仮面ライダーウィザードに学ぶあるべき怪人の姿
 さて、仮面ライダーウィザードにおいて誰もが思う「お前ら、毎度毎度死の恐怖で絶望って他に何かないのかよ?」問題ですが、逆説的に考えるなら、怪人ってのは死の恐怖を与えられて当たり前。その上で、何らかの付加価値を持ってこそ一人前ってことなんですね。

 ……なんだか、就職活動に勤しむ大学生か、はたまたキャリアアップを図って職業訓練を受ける社会人について語るような文面になってしまい、仕切り直し一発目の冒頭部からテンションが下がってしまいますが、まあ、世の中どの業界においても求められる人物像なんてのは似通っているということでしょう。

 でまあ、この「怪人の個性化」は物語的にも重要で、簡単にいえばお話へ「色」をつけることができます。ただランダムエンカウントモンスターが人を襲い、ヒーローがそれを助けるという筋書きではドラマが発生しません。ただのモンスターではなく、「ダムに毒を流し込もうとする怪人」「幼稚園のバスをハイジャックした怪人」となって、初めてドラマを生み出すことができるのです。

 というわけで、ファントムの話に戻ってくるわけですが、要するに彼らって付加価値が足りないんですよね。皆さん、ファンタジー的なアレコレをモチーフとしており、デザインなどもなかなかに凝っているのですが、自身の持ちネタに由来する特殊能力を戦闘時はともかく、それ以外のところで滅多に使わない。
 その結果として表出しているのが「お前ら、毎度毎度死の恐怖で絶望って他に何かないのかよ?」問題なわけでして、結論を述べるなら、

 怪人の特殊能力とは、戦闘面よりむしろドラマ面で発揮されるものでなければならない

 のです。

 例として、キョウリュウジャーの怪人は毎度特殊能力で人間社会に何らかの被害を及ぼし、それに主人公達が対処する形でドラマを展開します。仮面ライダーオーズに関しては、ヤミーが被害者の欲望を成就するため特殊能力を駆使し、主人公達がその対処に奔走する形となっていました。

 ただの戦闘販促要員ではなく、ドラマ面でも主人公達を導くストーリーテラー……それこそが今の怪人社会に求められている人材ということですね。


 余談ですが、なんでファントムがそんな状態になってるかの原因はというと、

 ゲートの絶望ポイントを知らない

 というのが挙げられます。

 ファントム側にはゲートの心情や出自を知る特殊能力が存在しないため、主人公は当然としてファントム側までゲートのそれを探る作劇になってしまっています。
 ファントム側のそういった動きは、「ライダーがゲートの絶望を阻止する→怪人撃破」という流れに「ファントムはどうやってゲートを絶望させるか考える」というさして面白くもない工程を加えて尺がもったいないですので、何らかの特殊能力を与えてそれを省略し、「ファントムがゲートを絶望させるための事件を起こす→ライダーがゲートの絶望を阻止する→怪人撃破」という流れにした方がよかったでしょう。

 例としては、

 メデューサさんがリリカルマジカルパワーでゲートの絶望ポイントを調べた結果、家事一切を解決する能力持ちファントム「ブラウニー」を派遣。彼は働き者の主婦から仕事を奪い、生き甲斐を無くさせる。

 みたいな感じ。


 あと、考えられる原因としては組織の首魁がニー(ry

 あの人、名前がワイズマン(賢き者)なんだから、まさにゲートの絶望ポイントを知る能力者であるべきだったんじゃ……。

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by ejison2005 | 2013-07-10 21:12 | アニメ | Comments(10)
Commented by 白桜 at 2013-07-11 10:48 x
確かにウィザードの怪人はイマイチというか
幹部が3人しかいなくて、一人は中盤に退場というのもありますし、特別主人公と因縁ある訳でもないという

何というか物語があまり進んでいる感じがしない作品っていうのが印象的です
ここ数話で急に進みだしてきましたが、それでも薄く感じますし

そういえば、龍騎も怪人がエンカウントモンスターになっていたので、
それを反省して怪人視点に目を向けた555が生まれたようですね
……その反省点をウィザードでも生かしてくれていれば……

こうして見ると前作のフォーゼはよくできていたんだなと感じました
Commented by ito at 2013-07-13 14:48 x
確かにファントムの能力は基本戦闘方法になってますもんね
能力でなくともメデューサさんがゲートに張り付いて
「ゲートをしばらく観察したが、絶望させるにはお前の能力が一番向いている、行け!」
みたいなことをやってくれれば個性的なアプローチになるんでしょうけど

ただ、死への恐怖~に個性が出せないわけではないと思うんですけどね
戦闘で発揮できるんだから追い詰めるときにも発揮できるはず
多分、人間相手にやる必要がないとか思ってるから武器を振り上げるアクションしかしてないだけで
Commented by 西 at 2013-07-16 18:44 x
怪人の特殊能力がドラマを生んでいたというと、やっぱりWですね。
怪人の特殊能力(メモリの正体)を解き明かすのを主題において調査・対策・勝利の構成は非常によいものでした。

特殊能力がドラマと関わると、記憶に残るっていうのもありますよね。
幹部級ならまだしも通常怪人って名前聞いても誰だっけ?ってのが多いけど、Wのは名前=特殊能力なのですぐに思い出せるし、怪人が思いだせれば展開もつぶさに思いだせる。

ライアー→嘘→酢昆布!
マネー→金→カジノ→俺自身がJOKERだからな!
オールド→老人→お前の罪を数えるんじゃぁ

うん、懐かしい。そしていろいろ覚えてる。
Commented by ejison2005 at 2013-07-17 19:10
>>白桜さん
進んだと思ったら来週はいつものゲスト回みたいな感じですもんね。全体的な構成で見て、引っ張り技術があまりにも拙く思えてしまう。
フォーゼ並みにボトルショーの面白さが突出しているならともかく、そういうわけでもないしなあ。

>龍騎
ああ、あれはまあそのものモンスターだしw
それに、定期的に登場するライダーを巡ってのバトルロワイヤルが本筋でしたしね。別に引っ張り損ねてるわけじゃないってのが、ウィザードとの違いでしょうか。

>こうして見ると前作のフォーゼはよくできていたんだなと感じました
終盤、ちょっと評価下げたけど全体としてとてもとてもよくできてたよね。非常に面白かった。
Commented by ejison2005 at 2013-07-17 19:12
>>itoさん
>メデューサさんがゲートに張り付いて
それはなんかビジュアル的にアレなので、ウィザード側みたく小型蛇の使い魔で監視するとかしてもよかったかもね。

>人間相手にやる必要がないとか思ってるから武器を振り上げるアクションしかしてないだけで
やってもいいけど、なんか大道芸人が持ち芸を披露してる構図みたくなりそうな気もするw
Commented by ejison2005 at 2013-07-17 19:14
>>西さん
Wは本当によくできてましたよね。戦闘面・ドラマ面両方において怪人の能力が非常にうまく機能していた。
キョウリュウジャーもコメディ型ではあるけど、スタンスとしてはそういう形だし、三条先生の、これは得意技なんだろうな。

>うん、懐かしい。そしていろいろ覚えてる。
透明化のねーちゃんとか、Vシネに脈絡なく出ててもぱっと思い出せましたもんね。やはりドラマで能力を機能させるのは重要だ。
Commented by タラコフスキー at 2013-07-20 11:40 x
しかしそろそろラストの放送月だというのに、白い魔法使い関係以外平常運転というのは如何なものか。最終局面って感じが全然しなくて不安になります。
Commented by ejison2005 at 2013-07-26 21:02
>>タラコスフキーさん
なんかスケジュールによると10月くらいまでやるらしいね。露骨に引き延ばされてると思う。
Commented by タラコフスキー at 2013-07-28 09:13 x
確かに調べたら9月末に終了になってましたね。新ライダーの情報が遅かったのもこのためだったのか。そういえば新ライダーの脚本家についてどう思われます?
Commented by ejison2005 at 2013-08-01 19:21
>>タラコスフキーさん
まさかのwwwとしか言えねえwwwうぇwwwうぇwww

まどかはギミック重視の作風で、サイコパスとガルガンは特殊な社会感をテーマにしていたわけだけど、果たして特撮でどうなるか、ですね。