週刊少年ジャンプ 11年 30号 感想
 何だかよく分からないけど、辞める予定だった人が辞めなくなったので普通に更新。辞める辞める詐欺とか勘弁してくれい。


 スターズ(新連載)

 仮面ライダーに先駆けて、ジャンプでもまさかの宇宙飛行士漫画。編集部から持ちかけたのか、はたまた作者さん達が持ちかけたのかは分かりませんが、後者なのだとしたら時勢ネタを積極的に扱おうとする姿勢がまず好印象です。平成ライダー好きとして。どうせモチーフに選ぶんなら、やっぱり流行りネタだよね! と思う。
 作画のミヨカワ先生は、アイシの村田先生のところでアシスタントとかしてた人なのかな? 絵柄がちょっと似てるし。

 本編ですが、冒頭で思いっきりファンタジーな世界設定を披露しつつ、国際宇宙飛行士学会による現実にも存在するらしい取り決めを持ちだし、嘘を説得力で塗り固めているのが素晴らしい。グーグル先生に聞いてもこんなことこんなことくらいしか出てこないマイナー学会ですが、とにかくすごい説得力だ。
 舞台を近未来に設定し、かつ、メッセージが届いてから14年の時間を置いてるのもいい感じで、確かに今よりちょっぴり科学が進んだ年代の人類が、それだけの時間をかけて総力を結集すればやれるんじゃないかという気になります。宇宙戦艦ヤマトとか、よくそんな急ピッチで旧大和艦を宇宙戦艦に改造できたよなあという話だったし。

 宇宙のステルヴィアくらい科学が進んだ時代ならともかく、この設定で15歳まで下限年齢が下げられているのは無理がないかとか、こんなメッセージが届いた日にゃ、人類一致協力どころか宇宙開発競争が再来しないかとか、火星まで来れるんならもうちょっと根性出して地球まで来てくれよとか、メッセージあれっきりかよとか、色々とツッコミ所は残っていますが、ここまで頑張って説得力を出しているのなら、個人的には目をつむりたいかな(無論、無い方がいいのはいうまでもない)。最後のふたつに関しては、伏線のような気もするし。

 お話的には、「宇宙人からのメッセージがきた近未来」という架空世界で興味を引きつつ、ハンター試験を開始しているのが見所にあたるのかな。ハンターのすごいところは、試験が終わるまでのほぼ一年間一切純粋な意味でのバトルを描いていないにも関わらず、あれだけの求心力を持った話を描いている点にあるわけですが、果たしてこの漫画はどうなるのか。
 僕としては、プラネタリウムのフェイクに関してはフィフィーさんの茶目っ気で済ませず、既に試験が始まっているくらいの方が緊迫感があって良かったかな。ハンターでいうところの、連絡船に該当するエピソードであって欲しかった。ついでに主人公達だけでなく、他にも結構な人数が気づいたことにしといてくれると、一筋縄ではいかない感じが出て良かったとも。
 何せ、実際に宇宙へ出てからならともかく、試験の間は設定上死に至るような危機はほとんど発生しないでしょうからね。ある種の死である落第の可能性を常にちらつかせて、緊張感を保つ必要はあると思う。特に主人公達だけが気づけたというのは問題で、これによって他の参加者達より主人公達が図抜けているという印象をこちらに与えてしまい、早くも何とかなりそうな空気を漂わせてしまっているのです。
 主人公である以上、ある程度そういった雰囲気をまとってしまうのは致し方ないことなのですが、それをどれだけ迷彩出来るか、というのは腕の見せ所だと思う。ハンター試験をやろうというのならば、なおのこと。

 もうひとつ気になるのは、いわゆるキャラの弱さってやつでしょうか。
 どうにもこうにもこの三人組、フックがないというか求心力がないというか、パワーに欠けている気がしてならんのです。ヒロインに至っては、早くも濃厚なサクラ臭(「ヒロインだから」という理由でついてくる、別にいなくても問題ない程度の能力を持った人の意)を放っていますし。
 特に、ファーストエピソードで主人公が全く精神的に成長する余地を感じさせてくれないのが気になりますかね。既に完成されているって言えば聞こえはいいのですが、それは未熟な人間が成長していくことで得られる読み手の共感やら感動やらを、最初からスポイルするってことに他ならないですし。
 無論、世の中にはぬ~べ~や銀さんのように、最初から完成されているタイプの主人公もいるわけですが、彼らの場合は生徒やらエピソード毎のゲストやらを代わりに成長させて、カタルシスを生み出しているわけです。別にスポイルしているわけではない。
 この漫画の場合、そういった代替要員として候補にあがるのはヒロインと宙地少年なわけですが、ヒロインは前述の通りいるだけ臭が強いし、宙地少年が抱えている問題は非常にミニマムな家庭事情だからなあ。厳しそう。

 とはいえ、最近の新連載に比べれば取材・考証ともしっかり行っているのが伝わってくるし、設定に惹かれるものを感じられるので期待したいです。


 ワンピース

 前回に引き続く流れで敵幹部(それもあんまり魅力を感じない)の紹介的内容なため、あんまり語ることはないのですが、一時的にとはいえ王子達が一人倒していたのと、一般市民にボコられる結果となったゼオさんはちょっと面白かったです。ゼオさんはこのまま一般人に踏まれ続けて退場してくれると、なお嬉しい。敵幹部の皆さんを見て最初に思った事は、「わ~、長引きそう!」だったし。

 しかし、頑張ってパワーアップしても原因が「傷のいたみを誤魔化すためにクスリをやりすぎた」である辺り、ホーディーさんは報われねえなあ。威厳というより、ネタキャラ臭を感じてしまう。


 トリコ

 モヤシミミズにビックリアップルと、ここしばらく積極的に読者の食欲を奪う食材が続いていたトリコですが、今回はそれなりに美味しそうな食材が登場してくれて、まずはほっとひと安心。巨万の一坪という、レアリティを感じさせる設定が功を奏しましたね。

 それを巡る、トリコの世界観ならいかにもありそうな(逆に他の漫画ではまず成立しない)いざこざを描きつつ、最後はちょっとイイ話で締めた、なかなか満足度の高いショートエピソードだったと思います。


 バクマン。

 今週のバクマンがカラーでない以上、当たり前のことではあるのですが、カラーである意味がほとんどないトリックでかなりガッカリ。あれだけカラーで勝負をかけるといきまいといて、そりゃないよママンという感じ。

 しかし、設定からしてつまんなそうだとは思っていたけど、こうして堂々と内容を晒されてみると、PCPって本当につまんねえんだなと思う事しきりですね。それを作中の登場人物達がこぞって褒めたたえる姿は、なかなかに寒々しかったです。


 ナルト

 冒頭で、自身が練った策の巧妙さにほくそ笑みながら格好つけてるマダラさんの図がとてもとても面白かったです。実際のところ、それとはほとんど無関係な青少年の主張によってこちらへ向かっているという事実に関しては、知らないままでいさせてあげて欲しい。
 あんまりにも可哀想すぎるよ……!


 こち亀

 変身させたとして、声の吹き替えに関してはどうするんだと思いましたが、タイアップ自体は現実でもよく行われていることなので、それなりに興味を持って読めました。最近はそうでもないけど、以前は平成ライダーでもわざわざロゴが見える持ち方でオロナミンCを飲んだりしてたよね。

 あ、全然関係ないけど、マツケンとオーズが共闘する映画の公開日は8月6日です(宣伝)。脚本は誰担当なのか、それが問題だ。


 花咲一休

 んー、これはちょっと、とんちとは認めたくないぜ。
 弓にしても矢にしても、画面に映ってる部分がちょっと小さすぎて伏線とは言い難いですからね。特に矢は、矢じりの部分がちょこっと入ってるだけで、これだけだとどんな物体なのかよく分かりませんし。

 しかし、この化け物さんは主人公から名を奪おうとせず、普通に殺そうとしちゃってるんだけど、これは問答に応じようとする願印の性質には含まれないのかなあ。どちらにしても、彼のキャラクター性は大きく崩壊させちゃってる気はしますが。


 マジコ

 あまりにもあんまりなテンプレっぷりから、「これはもしや! 強敵と見せかけて速攻でゴミみたく蹴散らすギャグをやるのか! そうなのか!」と期待してしまいましたが、別にそんなこともなく普通に戦って普通に一人倒しました。何故ここまで期待も予想も裏切ろうとしないのか、逆に不可解なレベルです。

 とりあえず、三人一度に襲いかかれば勝てたのにね。意外と騎士道精神に厚い凶悪犯罪者達だ。


 スケットダンス

 「完璧なプロポーション」「妖艶な体」「魅惑のボディ」に(笑)をつけたコラを作ろうかと思いましたが、面倒なのでやめました。


 ぬらりひょん

 な……なんだ……ここはロアナプラか、はたまた学園都市だったのか……。

 つーくらい、いきなり治安が超悪化してて戸惑いが浮かびまくりんぐ。あの妖怪に洗脳能力でもあったのかもしれないけど、清継君は襲いかかってきてないしなあ。日本で所持するには、散弾銃を10年以上所持していた実績が必要なライフル銃の使い手がポンと二人も出てくるし。

 ちなみに、銃の免許自体は結構簡単に取得できるとものの本で読んだことがありますが、わざわざそんなことするような人間が二名も混ざっていたのか、あの集まり……。


 グリム(最終回)

 イソッペとの交流を通じてグリムが成長していたことを実感できるクライマックスでしたし、ギャグも結構笑えたし、最後までちょっと幸せになれる漫画だったと思います。

[PR]
by ejison2005 | 2011-07-04 06:36 | ジャンプ感想 | Comments(20)
Commented by 名も無き人 at 2011-07-04 09:23 x
更新縮小しねえのかよ!一本取られたわ!

・st&rs
時勢ネタを扱ってるの間違いないでしょうが、おそらくこの漫画は単純にはやぶさとか若田飛行士とかに触発されてのことでしょう。つかフォーゼだってそういうところからモチーフ取ってきてるのではないかと。
それにしても、同じ原作と作画が分かれてる一休はどっちも微妙で全く期待できなかったけど、こっちは絵柄もストーリーも悪くないし、なんか期待してしまうぞ。

・トリコ
だが最後の一文でうすら寒く感じてしまったのは俺だけではあるまい。

・バクマン。
リアルジャンプよりレベルの低い作中ジャンプってある意味すごいと思う。

・劇場版オーズ
調べたところ、普通に靖子にゃんらしいですね。いずれにせよ、井上じゃなくて本当に良かった。

・magico
だが扉絵という名の本編のエマたんで全て許せてしまう俺は萌豚。

・スケット
そもそもゲス野郎(笑)なわけですが…

・グリム
とりあえず、お疲れ様でしたと。
それにしても、来週で戦国も終わりそうだし、今回何本打ち切るつもりなんだろう?
Commented by アール at 2011-07-04 10:04 x
>脚本は誰担当なのか、それが問題だ。
メインライターの小林靖子さんですよー。
ちなみにフォーゼはグレンラガンの中島かずきさん。ライダーではWでイエスタディドーパントの話を書いてましたね。
Commented by 通りすがり1号 at 2011-07-04 13:51 x
>>バクマン
以前から作中マンガの面白く無さそうな感じがイタイタしい作品ではありましたが、今回は極めつけにイタイタしいですねぇw
これで前人未到の頂を極めつつあるエイジを抜いてジャンプのトップに立つなんて言われて、周囲のキャラもそんな感じに持ち上げていると、バクマンという作品全てが茶番にしか見られなくなるとは危惧しないんでしょうかね、ガモウは?
ネタのレベルとしては「ぼくの頭は酢入りだぜ~!」のアレと全く同じでしょ、コレ?
Commented by うなぎ at 2011-07-04 17:01 x
>スターズ
単純に面白かったです。

>花咲一休
架空のアイテムを使っている点が特に
気になりました。

>マジコ
この漫画ラブコメかな、と先週コメントしましたが
ちがうんですかね。多分アンケートは取れている
でしょうし、テコ入れではないと思うんですが。
前から思っていましたが展開が速すぎる、と感じます。
一休とマジコの作者はバトルが描きたいんでしょうか。
それが悪いとはいいませんが。
Commented by 無名 at 2011-07-04 17:10 x
ハンターが予定通り発売されましたね。個人的に来月が楽しみだ。

>スターズ
絵は綺麗だし普通に面白いと思ったのですが、ヒロインが試験受けると言い出した時は『いやいや、何故?』と思いました。

>ワンピ
誰もホーディさんに肉食って寝れば治る事を教えてあげなかったんですね。
Commented by 寄り道 at 2011-07-04 17:46 x
>>火星まで来れるんならもうちょっと根性出して地球まで来てくれよ
宇宙人的には、「火星にも来れないような惰弱に用はないぜ!」っていうテスト的な意味合いがあるのかもしれませんよ。
Commented by レト at 2011-07-04 21:32 x
>スターズ
期待したいですが、最後のページを見る限り盛り上げるのはあまり上手くなさそうなので苦戦しそうな気もします。
もっとも今の新人のスタートダッシュは編集にプッシュされるかどうかにかかっていると思うのですが。

>ぬらり
畏による騒動が全てマジックショーとして誤魔化せてしまう世界観ですが、
今回のはそれを上回る理不尽さだと思いました。
Commented by ななしのごんべえ at 2011-07-04 23:29 x
劇場版オ―ズは靖子にゃんです。
破壊者井上でも米村でもなく靖子にゃん。
ひとまず安心。

あ、それからフォーゼはグレンラガンの脚本に劇場版Wの監督のタッグのようで
あんなデザインでも期待せざるを得ません。
Commented by tzk373 at 2011-07-04 23:29 x
ドイソルも村田絵でしたよね。
村田さん自身がSQのソーラーカーが終わったので、え?もしかして?と思って名前見たら違ったので、ドイソルの人連載終わってすぐにまた!?と思っちゃいましたw
Commented by ejison2005 at 2011-07-05 04:34
>>名も無き人さん
いえいえ、はやぶさとか若田飛行士が既に時事ネタレベルですよ。そんだけ社会の関心を集めてるネタだと思う。やはり最後のフロンティアは格が違った。
絵柄は文句なしとして、ストーリーは盛り上げ方次第でしょうねえ。この設定でどう、次回への引きを作り続けていくか、という。

>だが扉絵という名の本編のエマたんで全て許せてしまう俺は萌豚。
しばらくは扉絵に希望を託すしかにい。でもせっかくのホットパンツなのだからもっとフトモ(ry



Commented by ejison2005 at 2011-07-05 04:35
>>アールさん
脚本が靖子にゃん……! 希望が出てきた! あの人時代劇好きだったはずだし!

Commented by ejison2005 at 2011-07-05 04:35
>>通りすがり1号さん
こうやってずずいっと見せつけられると、途端に嘘のメッキがはがれちゃう感じですねえ。
Commented by ejison2005 at 2011-07-05 04:36
>>うなぎさん
>マジコ
志は買いたいけど、志だけにとどめておいて頂きたい今日この頃。
Commented by ejison2005 at 2011-07-05 04:37
>>無名さん
あ、ハンター買うの忘れてた。買っとかないとな。自分にボッしたい。

>ヒロインが試験受けると言い出した時は『いやいや、何故?』と思いました。
僕もそこで圧倒的なサクラ臭を感じた。
Commented by ejison2005 at 2011-07-05 04:37
>>寄り道さん
やな奴らだなw
宇宙貿易とか言って、不平等条約を平気で押し付けてきたりしそう。
Commented by ejison2005 at 2011-07-05 04:39
>>レトさん
盛り上げが不安ですよねえ。果たしてサイエンスネタを、上手くエンターテイメントに落としこめるか。

>今回のはそれを上回る理不尽さだと思いました。
あまりにも意味分からんかったよね。あれ。
Commented by ejison2005 at 2011-07-05 04:40
>>ななしのごんべえさん
ひとまずライダーの脚本に心配はしなくて良さそうなのがなによりです。
いや、ほんと嬉しい。
Commented by ejison2005 at 2011-07-05 04:40
>>tzk373さん
ドイソルの人もこの人も、二人とも同門なんでしょうかねえ。
Commented by ポルカ at 2011-07-05 18:39 x
>スターズ
今までのジャンプ漫画ならラストあたりでメッセージの送り主であろう
宇宙人たちの「人間には期待できるか云々」のシーンがありそうですが、
そういうのを省いたおかげで、全くの未知の世界に旅立つ雰囲気が作られていますね!
うん、これは良い省略だ。

ジョジョのスタンドやまどかの魔法少女もその起源は宇宙にありますから、
どれだけの歳月を経ようとも人は宇宙への新天地思想を抱き続けるのですね。
Commented by ejison2005 at 2011-07-09 00:19
>>ポルカさん
そして宇宙の起源は韓国にある。

人の子らよ! ハントウヲメザスノデス!