週刊少年ジャンプ 11年 12号 感想
 フレッシュプリキュアはダンス。
 ハートキャッチプリキュアは花。
 スイートプリキュアは説明。


 メルヘン王子グリム(新連載)

 皆さんご存知の通り、この作品は以前にも読み切りが掲載されており、それを踏まえての前提としては「全く期待できねーなー」だったんだけど、実際、連載になってみたものを読んでみたら「予想していたよりは良かった。ちょっと幸せになった」という感じ。
 まあ、スライムがスライムベスになったとして、初期モンスターであることに変わりはないんですけど。

 具体的に何が良くなっていたのかというと、グリムにイソッペをメルヘン王国の後継ぎにするという目的が生まれ、単なるギャグの集合ではなく、ストーリーが生まれていたというのが、まずひとつ。
 いくらか前の読み切り感想でも書いた覚えがあるんだけど、僕はギャグ漫画といえど、ある程度、物語へ縦糸を通していた方が好きなんですよね。ただ不条理なギャグを連発するのではなく、おかしな奴らがおかしな目的へとまい進するが故に、周りでおかしな出来事が巻き起こる、みたいな。そもそも、人間であるからには何らかの目的を持って行動するもんです。そして、作り物のお話というのは、制作者が意図して人物を登場させているのだから、なおのことそれが強調されるのが本来であると思うのです。
 うん、ここまで書いて冷静になってみたら、単に僕の好みの作風へ変化されたから気に入っただけだな。

 もうひとつ、良くなったと思うポイントは、イソッペに特殊能力を授けたことにより、グリムへの反撃(より強力なツッコミ)が可能になったということでしょう。こういった設定の作品って、しばしば主人公が厄介者に対して一切やり返すことのできない流れになることがあり、それが故に、厄介者に対して読者の反感が向いたりするものなんだけど、この改善によって両者のパワーバランスが均等化されており、そういった反感を押しとどめる働きをしていると思う。
 更に、この力を用いるのは主にツッコミ用途だろうから、漫才を成立させつつ、本筋であるイソッペのメルヘン化を進行させる役割も担っているんだ。まさしく、一石二鳥の設定であるといえるでしょう。

 そんなわけで、全体的に読み切り時よりもフラッシュアップされている点で好感の持てる新連載です。長い付き合いにはならないと思いますが、頑張ってくれるといいな。


 ナルト

 能力そのものもタブーの下位互換だと思っていたら、話の展開までそうだったでござるの巻。岸本先生ェ……これはさすがにオマージュの域を超えてるってばよ。
 極めつけは、「久しぶりにアニメのライオンキングを見て泣きました」という今週の巻末コメントでしょう。ライオンキングってのは知っての通りアレな疑惑をかけられている作品なわけで、今週の展開と合わせて、見事な合わせ役満を達成してくれてます。大した奴だ……。
 しかしながら、オチを読んでしまえば途中までパク……リスペクト展開だったのは、なるほど正解だったとうなずけますね。編集者さんは、この小学生が1分で考えたようなオチの原稿を見ながら「部隊長ダルイの壮絶知略戦!!」なんて煽りを入れていて、何も思わないもんなんでしょうか。
 とまあ、某有名作品との類似点に関する話はここまでにして ミ□

 今週のポイントは、岸本先生による「能力バトルでやってはいけないこと」の素晴らしい教材となっていることでしょう。
 まず第一に、能力バトルを行うからには、それを行う必要のある状況を用意しなければなりません。ハンターにおいて、わざわざ格下相手に能力は使わず体術でボコることが多いのと同じで、それを使う合理的理由のない状況では、当然ながら特殊能力が行使されることなどないのです。金角さん銀角さんは、普通にクナイか何かで刺し殺していればとっくに試合終了だよ、なんてツッコミを入れられてしまってはいけないのです。
 そして第二に、能力バトルにおいては「すげえ運が良かったから勝った」などという展開にしてはいけません。何故、能力バトルなんてものが開発されたのかといえば、それは単純なパワー差に左右されない、頭脳戦を描きたいからなわけで、「何にも頭を使ってないけどたまたま勝てました」なんていうのは、能力バトルそのものを愚弄するにも等しい行為なわけです。
 今週、「運が良かったから」ダルイさんが勝利してしまったこの作品は、来週以降、野望に燃えるマダラさんの頭上に「たまたま」隕石が墜ちてきて世界に平和が訪れても、まったくおかしくありませんね!


 バクマン。

 うん、いやさ、だからなんで、てめえらがジャンプの代表ヅラしてんの? としか思えない今週のエピソード。コメントでも言われていたし、僕は今週、小杉さんが上司に相談してくれるのを僅かな希望としていたんだけど、案の定というか何というか、そんな展開にはまったくなりませんでした。「前もってわかっていれば連載会議で通ってはいないだろう」じゃないからね。あなた、連載会議に出席したことすらないからね。
 そのくせ、自分の担当漫画家に担当していない漫画家へ喧嘩売らせるとか、普通に考えてかなりの処分が下るレベルの所業なんですけど。この人が営業マンをやってたとしたら、抱えている取引先を煽って、他の社員が抱えている取引先へ喧嘩売りに行かせるとでもいうのだろうか。いよいよもって、ガモウ先生が編集部をどうしたいのか分からなくなってきたんだぜ。

 更に、悪役キャラとしてのキャラ立ても問題で、最近、一気に態度悪くなってきた七峰君の振る舞いは「こいつ悪い奴ですよね? さあ、皆も一緒に憎もうぜ!」と言っているようで何とも恣意的なんですよね。そのくせ、七峰君の背負う役回りである「ネットを利用した作劇」という部分に関しては、ほとんど有効な論理的批判が行えていないという。
 これ、逆襲のシャアの最終決戦において、
 シャア「アムロ! 地球がもたん時がきているのだ! なぜ分からない!?」
 アムロ「そんなことはどうでもいい! お前の態度が気に食わない!
 と言っているも同然なんだけどね。やでしょう、そんなアムロ……。
 アムロが否定してるのはあくまでその行為であるわけで、シャア自身の人間性は(MS戦でも生身でも口喧嘩でもけちょんけちょんにしてたけど)別に否定してないわけなんだけど、この作品は、それと全く真逆の道筋を行っているのが面白いですね。そういえば、いつだったか、最終決戦でラスボスの妄言に何ら言い返すこともできないまま、無理矢理ぶち殺して何となく終わらせたガンダムもあったっけなあ……。

 ちなみに、亜城木コンビと七峰君が喧嘩をして一番得をするのは、真の意味で当事者なのに、思いっきり蚊帳の外へ置かれている「読者」だったり。漫画家同士の喧嘩なんて別に見えないんだし、それで作品の質が「上がるのならば」これはもう願ったり叶ったりですよ。大手牛丼チェーン店同士が値下げ合戦を行った結果、我々がご利益に預かれるのと同じ構図ですね。まあ、牛丼値引き合戦の方は国家的マクロ視点に立ったら全然喜べないものなんだろうけども。

・白鳥さんの(漫画キャラとして)哀れな末路
 白鳥さんの顛末に関しては、こりゃもう、本当に一個の漫画キャラとして哀れだとしか言いようがないですね。それが面白いのかどうかはさておき、彼は白鳥家の家庭事情を描くという使命を背負って行動していたというのに、気がついたときは一切誌面へ姿を現さなくなり、ようやく出てきたと思ったら何もかもキングクリムゾンされ、自分の抱えるエピソード全てに決着がついたことにされてしまっている。これはかわいそうだ。
 しかも、白鳥さんの打ち切りは今やってる話の本筋へ全然関係してないんだぜ? 平丸さんや青樹さんに関してもそうですけど、バクマンのやってるこれは群像劇ではなく、無計画に登場したキャラを無計画に行動させ、無計画にその後を描いているだけだよな。


 ワンピース

 ホーディさんがアーロンに憧れていたという設定は、何というか、魔人ブウ編まで進んでるのにフリーザ様リスペクトのボスキャラが出てくるような、不思議な場違い感がありますね。設定上、別におかしいことでもなんでもないんですが。アーロンとか、今出てきても間違いなく瞬殺されちゃうからなあ。それを尊敬しているという時点で、おいおいこいつら、あの程度の奴に憧れてるだなんて弱いんじゃねーの? と不安にさせられてしまう。重ねて言いますが、設定上、全くおかしくはないんだけどね。

 しかし、命乞いした挙げ句、必死に逃げ回るハチの姿は本当に無様だなあ。「それを防ぐ方法はいくつかある」と親切に助言までしてくれてるのに、八本ある手足の一本も出せないまま半殺し(他作品における全殺し)に遭ってるし。遡って、サンジとチョッパーに対する忠告も「お前がヘボかっただけじゃねえの?」と思ってしまった。


 銀魂

 ああ……俺はどこまでも天丼ネタに弱いなあ、とつくづく思わされた今週のエピソード。ブルー霊子ちゃんが登場した時点まででもヘラヘラ笑ってたのに、たび重なる翼ネタで完全にトドメを刺されましたとも。

 それにしても、最近は銀魂のギャグ話が続いてくれていて嬉しい。先週までのプリズン・ブレイク編はまあ、人情話としてのオチには納得いかなかったわけだけど、随所に散りばめられていたギャグにはやはり笑わされたし。アニメ用のストック溜め的な意味でもあるのか、はたまた単にネタが思いつき続けているからなのかは分かりませんが、ともかく、俺得な展開ではある。


 トリコ

 NTRキター! って感じ。先週のツンデレっぷりからこっち、トリコをそんな目でばかり見てしまう自分がいる。「少しぐらい気ィ使ってウソつけよコラ……」のコマにある≪ギロリ≫という擬音も、初見では≪ポッ≫と頬を染めている擬音に見間違えてしまったし。駄目だこの管理人……早く何とかしないと……。
 トリコもゼブラも知覚できない程の超スピードor忍び足でどっか行っちゃった小松は、自身の括約筋に危険でも感じたのでしょうか。

 ところで、貯水ラクダさんの生態が地味に気になるのは僕だけでしょうか。2千リットルの水が貯水されてるのはまあ良しとして、脇腹に蛇口が付いているというのは一体、何事なんだろう。どのような進化を経て、このような人類へ己が身を献上するような姿へ変わったのだろう。むっちゃ気になる。蛇口は外科手術での後付けなのかなあ。


 ドイソル

 先週に引き続いて、「主人公がノー説明で行った行動に対し周りが共感し成長する」というスタイルを押し通しているこの作品ですが、キャラクターの背景に適っていた理由でそれを行っていた(それでもどうかとは思うけど)先週と違い、今週の勝歩少年はもう、本当に下らんことを黙ってヒロインを無駄に心配させているので、単なるコミュ下手なんじゃないかと思えてしまいます。
 まあ、煽られてムカついちゃったし、あの場で言い訳してもダサイからという心理でも働いたのかもしれないけど、その時点で自分本位だしね。


 ブリーチ

 残月の鍔って言ってた時は、こっから柄と刀身でも生えてくるのかと思ったけど、そのまんま振り回して月牙出す使い方だったのねん。
 これ、傍目にも恐ろしくダサイし、鍔が大きすぎて動きが全く想像できないんだけど(またいでるの?)、早いうちにまたパワーアップしてお蔵入りになったりとかするんでしょうか。


 めだかボックス

 誰もが思うツッコミをあえてするけど、これ、最初から投げてれば……少なくとも、能力が判明したら即座に投げに行けば良かったんじゃ……。
 分かり合う時間稼ぎかもしれない、という唯一の擁護ポイントも、分かり合うことを思いっきり先延ばしにすることで潰しちゃってるし。


 保健室の死神

 プラグマさんの能力は素で使い勝手が悪いなあ。要するに、常日頃から病魔とかそういうの関係なく運が良くないと何もできないわけで、自分の努力とか一切入りこむ余地もないし。
 何か出来ることがあるのかといえば、風水とかにものすごく気を使うことくらいだけど、そこまでして、得られる力は成人男子をゴミ箱へぶち込んだり植木鉢を落としたり、目一杯頑張って電柱を折ったり支えたりするくらいなんだぜ。これまで登場した病魔の中でも、ぶっちぎりで使えない能力だと思う。

 この人はこう、取り柄といえばストライクベントが無駄に2枚も入ってることくらいなデッキを渡された揚句、カニと契約しちゃった仮面ライダーシザースを彷彿とさせるな。

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by ejison2005 | 2011-02-22 06:17 | ジャンプ感想