど、ルートDにおける夏彦の立ち回りって大体が悠里でも代用可能(というか設定上悠里のが習熟してる)なんですよね。これも夏彦への反感理由に付け加えたい。

 ただ、これだと「BCが一般に認知されてる社会」の描写がスッポリと抜けてしまうので、その辺は留意か。


 総評

 不満点ばかり書いたけど、良かった点としては「管理官二名&堂島の死に様が不審すぎる(特に堂島)」という点を除けば、謎も伏線も全て回収され、破綻が存在しないというのが挙げられます。
 ただまあ、その「謎と伏線の回収」をRAMシステムという名の回想&視点変えただけの同シーン地獄に置き換えた結果、不満点も生まれてしまっているのだけどね。

 「管理官二名&堂島の死に様」については、本当に謎だなあ。TIPSの内容通りだと、あんな蜂の巣状態になりながらも堂島を壊れた人形みたいにぶち殺せるほど管理官達が強かったということなのだろうか。これはちょっとCGがんばりすぎな気がする。

 そんなわけで、序盤にあたるルートAは本当に神といってよいくらい引きずり込まれたけど、それ以降の失速感が半端なかったゲームであったと思います。個人的には、ガッカリゲーとして位置づけたい。

 ひたすらテキストを読む作業が続いたし、次辺りはもうちょっと能動的に遊べるゲームがしたいな。スパロボでもいいけども。

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by ejison2005 | 2013-08-14 16:59 | ゲーム | Comments(0)