俺の妹がこんなに可愛いわけがない 12巻(最終巻) 感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (12) (電撃文庫)

伏見つかさ / アスキー・メディアワークス


 読んだよー。せっかくなので感想を。ネタバレあり。





 さて、このシリーズは知っての通り、物語の展開を読者投票に委ねたり、TV版とネット配信版で違うルートを放送したり、二期アニメも結末はネット配信だったり、その他種々様々なメディアミックスをしていたり、と、なかなかどうして商売人根性に満ち溢れた作品だったわけですが、その結末は予想以上に誠実な代物であったと思います。

 何に対してか、と問われればそれはもちろんテーマに対して、誠実でしたね。少なくとも、僕はそう感じました。

 だってこれ、全滅エンドだもん。登場人物が(あるいは読者も)誰も得しないもん。

 それでもこういう結末にしたのは、そもそもこの作品のスタートが「中学生妹のエロゲプレイをどう父親に認めさせるか? → 無理でした誤魔化しました」という「世間様には勝てなかったよ……END」であるのに象徴されてるかもしれません。

 あれですね。状況は全然違うけど、答えは一番最初に提示されていて紆余曲折の末、そこに回帰したという感じ。作中でも高坂さんが「本当のラスボスは世間様」という感じの独白をしていましたが、この作品はどこまでも、ちょっと特殊な兄妹が、世間様というものに折り合いをつけて少しでも幸せになろうと努力するお話だったのだろうと思います。

 今巻において、高坂さんが他ヒロイン達の告白を真っ向から断っていったのも、本作のテーマを上述のものとして考えるのならば、当然であるのかもしれませんね。高坂さんは妹の幸せを第一に行動しますが、それと同じくらい世間様に対しても誠実な男です。世間様に対して誠実な彼は、「普通の恋愛対象という名の世間様」を代表する腹パン様麻奈実達に対しても、精一杯誠実な対応をしたのでしょう。

 まあ、だからといってもちろん親父にカミングアウトしたりはしていないわけですけども、それすらも「父親にそんなこと言ったらどうなるか?」という世間様の常識に対して誠実な結果であるといえるんじゃないかな。

 そんなわけで、結末には大満足。一番味わい深い形へ収まったといえるかもしれない。


 ただひとつ気になるのが、高坂さんって桐乃のことそんなに好きだったのかなあ? という点。

 いや、僕は基本的に読み返すということをしないからアレなんだけど、11巻までの印象では「ツンデレ気味に妹を大事にしている」くらいのものであって、ガチで恋愛として好きとは全く感じなかったもので。
 まあでも、そこまで違和感を覚えなかったからそう言われても納得できるくらいの印象付けはされてたってことなんだろうな。

 あ、ちなみにカップリングとして推しなのは普通に高坂さん腹パンという組み合わせ。色々と好みの属性が細分化されてる僕だけど、折に触れて書いてる通り、幼馴染……てか「つれ」という関係性はかなり好きなんだ。たまには幼馴染をフィーチャーした作品が出てもいいんじゃないだろうか。

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by ejison2005 | 2013-06-20 23:03 | ノベル