10年17号のワンピース感想について追記
 10年17号のワンピース感想について、色々とコメントが寄せられてたんで、ちょっと解説を。


 赤犬による逃亡兵の処刑シーンについて

 戦闘開始直後、コビー&ヘルメッポが足を竦ませていたのと合わせて、これが今回の展開に至る根回しだとする意見があったので、まあ、最初に語っときましょう。

 なりません(断言)。

 逃亡兵に関する処遇については、解説するのが心底面倒くさいので各自ウィキペディアなり何なりで調べておいて頂きたいのですが、せいぜい、このシーンで分かるのは、コビー(&ヘルメッポ)の覚悟が、圧倒的に足りていなかったという事実だけです。断じて、命の大切さではない。
 逃亡兵は銃殺される。そして自分達は覚悟が足りなかったとはいえ、れっきとした海兵。この事実を受け、コビー(&ヘルメッポ)には、様々な選択肢が発生するでしょう。戦意を振り絞って戦ってもいいし、上官による処刑から必死に逃亡してもいい、隠れるって選択とかもあるかもね。でも、戦場の中心でいきなり命の大切さを訴えるというのには、少しばかりフリーダムガンダムが足りないと思うなあ。

 あ、ちなみにこれ。僕が主張を曲げるべきケースがひとつ存在します。
 それは、ワンピース世界では現実と違い、逃亡兵が合法的に認められていた場合。つまり、最前線で戦う正義を背負った海兵の皆さんが、言われなくてもスタコラサッサすることが、作中世界において「常識」として定義されていた場合ですね。この場合、僕は極めて見当違いなことを述べていたことになっちゃうんで、それを示唆する複線として機能しているシーンがあったら教えて欲しい。


 作中内で全肯定されるべき存在であるシャンクスに褒めさせる流れ

 今回のシナリオで最も欺瞞的だと感じたのはこれ。そもそもの話として、

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 これらのシーンから分かる通り、海軍全体のスタンスとしては「ガンガンいこうぜ」であり、それに対するコビーのリアクションは極めて異質なものとして描写されています。
 しかし、尾田先生は根っからの反戦主義者だからなのが人命尊重者だからなのかは分かりませんが、コビーの主張こそが正しいものである、というスタンスで作劇してしまった。で、あるからには当然、コビーを通じて赤犬を説き伏せ、彼の主張こそが正しいんですよ、と、読者に提示して見せる義務と責任が発生します。が、その方法は最悪と言っていいものでした。

 そう、シャンクスの介入と、その彼による太鼓判です。

 シャンクスはいわばワイルドカード。バクマンにおける新妻エイジのようなキャラで、基本的に、彼の言動は作中内で絶対的に肯定されるべきものです。そういうポジションです。
 言うなればこれは、討論で負けそうになってる側へ神様がえこ贔屓し、神の使い(シャンクス)をつかわして、「この者こそ絶対正義!」と認定しているようなものなのです。
 汚いなさすが尾田先生きたない俺はこれで尾田先生きらいになったなあもりにもひきょう過ぎるでしょう? 嘘です。ごめんなさい。


 ていうかコビーの身の丈に合ってない

 と、ここまで書いておいて何ですが、実は、「負傷兵を置き去りにするのは嫌だ!」という主張だけなら分からんでもありません。確かに、10の戦果を得るために9の被害を出しているようでは、負け戦と変わらんでしょう。

 でもさ、それはたかが曹長風情が考えるべき問題ではないんじゃないかな。

 同じことを、三大将なりガープさんなりが言ってたら、全然意味合いが変わってくるんだけどね。いかんせん、コビー如きが語る問題としては、視点が大きすぎる。
 まあ、実際、彼は唐突にニュータイプ能力に目覚めた結果、戦場を俯瞰できるようになってしまったわけで、その分不相応さを表現しているというのなら、成功であるといえるかもしれません。それに何の意味があるのかは知らないけど。

 また、上の文章で僕は「10の戦果を得るために9の被害を出しているようでは~」と書きましたが、実際のところ、海軍が現時点でどれだけの被害を出していて、これから掃討戦を行うことにより、それがどのくらいまで膨れ上がっていくのか、全く描写されてないので、読者が判断を下すことが困難なんですよね。もし、それが提示されていたのなら、こんなグダグダと書き連ねるまでもなく、客観的に考え何が正しいのか、余裕で判断できたはずですし。

 唯一、客観的にそういった情報を得られる能力者となったコビー君はしかし、極めて主観的な主張を述べてくれるだけなのであった。


 つーか叫んだだけで戦闘は止まらな(ry

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by ejison2005 | 2010-04-01 21:15 | ジャンプ感想