続・鉄腕バーディー 感想

鉄腕バーディー 1 (ヤングサンデーコミックス)

ゆうき まさみ / 小学館


 前回の続き。今回は各巻ごとに感想書いてみました。


11巻

 ネーチャンを救出に行ったり、OBのおじさんが忘れたころに再登場したり、ラスボスが超絶油断した状態で主人公と一緒に飯食ったりするお話。ところで、つとむのお世話係に任命されたこのかわい子ちゃんはレギュラーに昇格しないのですか? そうですか……。

 正直な話、ネーチャンは後々になって人間を捨てたりすることもなく普通に日常生活へ回帰し、オンディーヌとの決着もつかず、ラスボスとはノーテンキに五穀米をつっついてるわけで、話が進んでないにも程がある気がするわけですが、それでも、興味を持続させ続けるのはゆうき先生の実力なのか、はたまた俺が単行本一気読みしているからなのか……。

 まあー、ラスボスに一宿一飯(後にそれどころのではなくなるが)の恩を受けるとか、シチュエーション的な面白さはあるんで、そこに引っぱられている気はしますね。ここら辺は、俯瞰した視点から各勢力に関して描いてきた本作ならではの面白さ。普通の作品なら、後々になって「えー! あの時の教主さんがレビだったの!?」と、主人公共々に読者が驚いて終わると思うし。
 あとはまあ、レビの人間性を描いたという意味では重要なエピソードかもしれない。ゴメスさんもそうだけど、皆さん、複雑ですなあ。

 そして全然関係ないけど、「てえへんだあ」「野郎、ずらかる気か!」などの定番ネタにほっこりした。


12巻

 ええい! バーディーとか早宮とかもうどうでもいい! つとむを着がえさせたというこの娘さんをヒロインに据えぬか! (地団駄)

 13巻にも言えることだけど、バーディーの過去編は確かに悲しいお話だし、犬のお友達とか、一部、後々になって拾われている部分はあるけど、基本的には停滞しか感じないのでありました。や、現在が既に確定している以上、過去語りなんてのはどうしたってそうなるもんなのですが。仕方ないね。

 ところで、美少女を下着同然の格好で生活させる惑星にはどうやったら移住できるのですか?


13巻

 ヴァイオリンの強さにビックリな巻。例えるなら、ポケットなしのドラえもんが素手でバイオレンスな殺戮を開始したかのような……お前、そんなに強かったのかよ!

 んー、そんくらいです。過去回想はあんまり好きじゃないからなー。この巻で張られたバーディー狂戦士化への伏線も、氷川戦でちょいと芽吹いただけですし。あんまり思うことはないや。

 まあ、いずれやるのであろう、「バーディーの狂戦士化を抑えるつとむ」イベントへの前振りだと思っておきましょう。それは作品テーマ的にも最重要エピソードとなるはずだから、その暁には、この過去回想も有意義なものへと生まれ変わるはず。

 どうでもいいけど、警部・ザ・役立たずだったメギウス警部は、この過去回想でずいぶんと株を取り戻してますね。


14巻

 時間軸は戻るよ現在へ~。千明君の厨二病っぷりが素敵です。修行編にまで突入する徹底ぶり。だから、お前は登場する漫画を間違えていると何度言えば(ry

 本編ですが、これまでは基本的につとむの成長と覚悟を描く物語だったのが、バーディー主体のそれに変わってきている感じ。ここら辺、過去回想でどういう過去を背負っているのか描写されたのが大きいのかもしれない。

 そしてゴメス無双も再び。キャーゴメスサンカッコイー!
 ケダモノ軍団を気持ち良くボコるだけでは飽き足らず、千明君婿養子化計画も着々と進行していたのである。それにしても、「息子ですよ。妻そっくりなんですがね」と言うコマのゴメスさんは男前ですな。


15巻

 殺しの覚悟。讃良ちゃんカワユスなあ。
 現地人同士の争いには~なんて言い方だからピンときづらいけど、バーディーの立場からしたらこれ、ウルトラマンが犯罪組織のアジトを踏みつぶすようなもんなんですよね。そりゃ、躊躇もする。クラーク・ケントなんかと違い、地球に骨を埋める気もないわけだし。
 そんなわけで、これ、実は相当に重たいテーマなんだよね。それを、ただ重たいままに垂れ流すのは簡単(でもないけど)だろうけど、あえて軽妙に描き切るゆうき先生流石っす。

 そしてスーパーゴメスデート! キャーゴメスサンカッコイー!
 しかし、今回はバーディーがアホの子だったがために、過去最大のダメージを受けることになってしまうのだった。夫婦仲的な意味で。
 徒手空拳で云々とか年齢から察するに、過去回想内で元軍人のアルタ人が見たというイクシオラはゴメスさんで確定ですかね。

 一方、千明君は男の娘にフラグを立てていた。


16巻

 氷川さんボッシュートの巻。これで勢力がひとつ減り、大分状況が分かりやすくなりましたなあ。でも、悲しいかな。20巻までだと、あとは温泉編と宇宙誘拐編で終わりなのよね。

 結局、バーディーはトドメを刺さなかったけど、まあ、致命傷は与えたんだから似たようなもんだわな。前述の通り、バーディーからしてみれば氷川殺しは到底許容できないものなわけで、それを飲み込んだ上で行うのだから、当然責任を持って殺さなければならなかった。つとむは無責任なようで、ちゃんと正論吐いてると思う。まあ、問題はこいつも半分当事者であることなんだが。

 で、リーさん率いるケダモノーズも全滅。リーさんに関してはハッキリ描かれてないけど、これ、キッチリ殺っちゃったんですかね? まあ、生きてたところで、組織の後ろ盾もなく薬も残り少ない彼女に何ができるんだって話なんですが。あ、いや、薬に関しては千明君同様に特異体質っぽいからどうにかなるっぽいのか。
 なんかゴメスさんの性格的に、手札として生け捕りになってそうな気はしますね。

 そして、後半からは温泉編スタート。事件そのものはあんまり進展しないため、何とも箸休め感の漂うエピソードとなっています。


17巻

 入浴着は逆にエロいと思わんかね?

 そんなわけで、箸休めは続く。バーディーさんは怪獣退治の専門家やでえ!
 まあ、続く宇宙誘拐編への前振りとして、同級生につとむへの不信感を抱かせる役割は果たしてます。


18巻

 力の1号(バーディー)に対し、技の2号(紅葉さん)登場! THE FIRST方式ですな。

 疑似人格さん達との押し問答は、まあ、ハッキリ言って茶番以外の何物でもないわけですが、地球上に築かれたネットワークがいかにカビ臭いもんであるかの描写にはなっているのかもしれない。

 回収された残骸は、後々で本筋の事件に影響してくるんですかね。


19巻

 宇宙誘拐編開始。
 読んでる時、現地で窃盗を働くわ、警官を射殺するわで、この水兵の皆さんはどんだけ無能なんだよと思ったもんだけど、後々、「訓練も何もしてないド素人です」と理由付けされていて笑った。

 そこら辺もそうだし、艦長とかクレドの上司とかもそうだけど、味方組織が本気出して捜査しちゃうと、あっという間に漫画が終わってしまうため、基本的に味方側NPCは駄目駄目ですなあ。


20巻

 続・男の戦い。ウルトラマンメビウスで例えると、タロウ客演回辺りのエピソード。すなわち正体バレ。それにしても、ただ打ち付けるだけではなく、イチモツに巻きつける程の繊細な動きを可能にするとわ……この鞭男、出来る……!

 氷川戦辺りでは大分バーディー寄りになっていた物語ですが、ここへきて、俄然つとむが主役らしくなった感じ。男の仕事の八割は決断で後はおまけみたいなもんらしいですが、それは物語においても同じで、およそあらゆるフィクションは、主人公が悩み決断する過程を描いたものであるわけです。つまり、ここがこの漫画で最も盛り上がる場面(のひとつ)であるはず。それを描いた直後に雑誌廃刊っていうのは、何とも皮肉なものですな。

 そんなわけで、終始ハイテンションを保っていたわけですが、残念なところもあって、それは主にニエトさんの仕事によるもの。つとむがバーディーと繋がってると知った上で拷問したり、宇宙船内で躊躇なく発砲したり、果ては爆破しちゃったりと、どうにもこうにも行動に無理がある気がする。

 部下を掌握しきれてないことで、株を下げっぱなしの味方組織ですが、真実を知った艦長の殊勝な態度によって、少しは持ち直したところがあるかもしれない。これがないと、本当にただのいけすかないダメな人達だからね。上手いフォローだったと思う。ステロタイプの嫌な役人としてではなく、人間性を垣間見せた上で散れたし。

 そして、無印ラストエピソードはまさかの発情期ネタw 今まで、そこら辺の処理はどうしていたんだろうと思ってたけど、基本がバーディーの体だから衝動自体が起こらなかったのね。


まとめ

 そんなわけで、小賢しく情報を小出しにして引っ張るのではなく、読者にある程度それを伝えた上で、各キャラクターの心情と行動、それにともなう状況の変化を描き抜いてきた良作でした。

 ただ、ここまでかなりの紙数を割いてるのに、本筋の事件に関する捜査は遅々として進んでないのが気にはなります。結局、ここまでの成果らしい成果は氷川と彼にまつわる組織を壊滅させたくらいだもんな。

 新シリーズの方では、そちらの進展を期待したい。

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by ejison2005 | 2010-06-25 01:27 | 漫画 | Comments(0)