2010年 冬アニメ感想
10年冬アニメの感想を、総括する形でひとつ。一応書いとくけど、今回のアニメ感想は単発だよん。


 天装戦隊ゴセイジャー

 この作品については、物語を語る以前に、何故「あの」横手先生を最も大切な第1話に起用し、その後一カ月ばかりのエピソードを担当させてしまったのか、そればっかりが気になってしまいます。
 一応、説明しておくと、横手先生は商業的にズッコケたと大評判なゲキレンジャーのメイン脚本家。実績から考えると、新番組のファーストシーズンを任せるなど、怖くてとても出来たもんじゃないはずなのですが……。ここら辺、製作側ないしスポンサー側がよほど脚本を軽視しているか、特撮界が深刻な脚本家不足なのか、あるいはそれらの要素が複合した事情があるのか、大変に興味深いところではあります。

 そんな超脚本家先生の手で送り出された天装戦隊は、仲間内で種族差別発言を繰り返し、何の脈絡もなく伝説のロボットが復活し、カード能力はどのような制限があるのかサッパリ分からず、その他、矛盾などを挙げていけばキリが無いほどの凄まじいスーパー戦隊でしたとさ。一年間この役に拘束される役者さんも、参加している他の脚本家さんも、皆一様に不幸です。

 しかし、この醜態は横手先生だけの責任かといえばさにあらず、むしろ横手先生自身もある意味では被害者と言えるかも知れません。それを感じさせるのが、設定関係のちぐはぐさです。
 本作の設定を大胆に要約すると、動物の力で戦う天使の戦隊がカードを駆使して宇宙人を撃退する、というもの。つまり……どういうことだってばよ!?
 うん、あのね。色々と混ぜすぎです。
 ジャリ番である以上、こういった諸々の設定は玩具展開を睨んでのもの(特にカード)なのでしょうが、この設定から考えるに、本作の企画意図は「動物と宇宙人と天使が大好きな子供にカードを売って大儲け」といったところでしょうか。二兎を追うってレベルじゃねーぞ!

 大体、成功した商品なんてのはコンセプトをきっちり絞っているものですし、企画段階から失敗が約束された作品だったということなんでしょうなあ。

 最新話を見てから追記

 ごめん、俺が間違ってた。やっぱ、基本的には横手先生に原因があるわ。この本は企画意図とか語る域に達してない。


 仮面ライダーW

 皆大好き三条先生がメイン脚本家を務めるライダー。ビイトの続きも読みたいです。
 まだ必殺技を使われていない形態があるのは気になるものの、状況に合わせて盛んに行うフォームチェンジを軸とした殺陣や、霧彦さんの顛末に代表される明るい中にも満ちたダーティな雰囲気、ラスボスとして降臨せしロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ王など、様々な部分から視聴者を楽しませてくれる良作です。

 ただひとつ気になるのは、主人公である左の人が、あまりドラマ的な求心力を持たない点。
 これもゴセイジャー同様、大人の事情が多分に絡んでくるお話なのですが、彼の人生における主題である「恩師の死に対する贖罪」という問題は劇場版にて消化されるため、テレビストーリーに置いてはほとんど触れられることがない。これが非常にマズイ。おまけに宿命のライバルである霧彦さんは風都の風になってしまったわけで、ドラマ的な側面で見た場合、彼の役割がほとんどなくなってしまった。言うなれば、ドーパントを倒す機械状態なのです。そりゃ、警察署へお茶飲みにも行くよ。暇だもの。

 その分、現状は照井が物語のけん引役となり、左の人はそれを先輩として導いたり助けたり助けられたりしているわけですが、あくまでも主役は左の人なわけで、何かこう、ミュージアムと戦う上での強烈な動機付けが欲しいところではあります。


 ハートキャッチプリキュア

 幼女向け番組の底力を見せつけたアニメ。え、大きなお友達向けだって? いやはは……。
 物語として上手いのは、番組モチーフである「花」を人間の心のメタファーとして見立て、主人公コンビが怪物を倒す行為を、「被害者の精神的成長を促す」という行為へ押し上げている点。当然、主人公コンビはそれを受け、自分達自身も何らかの精神的変化を果たすわけで、これは主人公の(精神的)成長という物語における至上命題を、怪物とのバトルという販促活動と密接に結びつける、優れた設定だと思います。
 これを最も顕著に表しているのは、青い子が怪物を生み出してしまったファーストエピソードでしょう。あれは、戦闘を忌避していた赤い子がそれを受け入れ成長する過程を描きながら、青い子の抱える問題も解決していた、素晴らしいエピソードでした。

 朝っぱらから獣によるスカトロプレイを見せられる点や、赤い子から失われた新八成分など、不満点もありますが、今後も視聴するのが大変楽しみな一作です。


 はなまる幼稚園

 ヤングガンガンは購読してます。つまり、そういうことです。
 原作の良い点をおおむね踏襲しつつ、アニメオリジナルでの遊び心もうるさくない範囲で行った、非常に堅実な作品。
 この系統の作品で最も避けて欲しい、後半から急にシリアス展開といったこともありませんし、1クールにわたって、ひたすら幸せ時空を描き切った良作だったかと。

 しかし、アニメになって改めておもったけど、何故掲載誌がヤングガンガンなのだろうか? 解せぬ……。


 ソ・ラ・ノ・ヲ・ト

 軽音楽部でウィッチーズなジブリがARIAする感じのアニメ。つまり……どういうことだってばよ!? これを全部ぶち込んだ結果、何が生まれるんだという期待感を持って視聴に臨みました。
 で、結果として生まれたのが、まあ……よくある前半ユルくて後半急にシリアスという、萌え路線アニメとしてもっとも避けて欲しかった展開。正直な話、全編通して常にユルユルな日常を描き切ってくれていたら、消化できていない設定が多々あったとしても評価する気があっただけに、この流れには残念だと言わざるを得ない。設定がちゃんぽんな分、せめて物語全体の路線だけは一定させるべきだったと思うんだけどな。
 あ、最終話での停戦シークエンスに関しては、ツッコミ入れたらキリがないので触れないです。失禁話における品の無さも。人間の生理行動は下手にやると汚いだけなのにね。


 バカとテストと召喚獣

 原作は読んでます。
 まあ、このアニメを見て思うのは、原作でも扱いに苦労している試召戦争の設定を、メイン軸に持ってくるために色々といらん苦労してるなあ、ということ。
 や、ひとつのお話として考えた場合、そりゃタイトルにまで冠してるんだし、召喚獣の要素を使ってまとめた方がスッキリはするのでしょうが、しかし悲しいけどこの原作、別にそれで人気を得ている訳じゃないのよね、という。
 むしろ、それを重視するあまりにエピソードの時系列を入れ替えるなどし、原作で高評価を得ているポイントであるコメディ要素を減退させてしまっているわけで、これはハッキリと失敗であったと言えるでしょう。
 とはいえ、早々に2期が発表されたことを考えると、これもある意味、仕方のない決断であったと言えるかもしれません。
 足りないもんね……原作ストック。多分、あの原作をアニメとしてテンポ良く消化していくと、2~3回で1巻分消化してしまうだろうし。2クール分は厳しい。同じくらいのテンポで原作を消化した(らしい……読んでないので)とらドラとは違い、別に原作の終わりも見えてないし。
 そりゃ、アニメオリジナルエピソードも大量投入されるよ。仕方ないね。


 ひだまりスケッチ×☆☆☆

 なごむわー。
 ぶっちゃけ感想と言えばこのワンワードのみなわけですが、この手の作品でそれ以外のことを考えさせられても困るわけで、これは僕に用意できる最大級の賛辞なのです。
 変わらないユートピアが売りの世界において、今期は新入生という異分子が変化を起こしているわけですが、既存組の空気を壊すこともなく、まあまあいい感じ。ただ、個人的には上手く溶け込ませたというより、既存組に比べてキャラとしてのパンチ力が弱かったため、なし崩し的に取り込まれたようなだけのような気がしないでもない、かな。キャラとしてのパンチ力というか、下級生なんでプロフィール的な序列でも下側だし。
 だがまあ、とにかく良し!


 おおかみかくし

 原作は未プレイ。
 なので原作がどうなのかは分かりませんが、少なくともアニメにおいては、「きっとこういうことなんだろうなー」と視聴者が簡単に予測しそうな内容が、そのまんま真相だった現代伝奇という感じ。だから少なくとも、アッと言わせられるような展開はなかったし、アニメとしても極めて平板な出来になったと思う。

 この作品がキツかったのは、意外性のない真相と、主体性の無い主人公という、2大要素が合体しちゃったことでしょう。分かりやすすぎる真相でどれだけ展開のスリリングさが失われたかについては触れずに置くとして、特に問題なのは後者です。
 この作品のテーマは、人間に良く似た異種族との共存(正確には病原体らしいけど)にあるわけですが、主人公は徹頭徹尾状況に流されるだけで、一切これを追うことが無かった。それが作品としての価値を決定的に低下させてしまっている。

 そんな状況になってしまったのも、主人公に当てられた役割が被害者Aから最後まで脱することがなかったという、その一点に限るでしょう。事件へ意志的に働きかけてさえいれば、それを通じて、テーマに触れる結果となっていたでしょうから。
 結局、物語を導く主役の役割は、あくまでも探偵かそれに準ずる立場のものでなければならなかった、ということですね。この場合における探偵というのは、別に真相を解き明かす人間のことではありません。真相を解き明かそうとする人間のことです。

 まあ、要するに、主人公のくせに事件へ関わる動機がゼロで、事件から逃げようとする動機が盛り沢山だというのはどうなのよ? というお話ですね。視聴者は事件に迫りたいのに、その代弁者たるお前が距離を置きたがっていてどうすんのよ、と。
 父親なり妹なりが犠牲となるとか、何かこう、彼が事件へ積極的に介入しようとする動機が欲しかったよな。

 最終話にはノーコメントで。


 とある科学の超電磁砲

 前半1クールは面白かったです。
 2クール目の内容には原作者が大きく関わってるとか何とかネットで見かけたんだけど、ラスボスの唐突な狂人化を見て大いに納得。ああ、これは確かに原作の(悪い)エッセンスだ。
 このアニメに関しては、以前にちょっと触れたことがあって、その際、評価したのは基本的に原作の問題点を補っているところだったわけで、改めて原作の抱えている問題点を浮上させられてしまうと、何ともコメントに困ってしまうのでした。


 デュラララ

 原作は未読。
 全くどうでもいい人物のどうでもいい生い立ちなどを、三十分に渡って延々と語り続けた2話だけは死ぬ程つまらなかったですが、それ以外の面ではここまで、とても先の気になる面白いアニメだったと思います。一見関係なさそうなそれぞれのエピソードの端々に、ダラーズの謎や製薬会社の陰謀などを匂わせ、視聴者に対する求心力を与えていたのが大きいね。そして、そんな流れとは何の関係もなく借金取り立てて暴れてた平和島さんはマジ素敵です。
 ただ、違法な人体実験まで行っていたからには、何らかのファンタジックでマッドサイエンな薬品が開発されていたと思うんだけど、それに関しては触れられないままだったのが残念。まあ、(何故か)警察には通謀されなかったのか開発責任者は逃れられてるんだし、今後日が当たることもあるのかな。

 2クール目は、今までいわゆる「信頼できない語り手」をやってきた為、状況に流されがちだった主人公が、どう能動的に動いてくれるかに期待したいです。

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by ejison2005 | 2010-04-11 19:01 | アニメ感想  | Comments(4)
Commented by ぺんぼー at 2010-04-11 22:40 x
プリキュアはマジでどうしてスカトロプレイに走ったんでしょうねー。
それとも、スカトロじゃなくて、出産プレイ?
エリカのくねくね感は見ていて楽しいですが。
Commented by ejison2005 at 2010-04-12 23:46
>>ぺんぼーさん
出産プレイ……そういう考えもあるのか……!
Commented by 青りんご at 2010-07-03 15:13 x
僕もはなまる幼稚園行きのバスに乗りたいです…
土田がうらやましいぜ!
Commented by ejison2005 at 2010-07-06 04:57
>>青りんごさん
僕も乗りたい。