機動戦士ガンダムAGEの販促における失敗点を考える
 ども、風邪で寝てました(挨拶)。

 朦朧とした頭で読んでたからまったく楽しめてないし、出鼻をくじかれた感が強いので、今週はジャンプ感想をお休みし、頭の体操がてら、ちょっと別のことを書いてみましょう。

 お題は、「機動戦士ガンダムAGEにおける販促について」。


 まあ、僕も全国の模型店を津々浦々と旅してまわってるわけじゃないんで、実際のところどうかは知ったこっちゃないんですが、少なくとも、テレビ本編を見る限りだと、販促に失敗しちゃってるな~と思います。模型店に投げ売りすることを強いるアニメになっちゃったか~と。
 そんなわけで、失敗しちゃった原因と思われる部分を箇条書きで書いていこうと思います。

 なお、販促に成功したモデルケースとしては、「仮面ライダーW」「仮面ライダーオーズ」「仮面ライダーフォーゼ」「海賊戦隊ゴーカイジャー」を想定。


 年間戦略商品のラインナップが貧弱

 さて、ここで言う年間戦略商品とは、通年で売り続けていくアイテムのことで、モデルケースに選んだ作品だと、「ガイアメモリ」「コアメダル」「アストロスイッチ」「レンジャーキー」が該当します。ちなみに、適当にこの場で作った言葉なんで、業界でどのように呼んでるかは知ったこっちゃないです。

 さて、AGEの場合だと年間戦略商品に該当するのはもちろん、ノリノリで専用筺体まで作ってしまったゲイジングビルダーシリーズになるわけですが、モデルケースの作品群が誇るアイテムと比べて、このゲイジングビルダーシリーズには致命的な弱点があります。

 それはもちろん、ラインナップが貧弱すぎるということ。

 モデルケースの場合、共通して年間戦略商品にコレクターズアイテムとしての側面を持たせているため、いずれもラインナップが半端じゃありません。フォーゼに至っては、数が多すぎるため今のところ日常パートのコントでしか使ってないスイッチも存在する程です。
 それらと加えて、ゲイジングビルダーシリーズのラインナップはいかがなものでしょうか。今のところ販売してるのはGエグゼス、スパロー、タイタス、AGE-1ノーマル、ジェノアス、ガフランだけで、片手の指プラス一本で事たりてしまう有様です。しかも、値段設定が高いため、主なターゲットである小中学生がおいそれと手を出せないという。

 メインターゲットである幼年層……に、親が気軽に買い与えられる値段設定をし、ラインナップを充実させて収集欲を煽って見せたモデルケース作品に比べ、もうこの時点でズッコケてしまっているのは火を見るより明らかです。


 その上、本編で全然使わない

 とはいえ、安い=売れるというわけでもありません。現に、どんなクソセレブ共が買い漁ってるのかは知りませんが、銀座の百貨店では高級品の売り上げが伸びていると日経新聞でもたまに報じています。

 その商品に対する欲求さえ高まれば、どれだけ高かろうが売れる余地はあるわけです。

 さて、その購買者に対して欲求を高めさせる役割を担うPR番組であるところのアニメ本編において、ゲイジングシステムはどのような活躍を見せたのでしょうか。

 今週放送の第七話「進化するガンダム」において、ようやくタイタスへと換装を果たしたのです(※)。換装シーン自体はカットされたし、戦闘シーンは来週に持ち越しだがな!

 ……さて、皆さん。モデルケースに選んだ作品群の第一話において、どのような戦闘シーンが描かれたかを思い出して下さい。
 いずれの作品においても、ファーストエピソードから年間戦略商品を使用し、勝利に貢献させているのがお分かり頂けるでしょうか。しかも、オーズを除けば初っ端から複数種のアイテムを駆使しています。

 当然といえば当然の話ですね。だって、これらの番組は商品を売るために作ってるわけですから。最も視聴者数の多くなるであろう第一話で、「こういうアイテムを使いますよ」「ほら、格好良いでしょう? お求めは全国の小売店でお願いします」とアピールするのは当たり前であるわけです。

 言ってしまえば、AGEの現状は通販番組なのに七週間も商品紹介と大して関係の無いコントを垂れ流してしまったも同然なわけです。


 結果、ガンダムが弱くなり戦闘シチュも単調なものに

 そういった失敗が重なり合い、この番組はガンダムが非常に弱々しい印象を与える形になってしまいました。そりゃそうです。商品の売りである以上、ゲイジングシステムこそがガンダムをガンダムとして成立させる強さを与える要素であるのだから。タトバコンボしかできないオーズなど、ヤミーにさえボコられてしまう定めなのです。

 また、頑なにゲイジングシステムを封印した結果として、戦闘シーンといえば遠くからピシュンピシュンとビームを飛ばすばかりの単調極まりないものにもなってしまいました。まあ、これに関しては初代だって似たような装備で色々と頑張ってたわけで、やりようもあった気はしますが。

 ともかく、ゲイジングシステムを有効にシナリオへ組み込んでいれば、損壊した片腕の代わりに撃墜したガフランの腕をその場でガンダムに接続、ガンダムの修理が間に合わないから四肢の一部をジェノアスで代用、スパローの四肢をくっつけたジェノアスで出撃したラーガンが少し善戦した後に撃墜されるなど、様々な戦闘シチュエーションを提供することも可能だったわけで、二ヶ月近くに渡る謎のゲイジング縛りは、ロボット描写において本来この作品が発揮しえたポテンシャルを奪い去るに十分だったと言えるでしょう。


 まとめ

 そんなわけで総括してしまうと、この作品はもっとゲイジングシステムを前面に推し出したシナリオ作り&戦闘シーン作りを行うべきだったのではないでしょうか。
 もしかしたら、日野さんが真に売りたいのはゲイジングビルダーシリーズやプラモではなく、PSPで発売予定のゲームの方かもしれませんが、ゲームにおける戦闘の売りも結局、ゲイジングシステムになるのだろうから結論は同じです。

 更に付け加えるなら、ゲイジングビルダーシリーズはもっと安価で大量の種類が用意された商品にするべきだった。その上で、この番組に登場するMSで縛らず、ライダー勢にならって過去作の主役級MSをラインナップに加えたりすれば、かつてのガンダムファンに対するアピールにも繋がったことでしょう。

 様々な問題点が指摘されている本作ですが、「ゲイジングシステムが本編でまったく推されていない」というのは、作劇面においても、販促面においても、重要なポイントとなるのではないでしょうか。



 ※正確には第二話でドッズライフルを作ってたけど、ドッズライフルって別にバラ売りされてるわけじゃないのよね。

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by ejison2005 | 2011-11-24 04:28 | アニメ