週刊少年ジャンプ 10年 29号 感想
 トリコ

 ふと思ったんだけど、お菓子の家ってテリー(とオブサウルス)が食べちゃったんじゃないのかな。ほら、犬って個体にもよるけど、甘いものが大好きだし……。それに何より、この近辺で最強の生物であるテリーとオブが住処としている場所へ寄ってくる生物なんぞおらんだろうし。
 しかし、賢いテリーとオブは、家を食べてしまったことによるトリコの折檻を恐れ、その打開策として、帰還と同時に不意打ちで蟹ブタをプレゼント。そして、両サイドからのペロペロ攻撃に打って出たのではないでしょうか。
 何せ、相手は食欲魔人トリコですから、目の前に食い物が出されただけで、直前まで考えていたことでも一瞬で忘れ去ります。そこへ怒涛の可愛さアピールを仕掛ければ、家を食べてしまった犯人の詮索など、頭の中から追いやられてしまうはずです。
 飼い犬も、悪さをした後には必死で飼い主へ可愛さアピールを仕掛けることがあります。そのあまりの愛らしさに、ついなあなあで済ませてしまいそうになりますが、それで許せばつけ上がり、媚びさえ売れば許されると思ってしまうようになるでしょう。
 可愛さに誤魔化されず、イタズラやつまみ食いをした後にはきちんと叱ることも、飼い主に必要な素質なのですね。もっと頑張れトリコ!
 ↑ここまで2秒で妄想余裕でした。

 まあ、そんなわけで、密かにどういう存在なのかが気になっていた、お菓子の家に関するお話。家みたいな形の植物みたいなお菓子(何言ってんだ私は)で、食べた端から勝手に再生していったりするのかと思っていたけど、全くもってそんなことはなく、巨大菓子をいくつも組み合わせて造り上げる人造物でした。賞味期限だとかどうなってんだろうか。

 で、基本的に今回は新しいおウチを立ててわいわい騒いでいるだけなんで、トリコ的にもしまぶー的にも箸休めの回となっているわけですが、そんなお話の中においても、グルメ建築なんていう設定を開示し、世界観を深める役に立たせているのは流石というべきなんでしょうか。
 何でもかんでもグルメとつけちゃうセンスには賛否両論あると思いますが、この漫画でしか味わえない世界観を作り上げているという面において、好感が持てるのです。


 ナルト

 ヤマト先生とビーの手厚い援護に加え、死んだはずの母にまで手を貸してもらって九尾に勝利。和解したり合一化したりとかではなく、チャクラの一部を奪い去るという形で。
 いや、あの……ビーと八尾が言いたかったのってそういうことなんだろうか……。あの一人と一匹を修行の成功例として考えるのなら、パワーアップしたとはいっても、余計に関係を悪化させてしまった以上、成功とは言えないんじゃ……。


 ブリーチ

 だが少し待ってほしい、13キロやで適当になぎ払えば、数分くらいで街が壊滅するんじゃないだろうか。


 メタリカメタルカ

 父の足跡、ひいては超金属を探し出すぜ! という主人公の目的が明かされ、ひとつの漫画として、ようやくスタート地点に立った感のあるエピソード……だというのに、このどうでも良さ加減はどうしたものなのか。

 もうすでに、ここまでのエピソードでこの漫画に対する興味を失ってしまっているというのも大きいだろうし、父(最強のミネア)の凄さとして提示されたのが、どっちかというと金工師としての凄さを見せるものであったり、回想内で主人公親子がいる場所がどういう所なのかサッパリ分からなかったり(こんな人里離れてそうな場所に幼い主人公を置き去りにしていいの?)といった、細かい場所で丁寧に感情移入を妨げる仕事も影響しているんでしょうなあ。


 少年疾駆

 あんな話の引っ張り方だったから、てっきりすぐにでもセボーラと試合をするのかと思っていましたが、それには地区大会決勝まで勝ち進まなければならないそうです。いいの? そんな地区大会優勝こそがこの漫画の最終到達点です、みたいな展開で本当にいいの? チャンピオンズリーグを目指すとかそういう話はどこへいってしまったの??

 ともあれ、チームの監督が帰還するというお話なわけですが、彼は単純に仕事の都合で一時チームを離れていただけであり、それが元へ戻ったというだけの話なんですよね。ゼロからプラスへ転じたのではなく、マイナスからゼロへと戻っただけ。
 今のままの俺達じゃ勝てないかもしれない、パワーアップする必要を感じるぜ! というエピソードで、いかにも強化のキーパーソンっぽく登場した人物が、その実、何ら戦力強化に貢献していないわけです。せっかく新登場させた人物が、お話の流れと噛み合ってない。

 大体、不在の監督が帰ってくる! というお話で盛り上げたいのならば、彼の不在によって主人公達が苦労するというシチュエーションを先にせねばならないのに(別に困ってないのなら帰ってくる意味もない)、それもないしなあ。あえていうのなら、生意気なお子様達を掌握しきれていないコーチが苦労していましたが、別にこの人、主役でもなんでもないし。

 チャンピオンズリーグ関連にしてもそうですが、この漫画家先生は、エピソードの着地点を定め、そこへ主人公が至るため、クリアせねばならない障害を設定し、その障害を乗り越えるために、どのような助けが主人公に必要なのかを考えた方が良いかもしれません。


 バクマン。

 中井さんが駄目すぎ吹いたw 去り際、福田さんにあんな言葉かけられて、それでグッと涙をこらえた結果がこれだよ! Q「このまま終わらねーよな!?」A「このまま終わりそうです」だよ!
 で、普通なら、これが中井さん再起フラグとなるわけですが、この漫画の場合、静河君の例もあるんで、ちょっと分からん。悪い意味で予想がつかず、どうせ積み立てたものを自分で打ち崩す形で裏切ってくるのだからと、興味を持つ気になれない。

・新アシスタント登場
 タントの時と違い、今度はしばらくこの漫画を連載させ続けるつもりなのか、ちゃんとアシさん達のキャラを立てにきましたね。存在意義そのものに疑問を持たれる状態だった折原さんにも、日の目が当たるのでしょうか。
 だが、漫画を描いた経験がないという白鳥さんが何故か独自の漫画論を抱いていたりと、同エピソード内で早くもちぐはぐさが目立つのは何故なんだぜ。

 ガモウ先生の作劇における特徴として、連載を進めるにあたって色んな方向性へ進めるよう、常に種まきをしているというのがあります。定期的に福田組の状況が描かれ、描かれるだけに留まっているのが特に顕著であり、今回のイベントも、一応は仲直りまで描かれているわけで、このままアシスタント関連は捨て置くのなら、和解したままでそれなりにわいわいと仕事し、職場内での対立を主軸に進めていくのならば、再び亀裂が生じるのでしょう。
 何というか、作中での亜城木コンビ同様に、ガモウ先生達もアンケートの内容を見て、それを作中に反映させるつもりでいるのが、誌面を通じてストレートに伝わってきますね。

・サイコーはこれこれこういうことを思っている、ということに今週決まりました
 はい、僕の気のせいでなければ、早くアニメ化させて小豆と結ばれたいからアンケート第一主義になっていたはずですが、こう断言されてしまっては仕方がありませんね。実のところサイコーは、こんな風に考えていたのです。ダラダラ台詞で語るのではなく行動とエピ……いや、もうよしましょう。

 ところで、「文化として恥じる事のない作品」ってのは一体全体、どんな作品のことを指すんですかね?


 マインズ(読切)

 アイシの絵を描いてた方である、村田先生の読み切り作品。そんなわけで、流石に迫力のある絵を描いては見せてくれるものの、怒涛の説明台詞群に代表されるように、いまいちお話の方がうまくないなーと思わせられる作品なのでした。
 大体、凄い実力を持っている主人公が挫折しかけるものの、仲間の行動によって勇気を取り戻すというお話なのに、肝心な「凄い実力」を印象付ける最初のチェイスシーンで、いきなり地雷を踏んじゃうドジッ子ぶりを見せてますからね。例えるなら、トリコがガララワニの下へ到達する前にバロンタイガーから深手を負わせられるようなものです。そこはきっちり、異名に恥じない実力を見せてくれないと。

 というか、メインストリームが絞り切れていないんですよね。
・主人公と同じ負担を背にしたいメガネの話
・勇気を失った金髪がそれを取り戻す話
 ↑この二つが混在してしまっている。だから、前者について描いてる部分はメガネの方が主役っぽくなってるし、後者を描く際には、金髪の方が主人公っぽくなってしまっているのです。
 前者をメインに据えたいのならば、金髪が臆病風に吹かれる必要はなく、ただ普通にワンマンさが災いしてピンチに陥ったりメガネと対立したりすればいいし、後者を主軸としたいのならば、出世云々のところはバッサリとカットし、偵察任務中、大胆さを失ったことによって不利益を被る描写や、それに対し、メガネが反応を返す描写を増やした方が効果的でしょう。
 まあ、要するに、ひとつのお話の中でころころと語り部を変えるな、ということなんですけども。PC①は一人でいいのです。

 更に細かいところを追求すると、主人公達の部隊以外に偵察手段がない場所なのに、地雷の位置をバッチリ把握していたりといった具合に、どうにも考証の甘さが気になりました。

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by ejison2005 | 2010-06-22 22:08 | ジャンプ感想