週刊少年ジャンプ 11年 08号 感想
 何故か今回に限って異様にタクト様のゼロ時間突入が遅い綺羅星(というか脚本家)にとって優しい展開といい、消えてないなら雲隠れしてたせいで封印解かれるきっかけの一端となり消えたのならBADEND一直線なお姉ちゃんといい、他人がそれを覗き込んでただけで特に主人公の精神的成長には貢献せず本当にただ「思い出しただけ」だった過去回想といい、にも関わらず何故かパワーアップだけは果たしちゃう主役メカといい(悟空が怒ってないのに超サイヤ人へ覚醒しちゃうようなもん)、今週のタクト様はどこからどうツッコミを入れればいいのか迷うくらいの凄まじい迷エピソードっぷりだったと思います。


 エニグマ

 え? いや、6倍の身体能力って……え??
 ぬいぐるみ化に加えて6倍の身体能力が存在するってことなの? てっきり「ぬいぐるみだから落ちてもへっちゃらなんだな!」と思っていたところで、何の脈絡もなく月の住人云々言われてポカーンとしちゃったぜ。まあ、よく考えたらぬいぐるみなので大丈夫説だと、クリスさんに気絶させられるはずもないのですが。

 しかし、「ぬいぐるみの謎」「どうやって時計まで行くか?」という問題がこうも立て続けにアッサリ解決されると、カタルシスもへったくれもないなー。後者に関してはアルのキャラ立てを兼ねてるからむしろそうするべきだとして、前者の方はもうちょっと何とかならんかったんでしょうか。
 いやまあ、それをいったらこの漫画は全体的に試験がヌルすぎるんで、これまでの積み重ねもあって不満に感じてるんだろうけども。


 ワンピース

 こえー! つよそー! というよりは、ぎえー! またすげえ時間かけそう! っていう感じの方が遥かに強い感じ。うん、いつものことだね。
 ワンピースの「いちいち麦わら海賊団に合わせてマッチメイクできるよう敵の数を調整する」という展開は、本当に好きになれないな。だって、長引いちゃうんだもの。基本、そのシリーズでの重要な命題を背負ってるのは敵のボスキャラだけなんで、他とのバトルは賑やかしくらいの意味しかないし。

 それはそうとして、蟹手のジャイロさんの素晴らしいシザースっぷりが実にすん晴らしかったです。


 銀魂

 ドッキリオチかあ。夢オチと並ぶ玄人好みの扱いにくすぎるオチですが、今週の銀魂は一連のエピソードを通じてガッチリ銀さんと読者の心理を繋ぎ合わせており、「ドッキリ大成功!!」の文字を目にした時の絶望感を共有できていたのが凄かったと思います。これは確かに前衛絵画みたいな顔するわwwwww
 これというのも、先週書いたように最終的にギャグで解決するにせよ、毎回毎回とてつもない無茶振りを行い、それを銀さんが解決してたのが大きいんじゃねーかなー。主人公が死ぬほどの苦労をして、しかしそれを(作風に合った方法で)解決する姿っていうのはいつだっていいもんだ。
 しかもその上で、まさかの長谷川オチでトドメを刺しにくるという。もう本当に素晴らしいエピソードだった。そういうしかない。再アニメ化に向けて、最高の贈り物といえるエピソードだったと思います。


 ナルト

 お腹切られてもふっつーにザブザさんをぶち殺せる辺り、さすが火影様は格が違ったというところでしょうか。そう思うと、ザブザさんの猛烈に無表情な顔も、「え? なんか俺すごい格下みたいな扱いなんですけど?」と訴えてるように見えますね!
 血の涙演出の「やりたいことは分かるが全く効果的ではない」っぷりは、いつも通りの岸本節。

 ところで、地味に効果的だと思ったのは量産型ゼツさんの数押し戦法にネジ達が苦戦してるシーンで、多数の能力者による大戦争を描写するのが難しいなら、いっそフェードアウト&インを駆使して集団戦の進行状況をサラッと描写してしまえばいいじゃない! という答えを垣間見た気がする。隠獣方式みたいなもんで、ダラダラするところを省くことでスピーディに話を展開できるし、結果だけどどんと提示することで「な! なんだってー!」と読者に思わせることもできる。
 ただまあ、これだけだと、こないだゴミみたいに蹴散らされてた連中が急に押せ押せになってて違和感があるので、シノが言っていた「一体一体が強くしつこい!」という部分をもうちょっと描写してから今週のフェードインに繋げてた方が、より良かったとは思うけども。


 リボーン

 雲雀さんの強さ維持には定評のある天野先生ですが、それにしたって今週の無双っぷりはすげえw 先生ってば雲雀さんのこと愛しすぎ。もう一人で全滅させてこいよ。
 そしてこっから、鈴木さんはいかなる屁理屈を用いて人形500体より自分が上だと言い張るかは興味深いところ。同じ力とか言っちゃったからなあ。妥当なところでは、人形だから能力を使用できないので~とかでしょうか。次点で「氷の城に隠れてるから大丈夫だもんねー」と言いながら再び人形作りにいそしみ持久戦を狙うとか。後者の場合、あっさり氷の城壊されそうだけど。

 しかし、何がどうとは言い難いんだけど、やっぱり漫画で殺陣を表現するのって難しいんですね。これも頑張ってるとは思うんだけど、何だかストップモーションの連続みたいになってしまっているし。どっかその辺、技術的な解説をしてるサイトとかあったら読んでみたいな。


 トリコ

 こええw グルメ刑務所こええw
 好物剥奪とか苦痛食とかはトリコの世界観説明描写的なものも兼ねているし、ギャグ的なものとして流せるんだけど、最後の切る煮る焼くはスルーできない恐ろしさだぜ。
 死刑だからせめて楽に逝かせてやろうという心積もりは一切感じられない。死体打ちにも程があるってもんです。どんだけオーバーキルしたいんだ。
 もしかして、この世界の人々は重罪人ならばどれだけ苦しい死に目に合わせても足りねえ、墓石に唾だって吐き立ててやるぜ! という精神性の持ち主なのでしょうか。ほんとこえーよ。


 改造人間ロギイ(読み切り)

 ……さて、先週僕が「まとまってるから」というただ一点であんだけ評価した理由が皆さん、お分かり頂けたでしょうか。
 何故、普通の人間が改造人間をボコれるのか? というある意味この作品の生命線ともなりそうな部分を華麗にスルーしたのもすごいですが、それ以前にこの作品、「主人公はこれこれこういう過去を持ってるからこういうことしてるんですよ!」という自己紹介にしかなっていない……というかそれすらやりきれてない、というのが一番まずいんじゃないかと思います。これ、ハガレンのファーストエピソードで例えると、人体練成云々の過去回想し始めたところで終わっちゃうようなもんだよ。
 大切なのは、「こいつはこういう背景を持ってるんだよ!」と喧伝することではなく、どういう背景を持ってるかを説明した上で、では、そのキャラクターがどのように人生観を変え、いかようにして振る舞うのか、というのを「物語る」ことにこそあるので、そこら辺をもうちょっと意識して欲しかったです。
 ちょっと読み切りとしては、バトルシーンに割くページ数多すぎだしね。銃使い二人の役回りは、雑魚改造人間二体とほとんど同じですし。そこら辺をもう少し削って、こんなん姉ちゃん違うと子供が言い出した辺りで主人公の境遇を語らせて二人のキャラクターを対比させつつ、説教シーンへと移行した方がスッキリしたんじゃないかな。

 しっかし、耳と鼻がきくっておっそろしく有益な能力なのに、なんで使えない子扱いされてるんだろう。そういったところからも、考えが浅いといわざるを得ない。どうやって捜し当てたのか? という追跡屋さんのキャラクター性に関わる部分をスポイルする点も含めて。


 バクマン。

 そもそも、募集要項である「読み切り作品」という一点をガン無視した作品に対し、世間から注目も擁護もたっくさーんというのがいまいち理解できないなあ。それやるんだったら、普通に読み切り作品として投稿されました、という展開にしとけばいいんじゃないだろうか。
 そして自分が過去に何やらかしたのかは棚上げして先輩面する港浦さんと、出番も無いのに引き立て役としてどんどん格を下げていく静河君ェ……。

 それにしても、何万もの人が見てるって凄まじいメガトンヒット級のブログ運営してるんだな、彼。田代砲でも喰らってるんじゃないだろうか。


 こち亀

 美味しんぼで、「天ぷら対決をする予定だが、ありきたりだし腕の良い天ぷら職人を当てる勝負に今、変更するぞ! 私は勝負の決め手となるカセットテープをあらかじめ用意してあるがな!」とやってたアレを思い出した。なんとなく。
 特別賞ということで、ぎりぎり納得できなくはない、かな。


 保健室

 うげー、シリアスやるのかあ。不安だぜー。今週早くも、「ハデス先生がいない他の町でも病魔が発生しているのなら、それは既に社会問題化してなければおかしいのではないか? クリスマスの氷病魔とか氷病魔とか特に」というツッコミ所が生まれているし。
 せっかく、単発のキャラエピソードで好感度上がってきてたのになあ。


 となりのマサミちゃん(読み切り)

 幽霊ヒロインを毛嫌いするどころか、結構普通に仲良くやってるのはオリジナリティあったし、何だかほっこりできて良かったんだけど、王道を外しているが故に、物語として締まりが無いものになってしまっているのは、やはり弱点ですね。

 何で落ちもの系作品の多くが途中でヒロインと仲違いし、その後に仲直りさせるかって、そうすることによってヒロイン来訪による環境的世界観的変化を主人公が受け入れるまでの成長物語を描くためなわけで、この作品はそれがないため、主人公が特に精神的成長を果たさずに終わってしまっている。
 ギャグ漫画なんだし~と思うかもしれないけど、それがあるのとないのとじゃあ、やはり全然印象が違うよ。今週の銀魂とか、まさに銀さんの精神的成長をも描いていたわけだし(その上で地獄へ突き落としたわけだが)。そういった定石を吹き飛ばすくらい、個々のネタが面白いとかならともかく。

 あとは、絵がちょっと……。

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by ejison2005 | 2011-01-26 05:03 | ジャンプ感想