アリアンロッド・サガ コンチェルト レビュー

アリアンロッド・サガ・コンチェルト 1 (電撃コミックス)

佐々木 あかね / アスキー・メディアワークス


 アリアンロッド・サガといえば、冒険と戦争、そして殺意に満ちたリプレイシリーズとして知られていますが、本日ご紹介する「アリアンロッド・サガ コンチェルト」は、その前史を描いたコミカライズです。



 結果

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 ごらんのありさまだよ!!



 だが少し待って欲しい

 ところで、上の画像を見た人はこう思ったんじゃないでしょうか? 「まだだ! 陛下の殺意はこんなものじゃないはず!」と。
 それには全くもって同感と言うしかありませんが、コンチェルトで描かれているのは本編から三年前(ピアニィ13歳時)のものです。

    ,ィィr--  ..__、j
   ル! {       `ヽ,       ∧
  N { l `    ,、   i _|\/ ∨ ∨
  ゝヽ   _,,ィjjハ、   | \
  `ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ   > つまり、この三年間で殺意を熟成させ、
     {___,リ ヽ二´ノ  }ソ ∠ 本編で一気にそれが爆発したんだよ!
    '、 `,-_-ュ  u /|   ∠
      ヽ`┴ ' //l\  |/\∧  /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ /  |`ー ..__   `´
    く__レ1;';';';>、  / __ |  ,=、 ___
   「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
   |  |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,|  , -,
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 むしろ、ここからピアニィは戦術を学び、本能面でもロジック面でも殺意を高めていくわけで、次巻以降、どれだけ殺意が高まっていくかに期待するべきではないでしょうか。
 というか、何も起きてない平時でもコレな時点で既に相当なもんだよな。



  ここから真面目なレビュー

 さて、全ての卓ゲ者が真っ先に気にするであろうことを先んじて紹介しましたが、この作品、単なるファンサービスに留まらず、ストーリーそのものもかなり優等生的な出来栄えとなっております。
 簡単に言うと、抑えるべきポイントを抑えた作劇となっている。

 あらすじを語ると、シェルドニアン学園に転入した少年セシルが、ピアニィと彼女が所属するギルドの仲間達と絆を深め合い、学園内で巻き起こるトラブルを解決していくというものなのですが、一巻の中だけでも、

 物語の導入とメインヒロイン・ピアニィ主体のエピソード → 仲間達とセシルがそれぞれ親睦を深めていく個別エピソード → ピアニィ出生の秘密(笑)を知るエピソード

 といった具合に、いわゆるハーレム的「基本メインヒロインとイチャイチャし、たまにサブヒロインと仲良くする」ストーリーを完璧に踏襲しきっています。
 これは別にディスっているわけでも何でもなく、普通にやってしまえばとてつもなくニッチな方向を向いた作品になってしまいがちなTRPGのコミカライズ作品に、最大公約数的な面白さを付加することに成功しているということなわけで、やれるだけのことをやった丁寧な仕事であるといえるでしょう。その上で、やるだけやっちまってるのはご愛嬌です。



 本編の主人公セシル

 ところで、あらすじを読んだ方はこう思ったでしょう。「ん? ピアニィにフラグを立てるのはアルの仕事じゃないのか?」と。
 そんなあなたは冷静に考えてみてください。この漫画は本編より三年前の物語で、メインヒロインは、あの! 破壊を司る女王とまで呼ばれた! ピアニィです。

 だから、彼はおそらくもう……。

 そして、アルもいずれはきっと……。



 佐々木あかね先生の美麗な作画

 さて、本作の作画を担当しているのは、サガ本編でもイラストを担当している佐々木あかね先生なわけですが、先生の特徴である、少女漫画的タッチでありながらも、男心をガッチリ掴んだ繊細な絵を楽しめるのも、大きなセールスポイントであります。
 全体的に描きこみも多いですし、無意味に背景が白いシーンなども存在しません。
 バトルシーンにおける「動き」の描写には不得手さを感じますが、一番重要なピアニィの魔法行使(つーかフロストプリズム)シーンは見開きで迫力のあるエフェクトを駆使していますし、そちらが目当てで買いたいという人にも、満足のいく描写になっているのではないでしょうか。

 あ、ピアニィのサービスシーンはないよ。陛下のスカートってばマジ鉄壁。



 まとめ

 というわけで、基本をしっかり抑えたストーリーを展開しつつも、ピアニィ陛下の殺意と、佐々木あかね先生の美麗な作画を楽しめる、サガファン垂涎の一作です。
 巻末にはシェルドニアン学園用のアイテムデータも存在しますし、この学園を舞台にしたシナリオが作りたい方には、必携の一冊といえるのではないでしょうか。

 もちろん、ピアニィが握ってる包丁のデータもあるでよ!
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by ejison2005 | 2010-12-03 19:36 | 漫画